又七の不定記

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ
フライフィッシングとクロスカントリースキーと蘭の栽培の好きな又七の不定記

カエルパターン

2023-07-11 20:23:54 | 釣り

 スズキのルアー釣りにおいて、季節ごとに変化するスズキの食性に合わせてルアーを選択し、それが当たったときの喜びはフライフィッシングにおけるマッチザハッチの釣りに通じるものがある。

 とはいえ代表的なベイトはボラ(ハク、イナッコ)、稚アユ、カタクチイワシ、サヨリ、コノシロ、落ちアユで概ねカバーできるのと、おおむねサイズと潜行レンジが合っていればカラーはあまり関係ないので、そんなに悩むような場面は少ない。
 それでもたまに通常は予想もしない生き物がベイトになっていて苦労することがある。

 その代表がカエルだ。

 沿岸部とは言え雨水排水のための側溝が道路に沿って張り巡らされており、そこにカエルが棲み着いていることがある。
 沿岸の埋立地にどうやってカエルがやって来たのか不思議だが、洪水で上流から流されれてきて上陸して繁殖したのだろう。

 側溝には集水桝が設けられており、常に水が溜まっていることがある。
 このような集水桝があればカエルは産卵することかでき、そこにはイモリのような天敵がいないのでカエルは大繁殖できる。
 側溝際には雑草もたくさん生えており、餌となるバッタやコオロギもたくさん生息している。カクベンケイのような陸生のカニやフナムシも餌にしているかもしれない。

 この側溝が排水機場へ行かずに護岸から海に直接落ちていることがあり、降水量によっては周辺に降った雨が側溝に集まり鉄砲水のように一気に海に流れ出す。そして運の悪いカエルが流れに飲み込まれて海げ放り出されるのだ。
 海へ流れ出たカエルは岸へ戻ろうとして水面をスイースイーと泳ぐわけだが、これを待っていましたとばかりにスズキが捕食し始める。

 これは釣りをしている最中に強烈な夕立に襲われ、その時に偶然見かけたことなのだが、初めて見た時には何を食べているのかよくわからなかった。
 辛抱強く観察しているとそれがカエルだと分かった。

 そして落ち込みの泡だった水面に小型のトップウォータープラグを投げ込んで、まるで渓流の落ち込みの白い泡の際でカディスをフラッタリングするようにちょんちょんとアクションさせるだけで、ガボっとスズキがルアーに襲い掛かってきた。

 そんなシチュエーションが今年、実に十数年ぶりにあった。

 実際にはもっと高頻度でこういったことが起こっているのだろうが、釣り人側の行動がこれに合わないことがほとんどなのだろう。

 この釣りはどんな側溝落ち込みでも期待できるかというとそういうわけではなく、カエルが棲んでいる側溝の排水口を探さないといけない。
 また雨が降りさえすればいつでもこれが期待できるかというとそういうわけでもなく、それなりに強い雨でなければカエルは流れてこない。

 カエルが棲んでいる側溝は初夏の夜にカエルの大合唱が聞こえてくるのですぐに見つけることができる。そしてその側溝がどこで海に出ているかも側溝沿いに歩いてゆけばどこで待てばいいかがわかるだろう。
 問題は雨の量だ。
 私の経験から概ね10分雨量で10mm超えの雨であればスズキが排水周りに集まるようだ。

 っで、10分で10mmの雨がどんな雨かというと、かなり強烈な豪雨である。
 10分で降りやめばいいが1時間降り続けば1時間雨量で50mmを超え、土砂災害が発生してもおかしくないレベルの降り方なので、雨が降っている最中にカエルパターンを狙って釣りに出かけようという気にはまずならないだろう。釣りの最中にこんな雨が降り始めたら、普通の釣り人はまずは撤収する。それゆえにこのカエルパターンを知っている釣り人は極わずかだ。

 このカエルパターンを狙うには、雨雲の動きを予測して強い雨の降り始めの数十分限定で狙い、一尾釣れたらすぐに帰る(カエルだけに・・笑)のが一番だ。降り終わりを狙う手もあるのだが、強い雨が長く降り続いた後はすでにカエルがひととおり流れ出て打ち止めになっていることもあり、降り終わりを狙うのは短時間の通り雨限定だろう。
 そして、この釣りはあくまでも河川の増水の影響を受け難い海限定の話として受け止めてほしい。
 河川でこれを狙おうとすると思わぬ増水で帰らぬ人となるリスクもある。

 家に帰る(カエルだけに・・・笑)までが釣りですよん。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« グーグル先生お願いしますっ-... | トップ | リテラシーとテクニカルスキル »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

釣り」カテゴリの最新記事