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ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

Izumi スタジオ、ダラブッカ&ダフ・クラスの発表会後記

2011-07-17 11:29:18 | 音楽
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サムズの次の日は、Izumi さんのスタジオのダラブッカ&ダフ・クラスの発表会演奏がありました。

ダラブッカは、何度も書いている通り、構造は単純なのに、非常に難しい楽器です。

最近は、ダラブッカ奏者も増えているとはいえ、私が習得してきた、エジプトの左手のダブル・ストロークをマスターして使える人は、本当に極僅かです。

更に、右手の手順が右左右左と言うような単純な手順ではないので、最初の内は、リズムを覚えるのに頭がパニックを起こすという、意外と面倒なパーカッションでもあります。

何故、リズムの要である右手のパターンが少し奇妙なのかと言うと、この答えは至極明快で、ダフと言う、リズムと音楽の一番根っこに当たるパーカッションのリズム・パターンが、そのままダラブッカの右手に来ているからです。

こうやって書くと、既にさまざまなアラブのリズムを、ダラブッカで叩ける人にとっては不思議ではないでしょうが、初めての人にとっては、なるほど!と思うことなのです。

オリエンタル音楽は、専門的に言うと単旋律(モノフォニック)音楽で、イーカーと総称されるリズム・パターンと、マカームと総称される旋律群で構成されている音楽で、

基本的には、いわゆる西洋音楽的な機能的な和声が付く多声音楽(ポリフォニック)ではありません。

単純な説明で片付けると、ダフの右手、ダラブッカの右手、レクの右手の打ち方は、基本的には一緒。

ただ、ダフ以外の楽器は、左手が自由に使えるので、そこから間の音を埋めるデコレーションが発達し複雑になるわけです。

更に、リズムのパターンとメロディ・ラインのリズム・パターンは非常に密接な関係にあるので、

つまり、リズムのパターンを学ぶ事は、音楽を学ぶ上でも、ダンスの振り付けを学ぶ上でも非常に役に立つわけです。

ともあれ、ダラブッカは、音が綺麗に出るまで、非常に時間が掛かります。特に左手のフォームが安定するのに、相当な反復練習を要する訳で、

この段階で、大体半分以上の人が諦めて止めていく訳ですが、

それはそれで、本当に仕様が無い事です。

こういった、本当に厳しい条件にも拘らず、根気強く学んで来た生徒さんの発表会演奏は中々安定した演奏でした。

特に、マクスーム。オリエンタルの音楽でよく使うにも関わらず、ちゃんと演奏できるようになるまで、かなりの技術が必要なのですが、

マクスームらしく叩けていました。

やっと本格的な打楽器楽団としてのスタート地点に立った訳で、ここから皆さんに頑張ってもらって、更に色んな曲が叩ける様に成ってもらいたいと思います。

皆さん、お疲れ様&これからも頑張りましょう!

写真:終わった後の記念写真(笑)あっという間でした!