雪わり草の咲くころ 

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秋風   

2020-02-01 02:15:56 | ke&yeのざわめきDiary
   
    
      秋の歌         ポ-ル・ヴェルレーヌ(堀口大學訳)

    秋風の
    ヴィオロンの
    節(ふし)ながき啜泣(すすりなき)
    もの憂き哀しみに
    わが魂を
    痛ましむ。

    時の鐘
    鳴りも出づれば
    せつなくも胸せまり
    思ひぞ出づる
    来(こ)し方に
    涙は湧く。

    落葉ならね
    身をば遣(や)る
    われも、
    かなたこなた
    吹きまくれ
    逆風(さかかぜ)よ。

       
        落葉            
                 上田敏 『海潮音』より
      秋の日の
      ヰ゛オロンの
      ためいきの
      ひたぶるに
      身にしみて
      うら悲し。

      鐘のおとに
      胸ふたぎ
      色かへて
      涙ぐむ
      過ぎし日の
      おもひでや。

      げにわれは
      うらぶれて
      ここかしこ
      さだめなく
      とび散らふ
      落葉かな。
   
 
  秋の唄
            ポ-ル・ヴェルレーヌ(金子光晴訳)

秋のヴィオロンが
いつまでも
 すすりあげてる
身のおきどころのない
さびしい僕には、
 ひしひしこたえるよ。

鐘が鳴っている
息も止まる程はっとして、
顔蒼ざめて、
 僕は、おもいだす
むかしの日のこと。
 すると止途(とめど)もない涙だ。

つらい風が
僕をさらって、
 落葉を追っかけるように、
あっちへ、
こっちへ、
 翻弄するがままなのだ。



  秋の歌
            ポ-ル・ヴェルレーヌ(窪田般彌訳)

秋風の
ヴァイオリンの
  ながいすすり泣き
単調な
もの悲しさで、
  わたしの心を傷つける。

時の鐘鳴りひびけば
息つまり
  青ざめながら
すぎた日々を
思い出す
  そして、眼には涙。

いじわるな
風に吹かれて
  わたしは飛び舞う
あちらこちらに
枯れはてた
  落葉のように


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数日前あたりから上記の詩が何故か思い浮かんでくる。

古く茶色になった文庫本を開く。

なぜヴェルレーヌだろう。それも堀口大學訳のみだ。

きっと頭の中が落ち葉になりかけているのかもしれない。



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