男と女

男女間のすれ違い、違い、特徴についての科学的考察

男女の差(声の違い、言葉づかい)

2022-08-14 21:08:27 | 男と女

(男と女)

[男女の差]

〇[男女の声の違い]

男性の声は低く、女性の声は高い。分かり切ったことだが、この違いはどうして起こるのか。

思春期になると「声変わり」が起きる。
この声変わりに大きく関係しているのが男性ホルモンで、12歳~15歳頃に分泌が増え、成長とともに声変わりが起こる。
男性は今までよりも声が約1オクターブ低くなり、それまでの子供っぽい高い声から、低く太い大人の声へと変化していく。
女性も体の成長とともに声帯が長くなるので、男性と同様に声変わりが起こり少し声が低くなるが、男性に比べて程度が軽いので気が付かれないことが多い。

では、何が変化するのか。(以下、ウェブサイト「いきいき健康相談」より)

声は、喉にある声帯(膜)が息(空気)により振動することにより出る。
声帯は、甲状軟骨(のどの前の方にある、所謂「喉仏」)と披裂軟骨(後ろの方にある)との枠に張られている。
体の成長とともに、特に思春期にこれらの軟骨も大きくなり、それにともない声帯も長く、厚くなりる。
声の高さは声帯の振動数で決まるが、声帯が長く、厚くなると振動数が下がり、そのため声が低くなる。
声帯の長さは子供が0.9cm、成人男性で2cm、成人女性で1.5cm位。

周波数で言うと、成人の基本周波数は平均125Hz、女性は男性の約2倍程度。

(以下、ウェブサイト「ママとおべんきょう」より、筆者(34歳・女・合唱はメゾソプラノ))
(注)数字はこの筆者が記載したものよりここでは若干丸めて記載した。

◆話す時の声域
成人男性 120~200Hz 成人女性 200~300Hz

◆歌う時の声域
【男声】
バス 90~290Hz バリトン 100~390Hz テノール 130~440Hz

【女声】
アルト 180~780Hz メゾ・ソプラノ 220~880Hz ソプラノ 260~1000Hz

◆「キャー!」という悲鳴 (筆者の場合) 1800Hz
◆赤ちゃんの泣き声 2000Hz以上

(注)
声帯とは別にもう一つ男女の声質変化の要素として体格がある。
男性の方が首が太く体が大きいので、体の響きが大きくなり音は太くなる。

 

〇男女の声域の違い以外に、同じ男性同士、女性同士でも声が違うのはなぜか。

声帯が声を出す器官であることは間違いないが、この声帯の振動による音(原音)はまだ声ではなくブーという小さい音なので、それが声になるためには声道をはじめ体のすべての共鳴が必要となる。
人によって声質が異なるのは、声帯の個人差もあるが、口腔や鼻腔、そして共鳴器となる体全体の大きさや形が人によって異なることによる。
一方、兄弟、姉妹などの声が似ているのは、遺伝子によりこれらが似通った形になるため。

(男女の話に戻ると、男声は男性の体、女声は女性の体を共鳴器としているので、男女それぞれ違った声質になる。)

 

〇録音した声はなぜ違って聞こえるのか。

録音した自分の声が 普段自分が発している声と違って聞こえるのは、音の伝わり方の違いにある。
周囲の人が聞いている自分(私)の声は、声帯の振動により口から出した声を、相手が耳でキャッチして自分(私)の声を認識している。
一方、自分自身が普段から聞いている自分の声というのは、口から発した声を自身が鼓膜でキャッチした音だけでなく、骨から伝わった音が脳内に響いている音だから。 この骨から伝わった音というのは専門用語で 『骨伝導』と言う。

 

〇女性にも喉仏はある (女性には喉仏はないというのは間違い)

喉仏は喉頭を覆う軟骨の一部で、喉頭やその中にある器官を守ったり、声を出すためにも必要で、人間なら誰もに備わっている。
喉仏は喉の突出部を形成しており、他の9種の軟骨と比べ最も大きく甲状軟骨と呼ばれている。
軟骨は、個体でありながら柔らかく結合性のある組織で、神経やは血管は通っていない。
2つの軟骨プレートが結合している部分が突出し、喉仏を形成している。

子どもの喉仏はみんな同じサイズだが、思春期を迎えると喉頭付近の軟骨が急成長し、声変りが起こる。
しかし、軟骨の成長の仕方は性別によって異なり、女性の場合、軟骨プレートが交わる角度は120度で鈍角なため、突出のない平らな喉になる。一方男性の場合は、この角度が90度で喉に突出部ができる。
更に、男性ホルモンであるテストステロンが軟骨の発達を促進するため、男性の軟骨や喉頭は女性に比べて大きくなる。
これにより声が低くなるだけでなく、喉仏も立派な大きさになる。

つまり、喉仏は男性の特徴だと思われがちだが、女性の場合は目立たないだけで実はちゃんと備わっている。

 

〇食物が気管に入らないのはなぜか。(声の考察とは異なるが喉頭関連で記述しておいた)

喉は食事の際には食べ物の通り道となり、呼吸の際には空気の通り道となる。この仕分けをしているのは喉頭で、喉頭は気管の入り口にあり、喉頭蓋や声帯をもっている。
喉頭蓋や声帯は呼吸をしているときには開いていて、物をのみこむときにはかたく閉じて食物が喉頭や気管へ入いらないように防いでいる。一方食道は普段は閉じているため、食道に空気が入ることはなく、物をのみこむ時には声帯は閉じて、その上から喉頭蓋が蓋をする。そして食道入り口が開くため、食物は喉頭・気管に入ることなく食道へ入っていくことができる。
つまり喉頭は、呼吸、嚥下(物を飲み込む)、発声という3つの重要な働きをしていることになる。

*飲食時の舌の役割

食べ物や飲み物を飲み込もうとすると、自然に舌の先端が口蓋(上顎)に押しつけられるようになり、軟口蓋が咽頭の後壁にぴったりと接触する。この運動により飲食物が鼻腔へ流れ込むことが防止される。 
次に、舌全体を軟口蓋につけて飲食物を咽頭蓋へ送り込む。この時、喉頭蓋が降下して気管との交通が遮断される。それまでは気管と食道に向けて2つの口が開いていたが、食道への道だけが開いた状態になる。この運動により飲食物が気管に入ることが防止される。 
その後、さらに舌根部を咽頭の後壁に押しつけ、飲食物を咽頭に送り込む。甲状軟骨(喉仏)と輪状軟骨が前上方に動き、輪状咽頭筋が弛緩して食道入り口部が大きく開くと、飲食物が食道に送り込まれる。
そして、飲食物が食道の入り口にさしかかると、食道の内側にある輪状筋が蠕動運動を始める。蠕動運動によって飲食物は徐々に胃のほうへ送られていく。この一連の運動を嚥下(えんげ)運動という。

(参考)
以上について参考となる画像をネットから上から選んで別途まとめておいた。

声帯の構造と仕組み」(画像)
(「声帯」「声帯のメカニズム」「男女の声帯の違い」「喉頭蓋1」「喉頭蓋2」「喉頭蓋3」「喉仏1」「喉仏2」)

 

〇[言葉づかい]

日本語では「男性言葉」「女性言葉」がはっきりしている。
外国語では多少の使い分けのある言語はあるものの、日本語ほどではない。
では日本語では、何時から、何故このような言葉の男女差が生まれたのだろうか。
ここでは特に「女性言葉」に焦点を当てて考察してみる。

文献によると、女性言葉は奈良時代からあったといわれているが、室町時代あたりから宮中の女房が使う御所言葉というかたちではっきりと現れ、江戸時代には御所言葉を使う階層および語彙の範囲も広がり、明治時代以降、女性語はさらに一般化されたとある。

女性語が一般化する下地となったのは、江戸末期の遊郭の女性が用いる遊里語で、それが発達し明治の「婦人語」の母体が作られた。
*遊里語=「ありんす」「ざんす(ざます)」などで「ざあます言葉」と言われている。
(ちなみに、この花魁言葉は、廓詞(くるわことば)・里詞(さとことば)・ありんす詞(ありんすことば)とも呼ばれており、田舎から売られてきた少女の方言や訛りを隠すために使われていた、いわば遊郭独自の隠語。)

