又七の不定記

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和竿の火入れ

2009-12-12 16:55:10 | 丸竹竿

 竹竿を作っていて避けて通れないのが火入れ作業だ。

 竹が柔らかくなるのがだいたい70℃。竹の繊維の強度が最も高くなるのは130℃で熱処理した時で、130℃を超えると逆に強度が落ちてしまうらしい。
 つまり、竿作りにおいて、火入れや曲げ直しは70℃~130℃で行えばよく、それ以上温度を上げるのは竿を脆くしてしまう可能性があるということだ。
 しかし火入れの最中の竹の温度など測れるはずがない。
 だから火入れ中の竹の温度の目安にするために竹に蝋を塗ってその状態でだいたいの温度を察するわけだ。

 これまで、スキーに使った残りの半端なワックスを竹に塗って温度の目安としていたのだが、このたび木蝋なるものを使ってみた。
 思っていたよりもかなり柔らかい。SWIXのCH11よりも柔らかい感じだ。当然融点もスキー用のワックスに比べるとかなり低く50℃台で溶ける。

 柔らかいので竿に塗るのに非常に都合がいい。これまで繊維強化のために融点の高いCH6を使い、曲りをとる作業で少し融点の低いCH8を使っていたのだが、これらの炭化水素系ワックスは純度が高いためかかなり堅く、スキーの滑走面のようなフラットなところへ塗るにはまだしも竹のような丸いものに塗るにはかなりこつがいる。塗ってる最中にもぽろぽろと崩れてしまうのだが、木蝋は粘りがあって竿に塗った蝋が落ちてこないのがいい。
 ただ、先にも書いたように融点が50℃台なので、木蝋が溶けた後もう少し加熱する必要があり、その目安がまだよくわからない。

 あるサイトに、西洋ろうそく(パラフィン)よりも和蝋(=木蝋)の方が引火点が高いため、竿を矯めるには和蝋の方が適しているとの記載があった。しかし調べてみると木蝋の主成分パルミチン酸の沸点もパラフィンの沸点も共に300℃を超えている。同じようなものだ。
 つまり、どちらを使うにせよ沸騰するまで待っていては加熱のしすぎなわけだ。やはり70℃~130℃前後で何らかの変化の現れるものを時と場合によって使い分けた方が良さそうだ。

 とりあえず繊維強化のための火入れにはCH6、普段のメンテナンスには木蝋、CH8を季節によって使い分けるというという感じかな?
 なんでCH8かというと、これの半端が一番たくさんあるから。。。爆!

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