又四郎夢日記

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ファンタジーっぽい実話8~大剣の使い方~

2013-12-24 17:15:36 | ファンタジーっぽい実話
今回は西洋の大剣についてお話します。
騎士の戦いは騎兵突撃が花形ではありますが、馬から降りて徒歩で戦う場合もありました。このような徒歩の戦い方も時代によって変化しています。鎧の隙間が大きく、動きやすい代わりに防御が弱かった時代は、右手に剣、左手に盾を持って戦うのが普通だったようです。鎧が最終形態となり、防御が高い代わりに動きが悪くなった時代には、盾が消えています。鎧の防御力が高いので、盾の機能が鎧に吸収されたわけですね。盾がなくなると両手で武器を使えるので、両手持ちの大剣が使用される事が多くなったようです。

大剣の使い方についてですが、大きく分けて次の三つがあったようです。

1.通常技法
2.転倒技法
3.ハンマー技法

1.通常技法ですが、これは現代人が想像する通りの使い方です。両手で剣の柄を持って振り回します。

2.転倒技法は、片手で柄、もう片方の手で刃物部分を持ちます。手が切れないのか?と思うかもしれませんが、転倒技法に使う剣は、あまり鋭い刃を付けていなかったようです。それに加えて最終形態の西洋甲冑は、籠手(こて)の部分が手袋のミトンのようになっているので、手が切れにくかったようです。この持ち方で、剣を相手の鎧や脚に引っ掛けて相手を転ばせます。転んだら鎧の隙間からとどめを刺すという戦い方です。

3.ハンマー技法とは、両手で剣を逆さまに持ちます。この持ち方で、ハンマーを使うように剣の鍔(つば)を相手に叩きつけるという使い方をします。

ハンマー技法を知るまでは、異常に鍔が大きい大剣は観賞用、儀式用であって実用品ではないと思っていました。しかしハンマー技法を知ることで、鍔が大きすぎる大剣も実用品である事が分かりました。

ファンタジー世界に出てくる大剣は、通常技法しか観られません。その理由は、製作者が他の技法を知らない事に加えて、他の技法はカッコ悪いからでしょうね。シリアスなシーンで剣を逆さまに持って殴り合いをしたら、現代人の感覚ではギャグにしかなりませんから。