現代の日本で一般的に女性語として認識されている言葉の起源は、明治時代に有産階級の女学生の間で発生した「てよだわ言葉」である。
「よくってよ」「いやだわ」「そうかしら」などの言葉の流行は、尾崎紅葉によれば「旧幕の頃青山に住める御家人の(身分のいやしき)娘がつかひたる」とある通り、もとは山の手の下層階級の女性が使っていた言葉が女学生の間に伝播したもので、当時は「異様なる言葉づかひ」などと文化人の非難の的になったが、結果的には中流以上の女性層で定着し、規範的な女性語として扱われるようになった。
*「てよだわ言葉」というのは、現代における女性語の代表格で語尾に「てよ」や「だわ」などを用いる言葉の総称で、女性の言葉遣いを特徴づける文末詞を指す表現として、国語学者の中村桃子女史が造語した言葉。

他に男女の違いが分かる特徴的な終助詞としては次のようなものがある。
男性…「だ」「だな」「だぜ」「ぞ」「さ」
女性…「わ」「わよ」「わね」「の」「のよ」「ことよ」

このように、日本語での男女の言葉遣いの差といえば、終助詞の違いが際立っているが、接頭語や単語などでもいくつかの差は見られる。
接頭語:女性は名詞に「お」をつける。(「お花」「お野菜」「お友達」など)
感嘆詞:男性…「ほう」「へー」  女性…「あら」「まあ」
単語:男性…「俺」「お前」「おやじ」  女性…「私」「あなた」「おとうさん」


〇[外国語における男性言葉と女性言葉]

外国語は日本語ほど顕著な差はないが、一部次のような区別がある。

*「男性名詞と女性名詞の文法性のある言語」

(それぞれ名詞や形容詞、動詞が男女で違う形をとることが多いので、男女で述語の形などがはっきり異なる)
(ラテン語を起源とする欧州語に多く、具体的には、スペイン語、フランス語、イタリア語など)

*「語尾の一部が変化するもの」

韓国語:(例) 男性「~ニダ」 女性「~ヨ」 (~です)
男性「アルゲッスムニダ」 女性「アルゲッソヨ」 (分かりました)
男性「エップンニダ」  女性「エッポヨ」 (きれいです)
*ただし、日本語ほど明確な使い分けはないとの意見もある。
つまりニュアンス的に「~ニダ」の方がかしこまっていて、フォーマルな印象、「~ヨ」の方が丁寧語だけど柔らかい印象という意見が多い。

タイ語:(例) 男性「~カップ」 女性「~カー」 (語尾につけることで丁寧語になる、~です、~ます)
男性「サワディ カップ」 女性「サワディ カー」 (こんにちは)
男性「コップン カップ」 女性「コップン カー」 (有難うございます)
(これはタイ人が話すと、スプードが早いためこのように聞こえるということで、正式な発音は下記)
男性「コープ クン クラップ」 女性「コープ クン カー」
*コープ→ (感謝に関する語)、クン→ あなた、クラップ/カー→(丁寧語になる)

*「言い回し、抑揚で区別されるもの」
(英語や中国語は文法的に明確な区別はなく、一部使用する単語や言い回しで差が生まれる。)

英語:(女性が好んで使う言葉、表現)
(1) "I thihk"→"I feel" ("I feel it's good.") 
(2) "I like"→"I love" ("I'd love to play tennis.") 
(3) "very"→"so" ("Thank you so much.")
(4) "wonderful"→"fabulous" ("I had a fabulous time.")
(5) 付加疑問文 ("You love me, don't you?")

(参考)
女性ことばについてのその後の考察

(「話の種」)「女性ことばについて」

 

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男女平等・女性差別とは?

2022-07-29 15:53:29 | 男と女

(男と女)

[男女平等・女性差別とは?]

[男女平等・女性差別について]

かつて森会長の「女性は話が長い」という発言が波紋を呼んだが、一般的に女性は話好きで長話も多いということはよく言われていることであり、何故ここまで叩かれるのかと疑問に思ったことがある。
しかし、改めて森会長の発言の全文を読んでみると「女性は競争意識が強い」とか「場をわきまえる必要がある」などと結構余計な発言もしており、これでは非難されるのも仕方がないと思った。
ただこの時「女性は話が長い」という所だけを切り取って「女性蔑視」とか「女性差別」だと反発していた人も数多くいたように思う。(注)

ちなみにその後の世論調査の結果は次の通り。(この調査の出所は記録しておらず不明)

 女性蔑視と思うか  はい75% いいえ25%
 全文を読んでいるか はい40% いいえ60%

これによって分かるのは、全文を読まずして「女性蔑視」という人が多くいたということ。
(全文を読んだらもっと増えたかもしれないが。また、当時のマスコミも切り取り報道や否定的論評が多く、大勢に従えといった風潮があったことは否めない。)

かつて、アッシー、メッシーという言葉が流行ったことがあったが、この時女性が「男性蔑視」だと非難されただろうか、そもそも「男性蔑視」などという言葉自体これまで一度も聞いたことがない。

一般的に女性は「男との差」や「役割の違い」に敏感に反応し、また被害者意識も強いというが、確かに歴史的にそれは仕方がないとしても、単に一面あるいは表面的な面だけをとらえて杓子定規にすぐに「女性差別」とか「女性蔑視」だと言うのはどうかと思う。

(注)この話をしたとき友人が面白いことを言っていた。

・森さんたちは女の恐ろしさを知らない。
・場面、立場をわきまえて話さないといけない。
・女性だけを取り上げて話してはダメ。(必ず両方のことを言わないとダメ)
・女性が優遇されていることは多々あるが、女は自分達に都合の悪いことは言わない。


米国では"Political Correctness"あるいは"Politically Correct"ということがよく言われており、これは直訳すると「政治的正しさ」あるいは「政治的に正しい」ということになるが、これだと意味がよく分からない。「政治的妥当性」「政治的公正さ」と訳すべきだろう。
これは具体的には、特定の民族や人種、宗教、性別、職業、年齢などに対して差別的な言動を避けることということになる。

しかし、この趣旨は良いとしても、「行き過ぎた平等」「行き過ぎた配慮」「行き過ぎた批判」は時として社会に息苦しさをもたらし、表現を制限するという指摘もある。

例えば、次のような問題が指摘されている。(PC=Political Correctness)
「不適切」というクレームを恐れて、テレビ番組や企業の広告が萎縮している。
「PCに抵触するのでは?」と、社会全般にわたって窮屈に感じている人も少なくない。
「PC」を拡大解釈すると、何気なく知らずに発言してしまった言葉も、差別的だと見なされてしまう。(森さん?)

つまり、何事も行き過ぎると様々な問題、軋轢を生むことになり、これらは現に世界中で問題視されるようになってきている。


「男女平等」ということについても、その意味を取り違えて偏った考え方をする人たちが少なからずいるように思える。

男女には明らかに性差があり(これについては異論を唱える人も多くいるが)、男女平等というのは一律に何もかも男女同じにするということではないはず。

これについて、ビーズ夫妻は著書「話を聞かない男、地図が読めない女」で次のように述べている。

*「今の世の中(人種や性別、年齢などで人間を差別しない、Politically Correctを目指す社会)では、技能、適正、能力において、男女差はないことになっている。だが、その前提が完全な誤りであることは、科学の世界では以前から知られていた。」

*「男と女が異なる進化をしてきたのは、その必要があったからだ。男は狩りをして女は好みや果実を取った。男は守り女は育てた。それを続けた結果、両者の体と脳は全く別物になった。
男女の体は、それぞれの役割に合わせて発達していった。たいていの男は女より背が高く力も強くなった。そして脳の方も役割に応じて進化していった。
こうして何百年もの間に、男と女の脳は違う方向に進化していき、その結果、情報の処理の仕方まで変わってきた。いまや男と女では、考え方はもちろん、理解の仕方、優先順位、行動、信念までことごとく違う。」

「男女間に技能、適正、能力に差はない」という意見だが、これは男女は社会的にも同じ立場でなければならず、例えば職業や作業なども区別してはならないという主張である。
しかし能力についてはともかく、男女は技能面、適正面では明らかに差はあるといえる。
そしてこのような性差があればまた、それぞれの適正に合った役割というのもあるのでは。

