ラッパ吹きの私的つぶやき

沼津交響楽団Tpパートリーダの華麗でも素敵でも詩的でもない私的な音楽的手記。

連載:ブラームスの3番のスコアを読む(3)

2005年03月29日 23時32分33秒 | クラシック
Johannes BRAHMS: Symphonie Nr. 3 in F-Dur, op. 90 (1883)

Poco Allegretto

1: 3/8は1つ振りだという話を小耳にしたことが。Vc.のメロディが楽章のすべてを支配する。espress.。ただしVc.はBr.を聴いて。アーティキュレーションを大切に、細切れにしない。三連符とは違う。木管ののばしは最大限の神経を使って。パートごとに形が違う。
12: Vln. IはVc.とともにFg. Iも聴く。シンコペーションもVln.を感じて同じように。
24 (A): Vc.はVln.から受け取る。dolce。冒頭より全パート小さく。
25: Vln., Vc.寄り添って。
31: dim.はずっと41 (B)まで。松葉はちょっと。薄くなるdim.。
40: 木管は最大限の神経を使って聞き合って。
41 (B):ここから再び動き出す。冒頭のVc.を意識して。
52 (C): stacc.注意して。延ばしは動きを止めて、ただし拍を意識して。複縦線でがらりと雰囲気が変わる。木管はVc.の裏打ちを聴く。3で動いて1で止める感じ?
62 (D): 後ろの16分音符を意識して、しかし16分音符は大きくならない。
69: ppはしっかり落として、わき上がるようにfへ。頂点は74の1拍目で保つ。77 (E)でpまで落としてさらにdim.。和音は同じだが動きが62 (D)より大きく、次第に下り基調へ。
86: 69を再現するが2度低くdim.。だんだん上りながらさらにdim.。松葉はやりすぎず、Hr.の入りを補助するように?
98 (F): Hr.冒頭のVc.を忘れず。Ob.は冒頭のVln.を忘れず。
122 (G): Ob.はdim.せずにKl.に譲る。Kl.とFg.寄り添って。途中の小さな松葉を忘れず。
138: 全オーケストラがアンサンブルをしなければならない。41 (B)よりも神経が必要。
150 (I): 松葉の頂点を全員合わせる。stacc.置くように。フェミオラの動きを強く意識して頂点。8分音符長さ揃えて。切りは木管と弦のpizz.を同時に。

練習とか

2005年03月24日 00時42分04秒 | クラシック
 いろいろあってなかなか記事を書くことが出来ず申し訳ありませんでした。この半月、まともに文章すらも書けてないというのは如何に。

 先週木曜日は練習でした。その前の週は仕事で、たまたま練習は降り番だったから良かった(?)もののまともに楽器が吹けないでいたので、これは拙いと一念発起。夜のちょっとした時間に楽器を吹くように心がけつつ。本当ならそれが当たり前のはずなんですけどね。トランペットはうるさいから色々考えてしまうのですよ。時間とか。
 そんなわけでわずかながらリハビリの成果は出てきたような今回の練習。変則的な練習で、いつもの指導者が不在でオケを振らないような人が練習の面倒を見た。
 なんだかエンジンが掛からないまま胡桃割り人形の練習、序曲と行進曲が終わった頃にようやく頭のエンジンが掛かり始める。おかげで変なところに時間を使っていたのにつっこみ損ねた。変に聞こえるって、そりゃ弦楽器無しで丸裸1本だと変には聞こえるでしょうけど、それは今つっこむところじゃないだろうと。
 行進曲もどう吹けばいいのか分からないまま何となく。トレパークにさしかかる辺りでようやく色々言えるように。でも何となく不完全燃焼。花のワルツの序奏のPk.の長さは木管と同じだということはつっこむべきだっただろうか。
 そのまま後半のイタリア綺想曲に突入したものだからもう大変。最後なんて暴走状態。多分あんな感じではあるんだろうけど、コルネットとトランペットを両方吹くのはこれきりにしたいものだ。

 演奏会に向けての練習というのはたいてい長丁場で、最初と最後はテンションが張っていて間は緩むものだと相場が決まっている。ちょうど今頃がそうなのではないだろうか。これで4月半ばの合宿を過ぎると、みんなおしりに火がついたことを自覚してかちかち山。ほんとはもう背中の薪に火がついてるんですけどね。
 残り練習回数は12回。それを多いと思うか少ないと思うかはそれぞれ。みんなはどう思うんだろう?

