父が施設に入るときに

2024-07-07 13:00:53 | 介護

7日の毎日新聞 「滝野隆治の掃苔記」欄

母が施設に入るときに

と題して 

ご自身のお母様の施設入所までのご様子を綴られています。

そして、最後に

『親が施設に入るとき、みなさんは何を思いましたか。安心ですか。後悔ですか。

それとも・・・・。体験談を聞きたいです。』と。

 

私の実家の両親は、それぞれ2年間ほど

実家から車で10分の老人保健施設でお世話になり、

最後の看取りまでして頂きました。

 

父は85歳頃までは一人で

近所のかかりつけの内科医院にも通院できていました。

ある日

医院からの帰り道で道が解らなくなった

と、道ばたで座り込んでいたのを

孫が見つけて連れて帰ってきました。

主治医のすすめで

認知症の詳しい検査を受け、

アルツハイマー型認知症が判明しました。

 

母と二人で小さな店を営んでいましたが、

ほとんど母が切り盛りしていましたので、

私達姉妹も父の認知症がそれほどに進んでいるとは

実感していませんでした。

 

少し徘徊の症状が出てきはじめた頃、

母が骨折して救急車で緊急入院。

私達姉妹は

父の症状に直面することになりました。

 

90年近くも暮らした家の中を見回して、

「ここは どこや?」

姉と顔を見合わせて呆然としました。

「ちょっとここで待っててね。」

と言っても、5分が待てずに外へ出ていこうとする。

(母が居ないことが不安だったのかもしれません。)

実家は 30秒で堤防まで行けるような港のすぐそば。

ふらふら歩けば 簡単に海に転落です。

 

ラッキーだったのは

丁度その1ヶ月前に介護の手続きを始めていて、

ケアマネージャーさんと知り合いになっていたので、

すぐ連絡を取りました。

2日後には

空いている施設に一時入所でき、

1ヶ月後にはその後お世話になった老健施設に転所しました。

入所後は穏やかに暮らし、

面会の度に

職員さんを信頼しているのもわかったので、

安心感は大きかった。

 

私達は三人姉妹で、

姉と私は長男へ嫁ぎ、

義両親と同居生活中でした。

妹が実家で同じ敷地内に住んでくれていましたが、

妹夫婦は共稼ぎで、昼間は留守。

父の施設入所は、

私達にとって

他の選択はありませんでした。

『女の子が3人も居て、

誰にも介護してもらえないのか?』

心の中で

『ごめんね』

『冷たい娘やね。』

正直

父が亡くなるまで

私の中では、

大切に育ててもらったのに、

看てあげられなくて ごめん・・、

心が重くてたまらない日もありました。

 

でも

あれから父を見送り

母を見送る過程で、

私達姉妹は介護で揉めたり

喧嘩をしたり関係が悪くなるということなく

今日まで来れています。

姉妹仲良くは両親が一番望むことだと

思うので、

施設で二人とも

お世話になったことを

後悔することはありません。

両親に

穏やかな日々を送らせてくれた施設の方々、

そして

穏やかに過ごしてくれた両親に

ただ 感謝あるのみです。

 

その家その家で、

みんな違う事情があるでしょう。

親の介護が原因で兄弟姉妹の仲が悪くなった

ということはよく耳にします。

そうなるのは親も望みはしないと思うのですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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