例えば、男性の家事・育児だが、環境、役割に適応すべく進化してきた男女の脳の機能、働き方の違い、また母性という観点からも、これらはやはり女性の方がその役割に適しているのではないだろうか。
ただ、現代のように共働きが一般的になってくるとそうも言っておられず、このような役割分担も難しくなってきていることは否めない。
どこかで折り合いをつける必要があるのは確かだろうが、全て同じように分担しろというのはやはり無理があると思う。
育児というのも、父親は子供に対して厳しく、母親は優しく愛情をもってというのが一番子供の成長にとっては良いと思えるのだが。

ところで先日、世界経済フォーラム版 男女格差指数なるものが発表されたが、これを見ると日本は総合順位で146か国中116位ということで問題視されたが、これは統計方法により単純にこういう結果になったといえる。
この調査は経済・政治・教育・健康の4つの分野での男女格差を指数化したものだが、日本の分野ごとの順位は、教育が1位、健康が63位、経済が121位、政治が139位となっている。
健康の63位にしても1位の指数が0.980であるのに対して日本は0.973でそれほど差があるわけではなく、また調査の内容が「平均寿命の男女比など」となっている。言うまでもなく日本の女性の平均寿命は世界1位であり、単純に平均寿命の男女比などだけでは評価できないものがある(男女比ではそうかも知れないが)。
政治の分野では、「女性議員の比率など」の調査とあるが、日本の場合政治家になりたがる女性が少ないという背景もあるのではないだろうか。
ともかく4分野のうち健康と教育のスコアは各国あまり差がなく、経済と政治のスコアに差があるということが総合スコアの順位に影響しているといえる。


[差別と区別について]

近年の風潮として違和感を感じるのは、「差別をなくす」という名のものに、「区別」もなくしてしまうということ。

米国の履歴書では、記入欄に年齢だけでなく性別もなくしているというが、どのような理由からだろうか。
おそらく「男女間で技能や、適正、能力において差はない」という観点からすれば、このような欄があると女性が差別されて不利になるということだろう。
確かに、女性は出産等で会社を休む場合があるなどの理由で、敬遠するような会社もあるだろうが、全て一律にこのようにするというのは行き過ぎではないだろうか。
職種によっては男女それぞれ向き不向きというものがあるはずで、こうなると採用する方も面食らってしまうのでは。

一方近年、用語についてもいろいろと修正がなされている。

・当初は米国で、未婚女性は"Miss"、既婚女性は"Mrs."と区別するのはおかしいということで、女性は全て"Ms."に統一された。
ところが次は"Mr."もやり玉にあげられ、人については男女、単数複数関係なく全て"They/Them"を使うようになった。

・"Stewardess/Steward"という言葉も廃止され"Cabin Attendant"に統一された。
(尤もStewardess/Stewardという言葉は給仕という意味もあるので、これはある意味蔑視ではないかという背景もあったかもしれないが)

・"Ladies and Gentlemen"は"All Passengers" "All Riders" "Everyone"になった。
(JALでは「Good morning Ladies and Gentlemen」は「Good morning Everyone」とアナウンスしている)

・日本では看護婦という言葉は廃止され看護師と言うようになった。
(看護師については男性も看護業界に携わるようになってきたこともあり、その必要性もあっただろうが)

これらは差別用語だとして次々に修正がなされてきたものだろうが、いささか行き過ぎではないかとの疑念もある。
そのうち"Lady First"とか「主婦」という言葉なども消滅するのだろうか。

(追加)

警察官 policeman → police officer
消防士 fireman → firefighter
郵便配達人 mailman → mail carrier, letter carrier, postal worker
議長 chairman → chairperson
セールスマン salesman → salesperson

(要するに、manとあるものは全て言い換えている。)

(日本の場合、ビジネスマンは女性の場合オフィスレディ、セールスマンはセールスレディと呼ぶようになったが、今後どうするんだろうね。)

・保母は保育士に。
・助産婦は助産師に。
(しかし助産師は女性しかつけない職業なので、果たして変える必要があったのだろうか。)

(ちなみに、警察官は、昔は男性しかつけない官職だったが、戦後女性の警察官も誕生したので婦人警官という呼称が出来、1999年の改正男女雇用機会均等法により、女性の場合は女性警察官と言うようになった。なお、現在の警察官という言葉は男女を特定しない総称となっている。)


(参考)「差別と区別」

差別:偏見や先入観などをもとに、特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること。
また、その扱い。
区別:あるものと他のものとの違いを認めて、それにより両者をはっきり分けること。
(引用元:三省堂 大辞林 第三版)

差別:人やものの取り扱いに「差をつける」こと。 
区別:単に「違いによって分ける」こと。

差別:その違いに合理性のない価値観を持ち込み、一方を不当に扱うこと。
区別:物事の客観的な違いを認識すること。

差別:discriminate(区別する、差別する)
区別:distinguish(物の特色、特性から違いを見分ける)
   discriminate(微妙な違いを見分けたり評価する)
   differenciate(同一種類の物を細かく比較して区別する)
(これを見るとdiscriminateという言葉はどちらにも使われているが)

差別:評価する、高低をつける (high, low)、見下す、段差を付ける。
区別:同一種類、対等な関係。

 

「男女という言葉が入った用語の使い方」(一般的に次のような印象を受ける)

「男らしい」「女らしい」(これらは良い)
「男らしさ」「女らしさ」(これらは良い)
「男らしく」(これは良い)「女らしく」(これはダメ)
「男だろ」(これは良い)「女だろ」(これはダメ)
「女だてらに」(これはダメ)
「女々しい」(これはダメ)
「男勝り」(使い方による)
「女の腐ったヤツ」(これはさすがにダメだろう)

*ダメとなる理由としては、女の方には否定的なニュアンスが入ってしまうからと思われる。
*しかし、これらは全て差別用語、不適切用語との指摘もある。


「ジェンダー(Gender)」

性別のことだが、生物学的な性別(Sex)に対して、社会的な性別を表すために、近年特によく目にするようになった。
(日本語では共に「性別」という言葉で表現されるが)

(定義)

・ジェンダーとは、生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的につくられる性別のことを指す。
世の中の男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のこと。

・ジェンダーとは、男性・女性であることに基づき定められた社会的属性や機会、女性と男性、女児と男児の間における関係性、さらに女性間、男性間における相互関係を意味する。
こういった社会的属性や機会、関係性は社会的に構築され、社会化される過程(socialization process)において学習される。
これらは時代や背景に特有であり、変化しうる。
また、ジェンダーは一定の背景において女性・または男性として期待され、許容され、評価されることを決定する。
「男性らしい(マスキュリン)」や「女性らしい(フェミニン)」はジェンダーのカテゴリー。

(追加)

[男女別でも問題視されていないもの]

・銭湯/トイレ(これは生物学的見地より納得できる)
・スポーツ(これも男女の体力差からみて分からないことはない)
・囲碁/将棋(囲碁界では女性の棋士を「棋士」と呼んでも何ら問題はなく、女流棋士のみが出場できる女流棋戦も存在する。一方将棋界では「棋士」と「女流棋士」は異なる制度であるため、女流棋士のことを「棋士」と言うのは正確ではない。将棋連盟の説明では競技人口が女性の方が圧倒的に少ないため、女性にも活躍の場、機会を与えるために別の制度にしているとのこと。尚女性でも一定の条件のもと棋士になれる制度は存在する。)

男女平等、女性差別反対ということを声高に言うならばこれらも問題視してはと思うが、そのような話は聞かない。

 

ここで思い出したのは友人の言った「女性は自分達に都合の悪いことは言わない(自分たちに都合の良いことは黙っている)ということ。」
例えば、女性専用車両とか女性限定とか、女性が優遇されていることは多々あるのだが。

(これは生物学的に見ても、女性は自己防御本能が強いと言われているので、これはこれでよいと思っているが。)

 

 

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男女の違い(ホルモンの影響)

2022-07-25 16:20:09 | 男と女

(男と女)

[男女の違い(ホルモンの影響)]

