ようやくと言うべきか、あるいはおそるおそると言うべきか、日銀が異次元金融緩和を転換する。
植田日銀総裁の役割は、散々食い散らかしたアベクロミクスの後始末をつけることにある。
異次元金融緩和によって、円安と株高が進んだが、同時に日本の真の国力は衰退し国民生活も楽にはならなかった。
にんまりとほくそ笑んでいたのは、輸出中心の大企業と富裕層であろう。
それと忘れてはいけないのが財務省だ。
ゼロに近い金利で気兼ねなく国債を発行していたから。
経団連の十倉会長の発言は、何ともお粗末(後半部分)
適切な時期に適切な政策を判断した。
ようやくカンフル剤によるぬるま湯の時代が終わった。いよいよそこから出て歩き出す。
あなたたち経団連がぬるま湯に浸っている間に世界はどんどん前に進んでいる。
世界競争力ランキング(ビジネス効率性)はどんどん低下し、ポツワナやモンゴルレベルになってしまった。
そして給料の上がらない国にした責任をどう取ろうというのか?
(実質賃金は22か月マイナス)
日銀は異次元金融緩和の修正に動いたのだが、マーケットの反応は鈍い。
本来なら円高・株安に動くはずだがそうならなかった。円安・株高に動いた。
金融政策の総本山である日銀がマーケットから甘く見られているとしたらそれも問題だ。
今回の政策変更は、数日前から新聞などで報道されていたが、普通は考えられない。
金融政策に物価上昇2%などと言う目標を狙いとした「アベクロミクス」は失敗だった。
日銀の第一の使命は、日本の通貨「円」の実力を毀損させないことにある。
経済の実力を高めるのは政府と経済界にあることを肝に銘ずべきだ。