 ……それにしても、沼津近辺にオケラッパ吹きはいないものだろうか? オケが好きなら吹奏楽だけの経験の人でも大歓迎だけど、オケと吹奏楽はトランペットの音色が違いますからねえ。わたしもオケを始めた大学の頃はそれでよく怒られたものだなあと思いつつ。

練習の風景

2005年03月08日 00時19分39秒 | クラシック
 ちょっと前になってしまいましたが、木曜日は練習でした。曲目はブラームスのヘ長調、第3交響曲。
 以前に比べて前列の雰囲気がすごく良くなっている気がする。まとまりがあるというか、聞き合っている感じがするというか。それを聞いていると心地よい。やっとブラームスをやっている気分になって嬉しい。以前抱いた不信感が、かなり払拭された練習だった。
 それに比べて金管部隊はあらが目立ちすぎ。わたしは相変わらず絶不調でEs2音でだめになるし、トロンボーンのニュアンスが合ってないし。これは追い追いパート練習なんかしたいと考えつつ。
 そのあとはなんだか変わったメンツでお食事会。オーケストラで音楽をするということなどについて。
 結局、自分さえ良ければ他はどうでもいいと思っているような人間には、少なくともオーケストラ音楽を作ることは出来ないと思う。
 自分を大いに表現する形式として真っ先にジャズが挙げられるが、それだってある一定の形式を作ってくれる仲間の音を聞いた上でそれに応える、『会話』の音楽なのだ。
 他の人の話を聞かない人間には、独奏楽器も無理だと思う今日この頃。知り合いのピアノ弾きはしゃべりの中から自分の演奏のヒントを敏感に掴んでいる感じがして、それがプロ意識なんだなあと感嘆した。ついでにいうなら独奏楽器でも、聴衆と対話しているのですよ。
 わたしだって人の話を聞かないで演奏しているような感じもするかもしれないけどそれなりに気を遣って気を遣いすぎてつぶれた演奏会も数知れずで(以下略)ぶつぶつぶつぶつ……。

 それにしても今回はPk.がやたらすぐ後ろにいたのはなぜ?

連載:ブラームスの3番のスコアを読む(2)

2005年03月06日 00時12分10秒 | クラシック
Johannes BRAHMS: Symphonie Nr. 3 in F-Dur, op. 90 (1883)

Andante

1~:各パートでアーティキュレーションが少しずつ違う。4小節にわたる大きなスラーを意識して。
4: 弦楽器は山びこ。
5: 先ほどとアーティキュレーションが違う。最初よりわずかに遠く。
9: 松葉の掛かり方が違う。2回目よりわずかに近く。
13: Ob.は弦楽器と同じ息づかい。Kl. Iに渡す。
15 (A): 距離感は最初と同じくらい。ppをとても意識してdim.。
18: pはsub.。
24 (B):16分音符はそれまでのメロディを意識して、でも空気を少し違えて。
25: mfはsub.。木管にはそれまでcresc.は書かれていないが意識して。cresc.はしっかりfまで。
29: sf重く。
31: 2回のsf重く。最後のstacc.はVla以下にfpが書かれている。松葉しっかり。stacc.短くなく。
36: 和音の変化を意識しながら音が下がるのに従ってdim.。
41 (C): 動きに乏しく。お互いに何をやっているのか神経を使って。長さをしっかり、dim.して松葉しっかり。4分音符は16分音符で刻むように意識するといいのでは? 3連譜や8分音符を粘っこく。
50: ここから動き出す。松葉の頂点に敏感に。
56: 動きを止めて長さしっかり、音色の変化をしっかり。ドミナントを意識。
62: ここから動き出す。松葉しっかり。
63 (D): mfからじわっとcresc. pfはpoco fらしい。シンコペと上昇の盛り上がり。松葉は濃度差を出すように。
71: しっかりpまで落としてcresc.。
72: 4分音符の裏に3連譜シンコペがあるのを意識して。
76: それまでの動きでfに持って行ったあと空気が変わる。シンコペでなく16分音符を意識。
80 (E): 2つのsfのあと80 (E)が頂点。重くsfpで落として急に動きに乏しく。
84: 冒頭の雰囲気を思い出して、だが裏で16分音符の動きを忘れず。木管全員だが大きすぎず。8重奏の気持ちで。
100: pp大事に。102 pはsub.。
108 (F):あくまでもp。すっきりと。4小節掛けてcresc.し、2小節fを保って一気にpに落とす。
115: pに落ちるとともに動きをなくして。だが細かい音符を常に頭に刻んで。
122: コーダ。音符が下がるにあわせて落ち着く。128 Pos.コラールを全員聞いてから動き出す。
131: 幸せなpoco rit.。133: 微笑みながら。松葉を意識。

好きな作曲家

2005年03月05日 22時32分38秒 | クラシック
 嫌いな作曲家がキツイ作曲家となると、じゃあ好きな作曲家はキツクナイ作曲家?
 出番がなければいいのかというとまったくそんなことはなくて。楽章全部休みなのはまだ良くて、誰かのピアノコンチェルトは2楽章でトランペットが1音という言語道断な楽譜を書いてくれたりして。数え間違えたら大変なことに。というか数えるのは不可能なので曲を覚えることに。しかも1音だけというのは外しやすい。なんたるちや。
 じゃあわたし的にはだれがいいのか。