ここでは、まずビーズ夫妻の著書「話を聞かない男、地図が読めない女」から引用してみる。

「人体や脳は、全て女が出発点となっている。受精してから6-8週間の胎児は性別がはっきりしておらず、性器は男女どちらにも発達する可能性がある。
その後XY染色体を持つ胎児は、テストステロンをはじめとする男性ホルモンを大量に分泌する。精巣が形成され、男らしい特徴や行動が出るように脳が配線されてゆく。
胎児の染色体がXXの場合、男性ホルモンが分泌されなければ女性性器が発達する。脳も女性ホルモンに応じて形成され、言葉や身振りによるメッセージを理解したり、家を守ろうとする能力を身につける。」

このように、ホルモンは生まれる前から脳をプログラミングしていて、思考や行動を左右している。

[男性ホルモン]

テストステロン(男性ホルモンの一つ)

・ティーンエイジの男の子のテストステロンは女の子より15-20倍多い。
・男の子のホルモン分泌は、身体の必要に応じて脳によってコントロールされている。
・思春期なると、テストステロンが男の子の全身を駆け巡って、急激な成長をもたらす。
・この時期の男の子の身体の構成
 脂肪:15%、 たんぱく質:45%
・男の子の運動能力が高いのは、効率よく酸素を取り込み、赤血球を経由して全身に送り込めるようにホルモンが働いているから。
・男を狩りに向かわせ、獲物を殺させる攻撃的なホルモン。

[女性ホルモン]

・ティーンエイジの女の子は、女性ホルモンが別の作用をする。
・男性ホルモンとは制御の仕組みが違い、女性ホルモンの量は約28日間周期で増減を繰り返す。
・ホルモン量が変化すると感情の起伏が激しくなる。
・女性ホルモンが活発になったときの身体の構成
 脂肪:26%、 たんぱく質:20%
・脂肪が多くなるのは、授乳のエネルギー源を確保し、食料が欠乏したときに備えるため。

エストロゲン(卵胞ホルモン)(女性ホルモンの一つ)

・満足感、幸福感を女性にもたらす。
・記憶を助ける働きがある。
・ブロンドの髪はエストロゲンが豊富だということを意味する。
・月経前症候群は現代女性に特有の悩み。(月経終了後21-28の期間)
 ホルモンが急激に減少してバランスがおかしくなり、気分が沈み、陰鬱になる。
・月経終了から21日間は、エストロゲンの影響で女性は満足感、幸福感が強く、機嫌が良い。

プロゲステロン(黄体ホルモン)

・母性愛や誰かの世話をしたいという感情を起こす。(男はプロゲステロンを持たない)

男は50-60代に入るとテストステロンの分泌量が減少して、性格が穏やかになる。
女は反対に、更年期を過ぎるとエストロゲンが減り、相対的にテストステロンの方が多くなってくる。
だから女性は45-50才ぐらいになると、いきなり自信満々になって、何事にも積極的になる。

テストステロンは空間能力を向上させるが、エストロゲンは逆に空間認知能力を抑制する。


なお参考までに、姫野友美氏は「なぜ女性はおしゃべりか」ということについて、その著書でホルモンの影響をについて次のように述べている。(要約)

「女の脳にとっては、話すこと自体が快感となっている。これにはドーパミンというホルモンが関係している。女はしゃべることによって、このドーパミンを活性化させているのだ。
女はもともとセレトニンの分泌量が男よりも少なく、しかも、その分泌が生理周期の影響を受けるために不安定な状態であることが多い。
しゃべることによってドーパミンが出ると、頭の中に巣くっていたもやもやした気分が発散され、その快感からセレトニンのレベルも上がってくる。つまり、世の女たちは、日ごろのセレトニン不足を補うために、おしゃべりによってドーパミンを出してバランスをとっているわけだ。」

(注)
ドーパミン:快感ホルモンと呼ばれる物質で、爽快感、高揚感、嬉しさ、楽しさに作用する。
セレトニン:精神を安定させたり、心を幸せな気分にしたりする働きがあり、不足するとうつや落ち込みを招いたり、キレやすくなったりすることが知られている。

(注)この説については当方まだ他の文献で確認した訳ではないが、脳の構造・機能の違い、及びホルモンの働きと照らし合わせると納得できるものがある。

 

 

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男女の違い(脳の性差)

2022-07-25 16:18:30 | 男と女

(男と女)

[男女の違い(脳の性差)]

「脳の性差」だが次のような点がよく言われている。

「言語能力」は女性の方が男性より優れている。
「空間認知能力(方向感覚)」は男性の方が女性より優れている。

これらについては次のように分析されている。

「言語能力」については、言葉を理解する際に、男性は左脳のみを使っているのに対し、多くの女性は左右両方の脳を使っているため。
「空間認知能力(方向感覚)」については、女性は目印がある場合空間認識しやすいが、男性は目印がなくとも空間認識が得意という特徴が見られるとし、この男女差の原因は、空間認知に関する右脳の大脳皮質の発達が、胎児期のホルモンの影響によって男児の脳で促進された結果ではないかと考えられている。

このことについて、ビーズ夫妻はその著書「話を聞かない男、地図が読めない女」で次のように述べている。

「左右の脳が担っている働きを簡単に言うと、次のようになる。」

「脳の電気活動を把握する磁気共鳴映像法(MRI)を用いれば、脳のどこでどんな仕事が行われているかは、正確に知ることができる。脳のスキャン画像で明るく光っているところあれば、その場所を使う技能や作業が得意だったり、楽しいということだ。逆にスキャン画像でぼんやりとしか写らないところは、そこに関係する技能は得意でないし、やっても楽しくないということだ。」
「例えば、男の脳をスキャンで見ると、脳の中で方向を感じ取る部分が光って見える。つまり方向をあれこれ探ったり、見当をつける作業が好きと言うことだ。女の方は、発話領域が画像にはっきり表れる。」

「脳の中で特定の働きをする部分を見つけ出す試みは、まず頭をケガした患者のを対象にはじまった。男性が脳の左側に損傷を受けると、発話能力や語彙のほとんどが失われるのに対し、女性は同じ部分を同じくらい損傷しても影響が小さい。つまり女性は話をつかさどる部分がひとつではないということだ。」
「家の設計図も、女の脳が見ると平べったい二次元でしかないが、男は高さまで把握できるので、どんな建物が出来上がるか想像がつく。頭の右側に損傷を受けた男は、空間能力のほとんどを失う。女はそういう空間能力が元々発達していないので、右脳をケガしても余り変わらない。」

「1990年代に入ってから脳のスキャン技術は飛躍的に進歩し、陽電子放射断層撮影法(PET)や、磁気共鳴映像法(MRI)を使えば、生きている脳の様子まで画面で見られることになった。」

「言葉を話すとき、男はもっぱら左脳を、女は左右両方を使っていることが分かった。」
「女の方が脳梁が太く、左右の連絡が1.3倍もよいことを確認した。同じ作業をしている時でも、男と女では使っている脳の部分が異なることも分かっている。」
「さらに、女性ホルモンであるエストロゲンは神経細胞に働きかけ、左右半球の接続をよくすることも明らかになった。」
「女の脳は、同時にいくつもの作業がこなせるように出来ている。だからたがいに関連のない仕事を一度にやれるし、脳はいつも活動していて休むことがない。」
「女は脳の両方をいつも使っているので、右と左がすぐには区別できないことが多い。」

では何故このような違いがあるのだろうか。
それには脳の構造、働き方の違い、そしてホルモンの活動が大きく影響しているようである。

ここではまず「脳の構造面での性差」(右脳と左脳をつなぐ連絡回路の効率の違い)について考えてみる。
(言語能力、空間認知能力、その他の能力、ホルモンについては別途記載する)

「脳梁と前交連」

ここで注目されるのは、右脳と左脳を繋いでいる「脳梁」と「前交連」である。
(どちらも右脳と左脳をつなぐ「通信連絡回路」)
このどちらも「女の脳」の方が「男の脳」よりも大きい(太い)ようである。

