米国の中間選挙は、当初見込みと違って民主党が善戦している。
若し共和党が圧勝すれば、トランプ前大統領が我が物顔で出てくるだろう。
そうなればアメリカの分断は抑えきれないまでになり、世界も民主主義が風前の灯火になる。
ロシアのプーチン、中国の習近平、そしてアメリカのトランプ。
どれも見たくない顔だ。
当面、老骨に鞭打ってバイデンに頑張ってもらうしかないだろう。
民主党の悪い流れを変えたのは、6月下旬に連邦最高裁が出した、人工妊娠中絶の権利を認めない判決だった。
この判決をバイデン政権は強く批判。
さらにバイデン政権は、選挙戦を通じて「民主主義の危機」を訴えた。
それらが功を奏したのだろう。
アメリカには、まだ「民主主義の強靭な回復力」があると信じたい。
トランプ前大統領に対する米司法当局の捜査が進んでいる。
五つの事件で進行中だが、そのうちの主なものは次の三つ。
①在任中に機密文書を持ち出してフロリダの自宅に隠していた事件。
②アメリカ議会への侵入事件への関与はあったのか?
③一昨年の大統領選でジョージア州の開票作業に介入した疑い。
前大統領の起訴という決定を下すのはメリック・ガーランド司法長官だ。
次のように語る、
「民主主義が直面する脅威、独裁者と対決するには、法律や制度だけではだめだ」
長官の信念は、「何人も法の上に立たない(法の平等)」
この長官にして前大統領の起訴には用意周到な裏付け捜査と世論の後押しが必要と考えているのだろう。