たった一つを拾い上げる確率

2024-07-03 12:16:40 | 日記

図書館をさまよっていたときに

出会って

何遍も何遍も

読んでいた

今ではすっかり

表紙は

茶色に変色している

詩集『ここにいないあなたへ』

( 辻仁成=文 安珠=写真 )から

 

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『石』

 

ここにいないあなたへ

波の音を聞きながら、

何十キロもある浜辺を歩いたよ。

ふと足元を見ると、

数えきれないほどの石が落ちていた。

数えきれない石。

不思議なのはあんなに石があるのにさ、

ぼくのことを呼ぶ石があるってこと。

「拾ってよ、拾ってよ」って声がするんだ。

見ると、綺麗な石が落ちている。

すっと手を伸ばして拾い上げたんだけど、

その確率ってどれくらいだと思う?

これだけの石の中から、

ぼくがたった一つのその石を拾い上げる確率のことだよ。

何億、或いは何兆もある石の中から

たった一つを拾い上げる確率。

その石はぼくに拾われたことによって、

飛行機に乗って、

都会に出ていくことになるかもしれないんだからね。

そんな石がいったいどれほどあるだろう。

偶然にしては凄すぎる。

まるでぼくとあなたが

この宇宙で出会った確率のようだ。

だからぼくはこの石があなただと思っているよ。

掌(て)の中に包んで大切にしている。

通じるかな。あなたの許へ。

 

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人との出会い

そこに生まれてきたこと。

学校、先生、友達、

恋愛、仕事、趣味、

結婚、子ども、 

自然、動物、 植物、

あらゆるものとの出会いの不思議。

そして「自分」が

「拾い上げて選択した!」ということ。

 

この詩集との出会いで、

 

うつうつ してる自分が

なんかアホらしくなったんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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