人間の脳は「右脳」と「左脳」とに分かれているが、この左右の脳を連結しているのが「交連線維」とよばれるもので、これには「脳梁」と「前交連」「後交連」とがある。

「脳梁」:
・左右の大脳新皮質(知能や言語等の人間らしい機能を司る)を連結する通信回路で2億本以上の神経線維の束であり、交連線維の中では最も大きく、前交連よりも10倍以上大きい。

「前交連」:
・左右の「嗅脳」を繋いでいる。(「脳の辞典」より)
・前交連は左右の大脳新皮質を連結しているだけでなく、左右の古い脳(本能や喜怒哀楽の情動を司る領域)をも連結している。(ネット(投稿者OperatorT氏)の解説より)

この大きさ(太さ)の違いについて姫野友美氏は著書で次のように述べている。

「脳梁」(脳梁は左右の脳をつなぐ連絡橋)
女脳は男脳よりもこの脳梁の膨大部が太く(男は管状、女は球状)、左右の脳の連絡が良い。このため、言語情報をはじめとした様々な情報をより多く流せるようになっている。

「前交連」(前交連は視床下部の上方に位置し、左右の脳を繋ぐ連絡回路)
女脳は男脳よりもこの通路が太く、多くの情動情報を流すことができる。
言わば、感情の連絡通路と言うことができ、主に「好き・嫌い、快・不快、怒り・恐怖」などの感情部分を情報として交換している。

(注)
前交連という聞きなれない言葉が出てきたので、辞典で調べてみたところ「左右の「嗅脳」を繋いでいる」としか記載が無く、嗅いは情動と関係ないのではと他を調べてみたら、「左右の古い脳(本能や喜怒哀楽の情動を司る領域)をも連結している」とあったので納得した。この脳梁・前交連については幾つかのサイトをチェックしたので、その内容を下記に記しておく。

 

[脳梁・前交連](ネットより)

・「女性は、男性にくらべて、右脳と左脳を連結する脳梁や前交連と呼ばれる部分が大きく、そのことが、物事を細かく見る傾向があること、感情がこまやかだが、感情的になりやすいことなどに関係しているのではないかと考えられています。
さらに、男性にくらべて左脳が発達していて、言語能力にすぐれているなどともいわれますが、これらのことは、まだはっきりと解明されていません。」(ネット「ウィメンズメディカ」より)

・「前交連は、耳の後ろの脳の両側の下部にある2つの側頭葉を接続します。 側頭葉は聴覚と言語に関係しています。
また、2つの扁桃体、感情を調節し記憶の役割を果たす核である核を接続します。 
また、前交連で体の反対側に交差する嗅覚管線維を保持します。
脳の矢状カットでは、脳を中央部で左右のセクションに分割し、前交連をはっきりと見ることができます。
楕円形上から下まで約5mmです。脳梁の下で、海馬からの信号を運ぶ脳構造である脳弓の柱の前にあります。
それは、男性よりも女性でわずかに大きいです。(ネット「Nethinbag.com」より)

・「脳梁の前の方にある膝部は,左右の前頭前野をつないで認知機能を支えています。
脳梁の中央の体部は,左右の運動機能を連絡します。
脳梁の後部の膨大部は,左右の視覚情報を伝えます。」(脳外科医 澤村豊氏のホームページ/脳梁より)

・「大脳の容積と比較した相対的な脳梁の断面積は、女性の方が男性よりも大きいとする研究があるが、これに反証する大規模なメタアナリシスも報告されている。
近年になって、実験手法の発展に伴い拡散強調MRIなどを用いて断面積以外の要素に着目して男女差ありとする研究も報告されるようになってきているが、男女差なしとする研究も依然として報告されており、確定した結論が得られない状況である。
MRIによる研究において、脳梁の形・大きさには性差があるという報告がなされており、大脳の容積と比較した相対的な大きさは、男性よりも女性の方が大きい傾向が報告されている。
ただし大脳の容積は男性の方が大きく、脳梁の大きさの絶対値には性差がない。また、脳梁の大きさの性差について、否定的な結果も複数示されている。
ただし一部には、脳梁の性差を男女の神経心理学的な差、たとえば言語機能が男性の方が片側優位であるのに対し女性では両側性であることなどと結びつける説がある。」(Wikipedia/脳梁より)

(参考)

脳梁と前交連、またその他の脳の構造、機能については、図解したものをネットから拾って別途纏めておいた。

脳の構造と仕組み」(画像)
(「脳の構造」「脳の断面と機能」「大脳の構造1」「大脳の機能」「大脳の構造2」「大脳皮質1(大脳辺縁系)」「大脳皮質2(海馬・偏桃体)」「大脳皮質3(海馬)」「大脳髄質内の神経線維」「交連線維」「脳梁の男女比較1」「脳梁の男女比較2」「脳の情報処理の男女比較」)

 

 

 

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男女の違い(五感)

2022-07-24 16:21:04 | 男と女

(男と女)

[男女の違い(五感)]

「話を聞かない男、地図が読めない女」では、言語能力、空間能力以外に、人の五感についても男女の違いについて言及している。
またいわゆる女性の「第六感」についても触れているが、私見ではこれはこれら五感によって蓄積された情報が潜在意識のなかで発揮されたものと言っても良いかと思う。

(なお、ビーズ夫妻はこの本の執筆について、ややこしい専門用語は出来るだけ避けるようにしたとして、次のように述べている。)

「ここで主に取り上げているのは社会生物学という割合新しい分野の話で、これは遺伝子や進化の視点から人間の行動を説明しようとする学問である。
ここで紹介する概念、テクニック、戦略のほとんどは、科学的な裏付けがちゃんとあるものばかりで、根拠のないテクニックや意見は、本書では一切取り上げていない。」

(以下「話を聞かない男、地図が読めない女」より)

[視覚]

目は頭蓋骨から外に露出しているが、奥の方で脳とつながっている。
網膜(眼球の奥の方にあり、下記細胞で構成されている)
 桿状体細胞(1億3000万個)白と黒を識別する
 錘状体細胞(700万個)それ以外の色を識別する
色を識別する錘状体細胞のもとはX染色体で、女性はX染色体が2本あるため、色を細かく識別し、描写できる。

白眼の面積も女性の方が男性より大きい。従って表情が豊かになり、相手の目の動く方向を読み取ることで、多彩な信号を受け取ることができる。

女性は周辺視野も男性より広い。左右では自分の頭の端から45度以上(180度に及ぶ女性も珍しくない)、上下は自分の鼻のあたりまで見られるようになっている。

[聴覚]

女性は男性よりも聴覚が鋭く、特に高音を聞き分けるのが得意。

[嗅覚]

女性の嗅覚はもともと男性より鋭いが、排卵日前後には更に敏感になる。男が発するフェロモンやムスクのような、それとわからないくらいかすかな体臭も感知できる。

[味覚]

嗅覚は女性の方が男性より優れている。
人間の舌にはおよそ1万個の味覚受容体がある。(舌先は甘さ、塩味、舌の左右は酸っぱさ、舌の奥は苦さを感じている。)
男性は苦さ、塩味を区別するのが得意。
女性は甘さ、砂糖の味に敏感。

[触覚]

皮膚には、痛みを感じる受容体が280万個、冷たさを感じる受容体が20万個、触覚や圧力を感じる受容体が50万個まんべんなく散らばっている。皮膚の感受性は女性の方が男性よりも高く、触覚や圧力に関しては女性の方が男性より10倍以上敏感と言われている。

女性ホルモンであるオキシトシンは触られたいという欲求を起こし、触角の受容体を活発にする。

(しかし、皮膚の厚さは男性の方が厚く、従って年をとっても女性よりしわが寄りにくい。)

 

〇「男女の色の見え方の違い」

男女では色の見え方が異なるという。

ある色相のサンプルの表を男女に見せたところ、男性は7色に識別、女性は29色すべて違う色として識別する人が多かったとのこと。
勿論個人差はあるが、一般的に女性の方が男性より色彩感覚が鋭いと感じることは多い。

例えば百貨店のスカーフ売り場に行ったとする。
売り場には紫からピンクにかけて、様々なスカーフがグラデーション状に展示されていた場合、女性はそれら全ての色がそれぞれ異なっているのが認識出来るが、男性は隣合うスカーフの色がほとんど識別出来ないことが多いという。
これは、男性と女性のファッションに対する関心の違いもあるかも知れないが、ちゃんとした科学的理由もあるようだ。

