又七の不定記

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ディディーモ問題を斬る

2006-03-03 07:03:49 | ディディーモ
 知人からニュージーランド南島におけるディディーモなる藻類の異常繁殖についての情報を入手したのが2月21日。その時,ネットで検索しても日本のサイトでは3件しかヒットしなかったのが今では千件近くヒットするようになりました。
 これらの殆どのサイトはリンクやトラックバックで繋がっているようですが,それぞれのサイトの内容をよく観ると内容は殆ど一緒で「ディディーモが日本に入ってきたら大変だ」程度のことしか書かれていません。結局は基ブログと同じことを書いているだけで,自分のサイトへ人を呼び込むためのトラックバックにしかなっておらず,この問題をどう考え,自分たちの行動にどう活かすべきかについて書かれた記事のトラックバックはなかなかみあたりません。
 まあ,すべきことは使用した道具類の確実な消毒につきるので,「ディディーモから河川を保護する為の厳守事項の看板」の写真が観れさえすればそれでも良いのかなと言う気もしないでもないですね。
 こういった問題はより多くの方が問題意識を共有すると言うことが大切なのでしょう。
 短時間に多くの方々へ情報が渡ったというのはインターネットの力であり怖いところでもあります。

 それはそうと,今回はちょっと違う見方からディディーモ問題を考えてみましょう。

 いろいろと調べてみると,デディーモは日本でも化石で見つかっているようです。
 ひょっとすると太古の昔,地球上に広くこの珪藻が繁殖していたのかもしれません。
 しかし現在では日本にはディディーモは繁殖していません。人間がいなかった時代,もしくは自然に対して謙虚であった時代に生息していた藻類が現在は繁殖できなくなって日本から絶滅したということです。

 これは何を意味するのでしょうか?。日照,水温,水質といった気候の変化?他の藻類との競合に負けた?他の生物に食べ尽くされた?度重なる洪水で全て流された?たぶん人それぞれいろいろな仮説が生まれることでしょう。

 人間が荷担した生態系には当然隙間があり,その隙間に侵入した生物が大繁殖するという事例はたくさんあります。そもそもニュージーランドの河川生態系は人間が過度に荷担して作りあげられた虚偽の生態系であり,ニュージーランドのディディーモ問題もその隙間に発生した類なのかもしれません。
 ディディーモに味方して意見すれば,ニュージーランドには綺麗な水でしか生存できないDidymosphenia geminataが繁殖できる良好な水質が現在も保たれていると考えることもできます。しかもディディーモを食べる生物がいない,又は極端に減少しているのでしょう。藻類を食べる生物の代表は甲殻類と水生昆虫です。どちらもマス類の大好物ですね。

 ディディーモディーモっと呪文のように唱えて怖がるのではなく,この問題が何によってもたらされたかを真剣に考え,同じ要因で他にどんな問題が発生する可能性があるのかも予想し,そうならないように自分でできることをするだけでよいのではないでしょうか?

 問題の一例を挙げときます。
 現在,日本の内水面漁場では漁業権免許を維持するために増殖行為として種苗放流が行われています。もし放流された種苗が病気に罹っていたらどうなるでしょうか?そして病原体に汚染された川で釣りをして他の川へハシゴするとどうなるでしょう?

 ディディーモ問題はそれ自体を取り上げるのではなく,人の欲求に起因して既に国内に広まってしまったいろいろな問題を反省し,あわせて今後起こるかもしれない問題を防止するにはどう行動すればよいのかを考えるきっかけとなって欲しい物です。
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