勝毎記事より
晩成社鈴木銃太郎の親族 家系図作成
完成した冊子を手にする嵯峨山さんと吉田さん(左から)
【芽室】晩成社の一員で、1886年に自作開拓者として町西士狩に入植し、芽室開拓の先駆けとなった鈴木銃太郎に焦点を当てようと、町内在住で親族の嵯峨 山俊幸さん(55)=会社員=と銃太郎を研究している吉田政勝さん(61)=同=が家系図と冊子をまとめている。3日には町内の新嵐山荘で鈴木家と銃太郎 の妹カネが嫁いだ渡辺勝家の親族が集い、講演会などを行う。
嵯峨山さんは銃太郎の弟定次郎のひ孫。昨年、吉田さんが銃太郎を研究していることを知り、連絡を取り意気投合し、「晩成社開拓130年の節目を機にひとつの形を残そう」と2人で企画を立ち上げた。
家系図は、嵯峨山さんの親戚が1999年にまとめたものを修正・加筆し、渡辺家も加えたもの。銃太郎の父親長(ちかなが)から長男銃太郎、次男定次郎らの道内外に住む一族をまとめており、鈴木家は5代187人、渡辺家は4代28人を記した。
嵯峨山さんは「銃太郎の開拓に懸けた思いを子孫として誇りに思っている。家系図の中には欠けている部分があるので、何とか完成させたい」と思いを語る。
冊子はB5判32ページで、タイトルは「頌徳(しょうとく)誌~鈴木銃太郎・渡辺勝の歩み~」。銃太郎と依田勉三、渡辺勝との出会いや入植当時の地図など貴重な写真を収録。開拓当時の銃太郎の姿を描いた小説「オベリベリからシブサラへ」(吉田さん著)も掲載している。
吉田さんは「芽室に住む者として、銃太郎と渡辺勝の2人にスポットを当てたかった。調べる中で私の祖父が銃太郎と付き合いがあったことなど縁を感じている」と話している。
3日の「鈴木家と渡辺家の集い」は午後6時から、新嵐山荘で開く。同時刻から、帯広百年記念館の内田祐一副館長が「鈴木銃太郎伝」と題して講演し、同7 時から祝宴を行う。講演会は一般参加も可能。参加無料。家系図は親族に配布し、冊子は今後、町図書館などに寄贈する。問い合わせは嵯峨山さん(090・ 2051・9892)へ。