*(色相のサンプルの表はこちら

まず、色とは何かということだが、その元となっているのは光の波長で、この光の波長が人間の目で見えるということは、そのなかの特定の波長が、人間の網膜に刺激を与えて色として感じさせているからである。

太陽の光をプリズムに通すと、虹のような色の帯ができるが、この色の帯をスペクトルと呼んでいる。
スペクトルは赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順に並んでいるが、これはそれぞれの波長の長さが違うために生じる現象で、光の中で最も波長の長い部分が赤く見え、短い部分が紫に見える。
この人間の目で見える領域の光を「可視光線」と呼ぶ。
この領域からさらに波長が長くなると、赤外線域になり、逆に波長が短くなっていくと紫外線域になるが、この領域は人間の目には見えない。

物体で反射され、視覚で色として認識される光は、さまざまな波長成分の光が混じり合ったもので、言い換えれば、この混ざり具合によって様々な色が出来ることになる。

※波長…光は波の性質を持っており、波の谷から谷(山から山)までの距離を波長という。
※虹は太陽光が空気中に浮かんだ細かな水滴をプリズムとして通ってできたスペクトル。

では、光とは何だろうか。

光は空中を飛び交っている様々な電磁波のひとつで、電磁波の中には波長が数千kmにも及ぶ電波から、十億分の1mm以下のγ(ガンマ)線まで、様々な種類がある。
「可視光線」はおよそ380nm〜780nmの範囲で、視覚で色として認識される光は様々な波長成分の光が混じり合ったもの。

※nm(ナノメートル):10の-6乗mm、つまり1mmの1/1,000,000の大きさ。

「色を感じる3要素」

人は「色相」「彩度」「明度」の3要素で色を読み取りる。

色相:スペクトル中の各単色光に特有な色
  (赤、青、黄色、緑など色の種類のこと)
彩度:色の明るさの度合いのこと
  (もっとも明度が低いのが黒、もっとも明度が高いのが白)
明度:鮮やかの度合いのこと
  (白や黒を含む色は彩度が低く、白や黒を含まない色は彩度が高くなる)

色に対する感じ方は、この「色相」「彩度」「明度」の割合の違いで、これは人それぞれ異なり色の見え方や感じ方も異なる。


さて、本題に戻ると、人は光の三原色「赤、緑、青」の組み合わせで色を認識しているが、男女で次のような違いがある。

男性:青、緑、赤の3つの色覚を持つ
女性:青、緑、赤に加え、一部の女性はオレンジ色の色覚を持つ

(言い換えると、男性はオレンジ色が女性に比べて赤みがかった色彩に感じられるなど、やや暖色寄りの色となって認識されるようである。)

(また、同じ色相を知覚するのに、可視スペクトルのほぼ全域に渡って男性は女性よりやや長い波長を必要とするとも言われている。)

つまり、女性の方が認識できる色覚数が多いので、男性よりも色彩感覚の鋭さがあるということになる。

では何故このような違いが生じるのか科学的な説明はあるのだろうか。
これについては次のような仮説がある。

男性は女性に比べて、視覚野(大脳皮質のうち視覚に直接関係のある領域)のニューロンの数が多く、このニューロンに影響を与えるのが、男性ホルモンの一種テストステロンと言われている。
このテストステロンにおける男女の違いについては、狩猟採集仮説がある。
狩猟採集仮説とは、“人類の進化が狩猟・採集行動によって影響を受けた”とするものだが、女性は色の識別能力に優れており、男性は動体視力、遠方視力に優れるという、このような視覚の性差は、進化の過程における男女の役割分担と密接につながっているとする。
そして、子を生み育てるという役割分担の中で、子どもの顔色の変化や排泄物の色の違いなどの子細な変化を見極める感受性は、女性にとってより必要な能力として進化していったとされている。

ニューロン(neuron):
生物の脳を構成する神経細胞のこと。 核が存在する細胞体、ニューロンの入力である樹状突起、出力部分であるシナプス、 伝送路に当たる軸索がある。 人間の脳の場合にはこの細胞が100億から1000億程度あるといわれている。

 

 

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女の七不思議?(なぜそうなのか)

2022-07-23 22:29:28 | 男と女

(男と女)

[女の七不思議](なぜそうなのか)

男の私たちから見たら女性の思考方法、行動には理解できないことが多すぎる。
(女性から見たらこの逆のことが言えるだろうが。)
これまで幾度となく同僚、或いは友人たちとこの件について話したことがあるが、結論は女は同じ人間というよりは宇宙人と思った方が良いということであった。

これについて岩月健司氏はその著書「なぜ、男は「女はバカ」と思ってしまうのか」で、次のように述べている。

*「本書はもっぱら女性の思考方法について解説しています。なぜなら、女性心理というのは男性にとって非常に分かりにくいものであると同時に、女性自身にとっても不可解なことが多いからです。男性にとって女性が神秘的に映るのは、男性が女性を理解することのほうが、その逆より難しいからです。男性が女性を理解している量は、女性が男性を理解している量よりも圧倒的に少ないのです。だから、男性にとって女性は「謎の生き物」なのです。」

ある女性から次のように言われたことがあった。
「あなたの言うことは正しい。けれど私はそう思わない。だからあなたは間違っている。」
屁理屈としか言いようがない発言だが、彼女からしたらいたって真面目なつもりらしい。
何故このような発想になるのか。

よく「男は理性で、女は感情で物事を判断する」と言われているが、これに当てはめると「理屈ではあなたの言う通りだろうが、私の感じではそれは違う」ということだろうか。そして「そんな私の感じたものを理解しないあなたは間違っている」ということになるのだろう。
俗に「男は頭で物事を考えるが、女は子宮で物事を考える」というが妙な説得力がある。子宮で考えた事など男に分かるはずがない。(注)

ということで、ここでは私がこれまで女性に対して疑問に思ってきたこと、また女性の特徴についての説明で、私が「なるほど」と思ったものをいくつか列挙してみた。

(注)
期せずして、岩月氏は著書の中でこのことについて次のように述べている。
「女性は自分の感情に自信を持っていますので、男性が論理的に思考して出した結論も認めますが、それだけが正解でないと思うこともしばしばです。実際理路整然とした分かりやすい結論が必ずしも「正解」とは限りません。女性の感情を基にした直観的思考により導き出された結論の方が正解であることも多いのです。」


では以下、この「女性に関する疑問」について、姫野友美氏の著書「女はなぜ突然怒り出すのか?」を中心に考えてみる。
(姫野氏は心療内科医だが、医師だけに、この本では「脳の仕組み」や「ホルモンの影響」などを踏まえた分析がなされている。)

 

〇[なぜ女はすぐ感情的になるのか](脳の構造について)(姫野氏の著書より)

「間脳に「前交連」という左右の脳を繋ぐ連絡回路があるが、これは言ってみれば「感情の連絡通路」。主に「好き・嫌い、快・不快、怒り・恐怖」などの感情部分を情報として交換しているところだ。
この前交連が、女の方が男より太いのである。
通路が太いと、感情に関する多くの情報をいっぺんに流すことができる
。そのために女は一般的に感情表現が豊かで、情緒的にも細やかな対応をとることができる。
しかし、厄介なのは、より多くの感情情報を扱える分、あまりにたくさんの情報を流しすぎて処理能力が追いつかなくなる場合があることだ。また、たとえ情報量が少なくても一部の情報を増幅させて大波にしてしまう傾向があるのだ。いきなり感情の大波をぶつけられた男としては、呆気に取られてしまうのも当然である。
だから「女はちょっとしたことですぐ感情的になる」ということになるのだ。」

 

〇[なぜ女はおしゃべりで話が長いのか](脳の構造について)(姫野氏の著書より)

「よく女の脳は言語能力が発達しているといわれる。
これは、男がおもに左脳だけで言葉を操るのに対し、女は左脳と右脳の両方を使って言葉を操っているからだ。男の脳と女の脳で構造上最も大きく違っている点は、「脳梁」という左右の脳をつなぐ連絡橋の太さだ。女の脳はこの連絡橋が男より太くできているために左右の脳の連絡が良く、言語情報をはじめとしたより多くの情報を次から次へと流せるようになっている。つまり、脳が次から次へとポンポンと言葉を発することができるようになっているのだ。」

