終の棲家ストーリー

まさか!の還暦家つくり。しんどくならないように、ゆっくり書きとめながら・・・。

くだもののいろ

2010-12-11 22:50:14 | 食物
JA和歌山から取り寄せた柿とみかん。

残り少なくなった。

毎年、梅干し(天昧)と柿(富有柿と平種なし柿)、有田ミカンを注文する。

この果物の色の鮮やかさはどうだ。

♪くだもののいろ♪と、華々しく化粧品メーカーのコマーシャルが展開されたのは、

昭和39年、東京オリンピックの年だったか。

ちょうど大学へ入学した年、だから、化粧品のCMは、気にかかる年頃。

当時、資生堂とマックスファクターの2社が、デパート1階のいい場所を占めていた。

一方が♪くだもののいろ♪とやり出したら、ほどなく他方が、

♪フルーツカラー♪と歌いだした。

ライバルでしょ、違いを際だたせなくてどうするの?!

と、両社の販売戦略に対して、わたしは強い違和感を覚えた。

たしかに、ファッションの世界でも、流行色を制定して、

あらゆる商品をその色に収斂させて、成長期のメディアを塗り潰した。

大量生産品を、大量消費させるために口裏合わせの談合をしていた・・・。

うっすらとではあるけれど、その強い風圧を感知させられた最初は、

まさしく、圧倒的な物量の、化粧品の衝撃的なコマーシャル、だった。

プレ団塊世代をターゲットに、怒濤のような、宣伝工作が押し寄せていた。

そしてこの、無理矢理の需要の喚起、を、わたしたちは、豊かさと思い込んだ。

何のことはない、欲望への刺激と反応に過ぎなかったのに。

戦前からの“みんな一斉に”が、長いものに巻かれる国民性にしっくりと馴染んで、

ベルトコンベアーで運ばれてくる“ゆたかさ”を、我先に奪い合ったのだった、

と、今なら俯瞰できる。

目の前のにんじんを一顧だにせずやり過ごす、ことは難しいけれど、

物質でも、政治でも、

せめて目を見開いて、主体的に取捨選択しなくては、と、

少ない残り時間だから尚のこと、腕組みしつつ立ち尽くす、初冬のゆふぐれです。











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