こばとが海から帰るなり
‘ママぁ、アンナに帽子もらった。クルーズのお土産だって。’

アンナはこばとの同級生。どうやらエーゲ海クルーズから帰ってきたらしい。
パパは魚の中卸業をやっていて普段から羽振りのいいうちだ。
夏休みのピーク時に家族でクルーズ旅行なんて、、相変わらず、さすが。
しかしながら巷の話だと、今年は空前のクルーズブームらしい。
イタリアにもいろんなクルーズ船が運航しており、ここヴェネチア発着も数多くある。
値段も一昔前とはかなり違っているようで、ピーク時を除けば1週間1人500ユーロくらいのものも。
そればかりかどのクルーズ会社も子供(高校生くらいまで!)は無料だ。
とはいえ、開けてみればそれだけですまないのがクルーズ旅行なのだが、、。
‘いいなぁ、アンナ。 こばともクルーズ乗ってみたいなぁ。。’
‘乗ってみたいって、こばと、それ10年早いんちゃう?’
と言って思い出したが、
私が初めてクルーズ船に乗ったのも20代の頃だった。

でもそれは‘仕事’で。
私は20代の一時期、大型客船で働いていたことがある。
英国籍のその船は

最新技術&設備をそなえた今のそれとは比べようにならないほどの‘オンボロ’?!
いや、歴史ある船、クルーズ料金も決してお手頃とはいえなかった。
なのでお客のほとんどがその歴史と名声に惹かれてやってくる世界のお金持ち(=老人)。
彼らの案内が主な仕事内容だったが、
今から思うと仕事というよりクルーズ見学させてもらったような日々であった。
実際そこでいろんなことも学んだ。
クルーズというのは出航した(陸を離れた)時からそこが1つの社会になる。
働いてる者とバカンス客とには大きな違いがあるとはいえ、
華やかに見える船の生活にもそれぞれいろんなことがある。
その生活(人間関係を含む)が合うかどうか、がクルーズを続ける上で重要な鍵になる。
2,3日の旅ならいいが、1ヶ月以上にもなると尚更だ。
最初は船旅への好奇心や訪れる国々への興味とで尽きることがないが、
そのうち慣れてくると、変らない景色、日々の単調な流れ、狭い人間関係に物足りなくなる。
(特にそれが顕著に出るのが日本人)
そうして、私もそうだが

その後降りていった者もいれば、そのまま残って旅を続けた者もいた。
あれから20年。。。私がクルーズ船に再び乗ることはなかった。

毎週日曜の夕方、
うちの前の海の彼方にギリシャ行きクルーズ船が通るのが見える。
おかしなもので、
最後はあんなにウンザリしていた船なのに
今、またこうして目前に見るとムショウに懐かしくなる時がある。
こばとには10年早いと言ったものの、、
そのうちクルーズもわるくないかも。。(もちろん近場、オフシーズン+子供タダで!)
という思惑がふと頭をよぎった。
‘ママぁ、アンナに帽子もらった。クルーズのお土産だって。’

アンナはこばとの同級生。どうやらエーゲ海クルーズから帰ってきたらしい。
パパは魚の中卸業をやっていて普段から羽振りのいいうちだ。
夏休みのピーク時に家族でクルーズ旅行なんて、、相変わらず、さすが。
しかしながら巷の話だと、今年は空前のクルーズブームらしい。
イタリアにもいろんなクルーズ船が運航しており、ここヴェネチア発着も数多くある。
値段も一昔前とはかなり違っているようで、ピーク時を除けば1週間1人500ユーロくらいのものも。
そればかりかどのクルーズ会社も子供(高校生くらいまで!)は無料だ。
とはいえ、開けてみればそれだけですまないのがクルーズ旅行なのだが、、。
‘いいなぁ、アンナ。 こばともクルーズ乗ってみたいなぁ。。’
‘乗ってみたいって、こばと、それ10年早いんちゃう?’
と言って思い出したが、
私が初めてクルーズ船に乗ったのも20代の頃だった。

でもそれは‘仕事’で。
私は20代の一時期、大型客船で働いていたことがある。
英国籍のその船は


最新技術&設備をそなえた今のそれとは比べようにならないほどの‘オンボロ’?!
いや、歴史ある船、クルーズ料金も決してお手頃とはいえなかった。
なのでお客のほとんどがその歴史と名声に惹かれてやってくる世界のお金持ち(=老人)。
彼らの案内が主な仕事内容だったが、
今から思うと仕事というよりクルーズ見学させてもらったような日々であった。
実際そこでいろんなことも学んだ。
クルーズというのは出航した(陸を離れた)時からそこが1つの社会になる。
働いてる者とバカンス客とには大きな違いがあるとはいえ、
華やかに見える船の生活にもそれぞれいろんなことがある。
その生活(人間関係を含む)が合うかどうか、がクルーズを続ける上で重要な鍵になる。
2,3日の旅ならいいが、1ヶ月以上にもなると尚更だ。
最初は船旅への好奇心や訪れる国々への興味とで尽きることがないが、
そのうち慣れてくると、変らない景色、日々の単調な流れ、狭い人間関係に物足りなくなる。
(特にそれが顕著に出るのが日本人)
そうして、私もそうだが

その後降りていった者もいれば、そのまま残って旅を続けた者もいた。
あれから20年。。。私がクルーズ船に再び乗ることはなかった。

毎週日曜の夕方、
うちの前の海の彼方にギリシャ行きクルーズ船が通るのが見える。
おかしなもので、
最後はあんなにウンザリしていた船なのに
今、またこうして目前に見るとムショウに懐かしくなる時がある。
こばとには10年早いと言ったものの、、
そのうちクルーズもわるくないかも。。(もちろん近場、オフシーズン+子供タダで!)
という思惑がふと頭をよぎった。