 

〇[女はしゃべること自体が快感](ホルモンの影響)(姫野氏の著書より)

「男から見ると、女はよくあそこまでしゃべり続けて飽きないものだと不思議に思うだろう。そして、よく聞いてみると、たいていの場合たいした内容の話をしているわけでもない。大体「噂話」とか「情報交換」のたぐいだ。
どうして、そんなたわいもないことを延々と話していられるのだろう。
それは、女の脳にとっては、話すこと自体が「快感」だからである。
これには、ドーパミンというホルモンが関係している。別名、「快感ホルモン」と呼ばれる物質で、女はしゃべることによって、このドーパミンを活性化させているのだ。このドーパミンはしゃべるほどに活性化し快感がアップするのだ。これは、パチンコで勝っている時に、なかなかやめられないと同じ状況だと言っていいかもしれない。」

 

〇「女の相反する言葉と態度」(姫野氏の著書より)

「女心には相反する気持ちが不思議なほど違和感なく同居している。「好きだけど嫌い」「(セックスを)許したいけど許さない」・・まるで「ジキルとハイド」のようだが、ひとりの女の中にはそんな正反対の心が矛盾なく住んでいる。
女がミニスカートをはきながら「見られまい」と隠すのは「見せたい」という意識と「隠したい」という意識が心の中に何の違和感もなく同居しているからで、肌を露出しながら見られまいとするアンビバレント(ひとつの心に相反する感情や価値が両立して存在すること)な行動が「オスを惹きつける力」になっていることは疑いない。誘っているのか、拒んでいるのか、判然としないからこそ、女はいっそう妖しく見えるものなのだろう。」

 

〇「女はなぜ結婚すると強くなるのか」(社会学、文化人類学的観点より考察)

これは常々思ってきた疑問だが、よく考えてみると(日本の)女性が強くなってきたのは、そして結婚後強い立場に立つようになってきたのは最近のことと言える。
「戦後強くなったのは女性とストッキング」とよく言われるが、それまでは「男尊女卑」の社会と言われてきたものが何故このように変わってきたのだろうか。

女性が強くなった理由としてまず言えるのは、戦後アメリカの統治下で男女平等が唱えられ、それによって女性の立場が向上したことが挙げられる。
そしてもう一つ大きな要素として、生活家電の発展普及により一般女性にも時間的余裕が出来、社会的進出が可能になったことがある。
これにより、女性も自立できるようになり、これ迄のように男性に頼る必要が無くなってきたということ。このことは、言い換えれば男にとってはこれ迄のように威張る余地が無くなってきたと言える。

社会的な権利としての男女平等は当然のことであり異論はないが、近年行き過ぎではないかと思える事も少なくない。
若い人たちの「アッシー」「メッシー」から既婚者の「粗大ゴミ」「亭主元気で留守が良い」など、男にとってはいい加減にしろと言いたくなることも多い。

このように女性が強くなりすぎると(男性が弱くなりすぎると)、いろいろと不都合な面も生じてくる。

基本的に男にとって面子は何よりも大切なもので、この面子を潰されると怒って乱暴になったり、逆に意気消沈して萎えたりする。
例えば「給料が安い」「甲斐性がない」などで、ある場面での「もう終わったの」「あなたってダメね」などはその最たるものと言える。
(この考察にも近年男性の精子は減少しているということに触れたが、このようなことも(例えばストレスの影響とか)その一因ではないかと思えてくる。)

*このようなことについて、石原結實氏は著書「おとこ教室、おんな教室」で次のように述べている。(要約)

・マイルドな男性が増えてきている。これは別の言い方をすれば雄(男)としての迫力に欠けていると言うことです。

・女の選り好みに適う男の条件は以前は三高(高学歴、高収入、高身長)であったが、最近では三Cがクローズアップされてきています。(cooperation(協力)、 comfort(快適)、 consult(相談))
家事や育児に協力的で、一緒に過ごすのに側にいて快適であり、何か事があれば相談できる相手が、女の選り好みに適う男である、というわけです。
これは女が男に求める条件は、自分にとって都合が良ければいいということになります。

・確かに結婚しない男が増えています。これに対応して、結婚しない女も当然増えています。独身でいる男性にはある共通の雰囲気があるようです。それはどことなく優しい、マイルドな味わいなのです。

・遺伝子を残し、生命をつないでいく営みでは、男は性交渉以外にはほとんど役割がないわけですから、女は精子さえもらえれば、(社会が豊かになり女性に経済力がついてくると)あとはそれほど男の存在は必要でなくなる、ということになります。

・生命が細胞分裂で増殖していた段階から、性が分化し、雌雄交配による生殖に進展していく過程で、雌は雄を改造してつくられたという事実です。
雄の雌化とは、実は生命をつなでいく原点に返ろうとしている動きである、と見ることが出来るのではないでしょうか。
人間の進化は極点まで進んでしまって、もう先のない行き止まりにきている。そこで原点返りが起こっている。そういうことさえ感じさせます。


ということで、最初の疑問「女はなぜ結婚すると強くなるのか」に戻ると、これは日本に於いては戦後のことで、女性は元々男性との対等意識(性分化の過程を考えると、むしろ自分たちの方が偉いと思っている)はあるものの、結婚前からそのような態度でいると男から敬遠されるので、敢えて可愛らしく、しおらしくしていると考えるとしっくりくる。
そして、結婚すれば(結婚を機に女性の本能が目覚め)もう男に遠慮したり、媚びたりする必要も無く、子供が生まれて成長すれば、男はもう無用の長物となり、熟年離婚にもつながっていく。

(参考文献)
「おとこ教室、おんな教室」(三笠書房、知的いきかた文庫)
 イシハラクリニック院長 血液内科 石原結實著

(石原氏は医師だが、この本では言葉(ラテン語や漢字)には女性を語源として作られたものが多いとして言語学的にいろいろ例示したり、社会学的な解説も多く書かれている。また著者は私と同年齢の戦後の団塊の世代と言うこともあり、内容面で共感することも多く、読み物としては面白かった。)

 

 

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女とは?(女性の言動の特徴)

2022-07-23 22:26:12 | 男と女

(男と女)

[女とは」(女性の言動の特徴)

ここでは岩月健司氏の著書「なぜ、男は「女はバカ」と思ってしまうのか」を中心に考えてみる。
(本の題名はいささか刺激的だが、岩崎氏は人間行動学の専門家であり、この著書は数千人の女性へのアンケート調査や面談により得た共通項の多数のものを、帰納法と演繹法の作業を繰り返してまとめたものとのこと。
また、この中では男女の脳の差(脳梁や前交連など)を踏まえた説明も含まれており、この構造の違いが直ちに男女差に直結するとは限らないとしながらもその影響は認めている。)

この本の基軸は、人の行動は「快」(悦びや心地よさ)を得ることが基本となっているということ。
そしてこの「快」を得ることが「安心」につながり心が「安定」するという。

では人はどのような時に悦びや心地よさ感じ安心するのだろうか。
それは男女によって基準が違うようだ。
女性にとって大切なのは「人とのつながり」「人と共感しあうこと」「人(特に異性)から愛されること」、そして男性のそれは「社会とのつながり」「社会との関係性」「社会的自分の位置づけ」であるという。
またその快感の度合いは男女で大きく違い、圧倒的に女性の方が大きいという。
(一方、不快と感じるのも女性の方が敏感で極端に大きく振れるという)


〇[女性達の会話に男性が入り込めない訳](共感し合う世界)(岩月氏の著書より要約)

「女性たちが何かの話題で盛り上がっている時、男性がそこに割り込もうとしても不可能です。
理由は、
1.自分が体験したことのないような様々な感情の話を女性たちがしているから。
2.男性は感情の記憶が乏しいから。
3.女性たちの話の展開の速さに男性はついていけないから。
女性たちは互いに共感しあっているので、あうんの呼吸で次々と話題を変えていきますが、共感しきれない男性は、今何が話題になっているのかすら分からなくなるのです。
もし男性が話に割り込もうなら、それは3つ前の話題よ、と軽蔑されてしまうでしょう。」
「女性の会話は感情に関することがほとんどです。むかついた、おいしかった、気持ちよかった・・・という会話です。相槌も「そうそう」「そうよねえ」という共感の表示です。」

