1590年豊臣秀吉の命令で家康は江戸に転封を命ぜられた。関ヶ原の戦いが始まる10年前だ。
当時の江戸は見渡す限りの湿地帯だった。利根川が暴れるからだ。このありさまを見て家臣たちは心の底から怒ったという。
しかし家康の目の付け所は違っていた。
利根川を改良すれば、日本一広大で肥沃な関東平野が出現するのだ。
家康が江戸時代を300年間にわたって築いた原因がここに存在する。
家康は様々な名言を残しているが、私の気に入っている言葉は次だ。
「いくら考えてもどうにもならぬときは、四つ辻へ立って、杖の倒れたほうへあゆむ」
家康もこんな時があったと考えれば、何かほっとする。