 真っ先に上がるのはもちろんマーラー。確かにマーラーはきつい。でもマーラーは、トランペットの使い方が本当に上手い。トランペット吹きにとってのバイブル。嬰ハ短調交響曲の最初を吹く腕と吹く機会があれば死んでもいいくらい。
 それからブルックナー。あの重さは大好きなんですけど、ヘタしたらマーラーより演奏機会がないかも。体力保たないかも。
 そしてニールセン。トランペットはかなり気持ちいい、気がする。楽譜は1番しか持ってないけど。

 ついでに出来る気がしない作曲家。ラヴェル。R.シュトラウス。やれと言われたら頑張りますけどね。こないだ聞いたアマオケのラ・ヴァルスは本当に大変そうだった。

 結局のところ、まわってきたパートに全力を尽くすのが本当のラッパ吹きなんですけどね。

連載:ブラームスの3番のスコアを読む(1)

2005年03月01日 00時14分07秒 | クラシック
 自分に対する備忘録も兼ねて、わたしがスコアを読んだ結果を、文字にしておくことが誰かのためになればいいなと思いつつ。
 前記しておくと、わたしは音楽についての専門教育を受けたわけではないので、解釈について明らかな間違いがあると思います。批判的に読んで頂き、間違いと思われることを指摘して頂けると有り難いです。
 宜しくお願いします。

 では。

 凡例:楽器名は慣例に従う。和音を表すときは、長調は大文字、短調は小文字。

Johannes BRAHMS: Symphonie Nr. 3 in F-Dur, op. 90 (1883)

Allegro con brio

1~: F→c-7→F
 Fからc減七で位置エネルギを溜め、Fで解放。あるいは弓を引き絞って放つ感じ。
4~: 解放されたエネルギは動くパートへ。重さはKfg., Pos., Pk., KBへ。
8~: 松葉。10以降は松葉でないパートへと入れ替わるためにdim.はすぐに始める。11の1拍目は全員強く意識。
13: 1拍目に最大のエネルギを込めてあとは余力で柔らかく。Vln., Vla.にクサビとsf。
A (15): 十分に柔らかく、cresc.は17からFに向かって。
20: 4拍目に音が変わるパート。B (23)のDesに向かう。23はVln., Vla.にfp。自分が和音のどの音を吹いているか意識して。
31: 5拍目に音が変わるパート。次の和音に先行。
34~35: 天に昇るdim.。36に入るまで気持ちを抜かない、息を止めるように。36以降3×3のワルツ。デュエット。
37~38: ステレオのボリュームを小さくするpp。あるいは遠ざかる。
C (44): 4拍目を決めたあとは余力。以下同様。和音の変化。
47: 1拍目を全員が感じる。気を抜かない。
49: そっと。50の5拍目を全員が感じて6から動き出す。
51~: シンコペだからこそ1拍目を意識。だが1と4を強くしていいのはメロディの松葉だけ。細かくなることでエネルギを溜めて59全体で維持。60はsubito p。
63: 6拍目から一気にcresc.で64の6拍目に。たもって64で書かれていなくても気持ちはcresc.木管はsub.ff。弦楽器のsfを意識して。
69~: staccだが音楽は切らない。fとpiuf、ffの差を明確に。ベートホーフェンのハ短調交響曲(5番)のように。
76: 何故かTp.は最後がない。気持ちだけE (77)に向けてcresc.。
E (77): それまで溜めに溜めてきたエネルギをagitatoに込める。だがf(ffではない!)
83: 1拍目踏みしめて。F (90)に向けて気持ちだけcresc.。
F (90): 頂点は4拍目。あとは余力。だんだん力を抜く。動きが小さくなるdim.。底は98の3拍目。
100: 木管と弦楽器で頂点が違う。
G (101): 音の流れに素直な松葉。シンコペが長くなるにつれてdim.
H (112): 楽章で一番小さく。その中でも117が底。118から重くなるcresc.。120で解放。再現部へ。
128~: 8~と同様。ただし調の変化に敏感に。
148: 全員動いてはいけない。
149~: こちらはsotto voce。カルテット。調の変化。
158~: 49と同じ。ただし形の違いを意識。
165: 6拍目から8分音符を意識。スラーの掛かり方が同じ。K (168)に向かってわき出す。
174: 弦楽器f。提示部との差。
183: ffで3つのsfのあとL (187)が頂点。だがこれ以降はf。sfはTp., Pos., Pkがそろって4拍目を正確に。
L (187)~: 先発と後発が揃う休符を意識。piufから明らかに大きく。
194: 4拍目は全員強い休符。195以降はHr., Tp., Pos., Pk.は木管とVln. Iを聞き4拍目にエネルギ。弦楽器は8分音符意識。
198: Tp., Pos., Pk.: 2分音符。195と違う。3と6拍目を吹けるように。199もぎ取る。他はHr.以外はようやくff。
M (201): rfの意味を考えよ。楽章の頂点は202。あとは余力。
204: fを意識。subito。だんだんバネが緩んでいく。
211~: 全員神経を集中して。214から動く。
216~: 階段を上るように意識を高めて頂点は220。fp。ゆっくり穏やかに。松葉は大きくなく。

(3/5 02:03微小な訂正)