出産後、娘は慌ただしくビタミンKを飲まされたり、体重を計ったりとあわただしく色々とナースたちに
お世話をされたりしているうちに、母がホッとした表情でLDR室へやってきました。
取り上げてくれたドクターが、ロビーで待つ母に晴れやかな笑顔で近づいて”Beautiful baby!"と伝えてくれたそうです。
そのかっこいい仕事ぶり、素敵な笑顔っぷりに、母は彼女(女医です)のファンになっていました笑。
主人、母、私と赤ちゃん、LDR室で初対面。無事の出産を喜んでくれました。
主人がfacetimeをしてくれて、主人の両親にも出産の報告ができました。彼らにとっては初孫、とても楽しみにしてくれていました。
そのあと、私はLDR室を出て2泊過ごす病室へ車椅子で移動しました。
朝からまったく何も食事をとっていなかった私はもうお腹が空きすぎてフラフラ。
病室でやっと待ちに待ったサンドイッチをナースが出してくれました。普段、食事をするのがとても遅い私が
5分でアメリカンサイズのサンドイッチを平らげました。自分でビックリ笑。
赤ちゃんもやってきました。この頃の私が娘を見るときの視線と言ったら、まるで腫れ物に触るような扱いでした。
小さくて壊れそうで、でも壊してはいけないから、丁重に扱わなければ!!と常に緊張していました。

夫はこのあと近くのMr.Sushiへ食事を調達に行ってくれました。
いつもお世話になっている板前のベンさんが大きなおにぎりをはじめお惣菜をたくさん作ってくれて、
みんなで病室で頂きました。特にしっかりとにぎられた大きなおにぎり。シンプルな塩むすびでしたが、
今でも母と思いだして語るほどとてもおいしかったです。お腹が落ち着いたらみんなで写真撮影をして、それが済んだら私と母は休む用意。
夫はいったん帰宅しました。 私は体を休めたかったので、ナースに預かってもらう事にしました。
寝る支度を整えて、これで少しはゆっくり休める、と思ったら・・・ここから予想外の事が(笑)
一定の時間ごとに、ナースが入れ代わり立ち代わり病室へやってきて、体の様子をチェックしたり、簡単な質問をしてきます。
寝たいのに~!!!ふと、知り合いが”出産しても忙しいから病院では寝れないよ”と言っていたことを思いだしました。これかー!!
日本と違い、順調であれば2泊で退院するアメリカなので、その2日間のうちに色々と検査を済ませるんですね。
ナースたちは夜中だろうが母が隣のソファベッドで寝ていようがお構いなしにガラガラと機械を押して入室してきます。
検査はいいとしても、朝4時ごろに室内で担当者の引き継ぎを始めたり、”どうやってこの病院を知ったか”などの
アンケートをとりはじめたときはさすがにのんびり屋の私でもイラっとしました笑。
しかも、隣に母が寝ているのに声の大きさそのまま!もう少し控えめな声で話してほしいと今なら言えるのに笑。
朝が来て赤ちゃんが部屋に連れてこられました。優しそうなおじいちゃん小児科医のドクターがやってきて、
聴力など色々とチェックをしていきました。”おはようプリンセスちゃん、ちょっと耳の中をのぞくよ~”などと声をかけながら。
アメリカのドクターって本当に優しい人が多いなと思います。この先生も穏やかでユーモアがあって、とてもいい方でした。

病院専属の写真屋さんがやってきて写真撮影。この当時はまだまだ石倉三郎さん似の娘(笑)。

母が一緒に泊まりこんでくれたので寂しくなかったし、とても心強かったです。
出産で体内の水分をかなり失ったので、母には病院から支給された大きなカップにしょっちゅうお水を入れてもらっていました。
氷いっぱいにいれたカップに冷たいお水がおいしかったです。なぜか氷がないと気持ち悪くて。
三度の食事はチケットから母の分もありました。2人でしっかり3食食べても退院のときまでチケットは全部使いきれませんでした。
食事は好きなものをメニューからオーダーするのですが、朝食は込み合うので早目に電話していました。
母とアメリカにしてはまともだね、と言い合いながら食べました。ナースではなく、病院のカフェテリアのスタッフが持ってきてくれるので、
ちょっとしたレストラン気分にも浸れます笑。写真右上に写っているのがお水を入れたカップ。テキサスサイズ!

