広島大学の原爆放射線医科学研究所と大学院医系科学研究科の共同研究で、タバコの煙がコロナ感染の予防効果があるという発表をしています。
詳細はこちら。
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/66135
ということで、皆さん、タバコ吸って煙巻き散らかしてください。
って、タバコは有害ということで、社会から排除されようかというところで、JTには朗報だろうか(笑)
科学の成果は必ず部分論である。ポパーは科学的命題には、必ず反証可能性があるといった。科学は発見した事実命題が誤りであることを排除しない。だから、どのような科学的発見も将来間違っているかもしれないという視座を残しておくわけだ。
人間の認識は科学的な方法で行われても、自然全体を視野に入れることは不可能であるので、必ず部分論にならざるをえないし、その命題のメタレベルを発見すれば、当の命題が真ではない状況もあるということです。
人間の健康ということを考えれば、タバコの人間への影響は通常有害とされても、人間の健康自体がそもそも概念にすぎないので、コロナのような状況になれば、それまで視野に入れていた健康では理解しきれない健康のありようが発見され、タバコがいきなり健康に効果があるという結論を一旦は言えることになります。
ということで、タバコがコロナ感染抑制効果があるという発見がなされると、タバコに当てられていた社会的意味も変容せざるを得ないわけです。
で、結論。本当のことはわからない。そういうことでしょう。
僕がこのニュースを見て思い出したのは、生物学者の池田清彦さんが「タバコ吸って寿命短くなってもいいだろう」という話でした。そりゃ他の要素で寿命長くなったり、短くなったり、寿命という言葉もいい加減だなあという感じです。突き詰めると、なんだかわかりません。
科学的成果を利用するのはいいにしても、これまでその科学なる実践が、人間はもとより自然環境にどれだけ負の側面をもたらしたのかを忘れてはいけないと思うのです。
まあ落ち着いて死ぬまで生きることにします。