あるときふと赤ちゃんの爪が伸びていることに気づいて、ナースにどうすればよいのかを聞いてみると
”お腹の中で伸びたのね。ネイルファイルで削るといいわよ!(でもうちにネイルファイルはないわよ)”と言われたので、夫に急きょ買ってきてもらい、
まだ小さくて柔らかい爪を削ってみたりもしました。でも怖くてほとんど短くできていなかったような・・・。
ネイルファイルはレブロンの一番薄くて柔らかいものを買ってきてもらいました。確かこれがいちばん薄かったはず、と思いだし
購入してもらいましたがこれがあたりでした。いくつか入っているので、今でも娘の爪を整えるのに重宝しています。
2日間病院で過ごして、なにごともなく退院の時がやってきました。
母には狭いソファベッドの上で過ごさせてしまいましたが、私と赤ちゃんの入院生活を一緒に楽しんでくれたみたいです。
患者向けにコーヒーや紅茶を入れられる場所もあったので重宝していたみたいです。
短い入院生活ではありましたが、娘には家へ帰るために母が持ってきてくれたドレスを着せました。
この時はちょっと黄疸が出ていたため、顔が黄色みがかっています。

朝から私たちは荷物をまとめたり、最後の検査を受けたり忙しくしていました。
午後には赤ちゃんを迎えるために家をきれいに掃除してくれていた夫も病院へやってきてくれました。
私はナースが車椅子に乗せて車まで連れて行ってくれました。たぶん歩けたんだけどなんとなく甘えておいた笑。
娘をこわごわとカーシートに乗せたところ。これだと首のあたりが心もとないので、病院の両親教室で教わった通り、
首の両サイドに通気性のいいガーゼ生地のブランケットをロール状にして隙間をしっかりと埋めました。

夜中の検査は辛かったけれど、今思い出すとこれまですっかり忘れていたこともあり、いい振り返りのきっかけになりました。
評判通り、Plano Texas Presbiterianはいい病院でした。
母が関心していたのはナースたちの献身さ、そして明るさ。”日本の病院は愛想だけはいいんだけど、ビジネスライク”と言っていました。確かに。
こちらはシフトがしっかり決められいて、私を担当するナースはLDR室や入院していた部屋にかけられたホワイトボードに
担当者や連絡事項を名前を書き込み、終わったら次の担当者の名前を書いて私の目の前で引継ぎを行っていました。
おかげで、何かを忘れられたなんていうことはありませんでした。私本人への本人確認と、赤ちゃんのIDタグ確認はしょっちゅう行っていました。
それもしつこいほど。でもこれが安全につながるのですね。
昨年、チビ子は日本で入院しましたが、意外にもいい加減なところが目立ち、がっかりしたことが多かったんです。
知らないうちに引継ぎが行われていて、伝えたことがまったく伝わっていない事もしょっちゅうでした。
一度ナースの許可を得て外した手首のモニター、私が帰る際に”手首につけておいてほしい”と
お願いしたにも関わらず、夜の面会でそのモニターがベッドの下に落ちていた時はショックを憶えました。
ナースの人手不足で、一人のナースが抱える作業量が多すぎるようにも思いました。
たまたまたその病院だけがそうだったのかもしれませんが・・・・・・。
家を守ってくれた夫、2日間付き添ってくれた母、ありがとう。
おかげさまでチビ子も間もなく1歳半を迎えます。こんなに小さかった娘も1歳前には歩き出して日々追いかけごっこです。
産後すぐから同い年のお友達もいて仲良く過ごしています。好奇心が強くどんどん様々なことを吸収していく彼女ですが
ときにはこうして生まれた日の事を振り返って思い出してみたいなと思います。
家の中で買ったばかりのブーツを履いて。靴が好きみたいです。靴好きは私に似たのねー、というと夫が隣でちょっと青くなってます笑。