(注)
これについては、私自身も思い当たることがある。
電話で女性と久し振りに話をすると、話があちこち飛ぶので何の話をしているのか分からなくなり、途中で「何の話?」と聞いたり、主語が省かれたり、知らない人の名前が出てくるので、「誰の話?」などと聞いたりすることはしょっちゅうある。(向こうは、「あ、ごめん」と言って教えてくれるが。)


〇[女性の相談について](人とのつながり)(岩月氏の著書より要約)

「自分の感情を記憶し、自分の感情を基に思考している女性ですから、女性が悩み事を相談するときの話し方にもこれが色濃く反映されます。本題に入る前に、その時の自分の感情を延々と話し続けます。途中でこちらが相談内容を改めて聞くと5分状況説明が終了します。
(主語が誰なのかもわからない話や、要領得ない話などは、女性特有です。)
(女性は自分が良く知っている人のことだと、相手も知っていると思い込み、相手が知らない人でも固有名詞を使ってどんどんしゃべります。)
女性にとって相談というのはまず話を聞いてもらって、共感してもらうことです。解決策を示してもらうことは重要(必要)ではありません。共感してもらってはじめてその人とのつながりを確認できる事の方が女性にとっては重要なのです。」

(注)
これについても、私自身も思い当たることがある。
母親が兄嫁のぐちを言うので、私が「それはああだからこうだから」というと急に怒り出し「そんなことは私にも分かっている」「あんたはただ黙って聞いてくれればいいのだ」と。そして「ああ、私も女の子が欲しかった」とこぼしていた。(ちなみに母親の子供は3人とも全て男)


〇[女性のカンについて](脳の構造)(岩月氏の著書より要約)

「女性は、細かい情報を総合し、直観的に判断すること、つまり「女のカン」と世間で言われている能力を働かせています。大脳生理学的にもこのことは支持されています。脳梁と呼ばれる左右の脳をつなぐ神経の束が太いのです。しかも、女性の脳、機能分化がはっきりしていない分だけバックアップ体制がしっかりしているので、男性よりも言語能力が復活しやすいのです。つまり、女性の脳は、過去に記憶された事実や感情の全部を使って直観的に判断するのに都合のいい構造をしているのです。」


〇[「ねー、どっちがいい?」の質問](ビーズ夫妻の著書より)

これについてビーズ夫妻は世のすべての男を震撼させる質問と述べている。
「この問いかけは、女性の典型的な話し方のひとつで、どちらにするかは、彼女の心はもう決まっていて、今さら他人の意見など聞き入れるつもりはない。ただ、それでいいという最終確認がほしいだけなのだ。」とのこと。

(注)
これについても、私自身も経験がある。
旅行中小さな買い物をしていたとき、同じような質問をされたので、「どっちでもいいじゃないか、そんなもん」と言ったら、彼女はプッとふくれて、以後全く口きかなくなってしまった。私自身言い方が悪かったとは思うが。

 

〇「女性の言う「みんな」とは大抵3人」(岩月氏の著書より)

「女性のよく使う言葉に「みんな・・だ」「みんなそうしている」というのがあります。こういう場合の「みんな」とは大抵「3人が」という意味です。自分が親しく付き合っている女性3人、という意味での「みんな」であることが多いのです。
女性は自分の感情に自信を持っているので、自分こそ正統派だと思っています。自分と違った感性を持っている女性グループは異端扱いして無視するか、排除してしまう傾向があります。そのため個人的な感情をすぐ「みんなが」と一般化してしまいがちです。」

 

〇「女性は感情を優先して物事を判断する」(岩月氏の著書より要約)

「女性は思考するときも事実より自分の感情を優先させる。その結果次のような傾向が見られる。」
・考えるネタとなるのが感情の記憶だから、いきなり結論が出てくることが多くなる。
・主語が誰なのか分からない話や、要領得ない話などは、女性特有のもの。
・まわりのものが見えなくなり、自己中心的になり、公私混同しがちになる。
・ひとつのことにこだわりがちになり、頑固になる。(「女の一念、岩をも通す」)
・女性同士の話は、聞いている女性も「何をしたのか」という事実には興味を示さず、相手の気持ちに興味を示す。このような女性の会話を聞いている男性には、ちんぷんかんぷんで、何で盛り上がっているのかもわからず、宇宙人の会話のように聞こえる。

 

 

 

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男女の差(「女の子座り」など)

2022-07-19 22:25:16 | 男と女

(男と女)

[男女の差](「女の子座り」など)

前から不思議に思っていたことだが、所謂「女の子座り」そして女性が腕に掛ける「バッグの持ち方」、これらは何とも女性らしくて可愛いが、これが男には出来ない。そこでネットで調べてみたところ、丁度TBSの過去の番組「この差って何?」でこれらの件を取り上げていた。

他にも男女の差ということでネット上に面白いものがあったので、いくつか貼り付けておく。

TBSTVで放送されたもの(2015年)
https://www.tbs.co.jp/konosa/old/20150621.html

 

〇【男と女の差〜腕時計のつけ方の差/男は外側・女は内側〜】この差って何?
専門家:井垣利英(株式会社シェリロゼ代表取締役)
この差は…時間を見るときに脇が開いてしまうかどうか

腕時計が広く使われるようになったのは1920年代から。
この頃女性の着物には「身八つ口(みやつぐち)」という、子供に授乳がしやすいように作られた切れ目があったが、これが、時間をみようと腕をあげると大きく開いてしまい、脇から胸のほうまですべて丸見えになってしまった。そのため、その動きが「みっともない、はしたない」となり、脇をあけなくても時間が見られるように時計を内側につけるようになったと考えられている。

 

〇【男と女の差〜バッグの持ち方/男は手持ち・女は肘かけ〜】この差って何?
専門家:神戸克明(東京女子医科大学)
この差は…腕がしびれにくいかどうか

バッグの持ち方の差にも理由があった。
男性の多くが手持ちでバックを持つのは「肘かけ」を「しない」のではなく、「できない」から。
男女の腕をそれぞれエコーで撮影すると、男性の方が筋肉が多く脂肪が少ないことが分かったが、そんな男性がバッグを肘にかけると、腕の血管が押しつぶされ、すぐにしびれてしまうのだった。
ちなみに、10代〜50代の男女に4キロのトートバッグをなるべく長く肘かけで持ってもらう実験をすると…男性平均20分、女性平均1時間、と明確な差がついた。

 

〇【男と女の差〜座り方/男はできない女の子座り〜】この差って何?
この差は…骨盤と脚をつなぐ関節の差

太ももの付け根の出っ張り部分にある「大転子」と呼ばれる骨が、男性の方が大きいため、これが、脚を動かすさいに骨盤にぶつかり、可動域が狭く、女の子座りが出来ない人が多い。
しかし、子供の頃から野球のキャッチャーをしているなどの訓練をしている場合、関節の可動域が広がり、女の子座りが出来る人もいる。

 

〇(ネット上での他の説明)
女の子座りを男性ができない理由は、骨格や股関節の筋肉の違い。
特に骨盤の違いから、女の子座りができないのです。
男性と女性の骨盤が違うのは、男性は妊娠できないからです。
女性は妊娠した時に、骨盤で子宮を支えます。
そのため女性の骨盤は男性の骨盤よりも大きく広がっている骨盤になっています。
女の子座りは、骨盤を開いて座る座り方なので、骨盤が大きくないと女の子座りができないのです。

*このことについては下記参照。

男女の体形
(「胸部・肋骨の画像」「骨盤の画像」「肋骨・骨盤の画像」「骨盤・大腿骨の画像)

 

〇「椅子が上がるかどうか」(5CH「博士ちゃん」より)
1.つま先を壁につけて立つ
2.足2つ分後ろへ下がり、足をそろえる
3.腰を90度曲げて頭を壁につける
4.そのまま(横に置いておいた)イスを壁と体の間において、イスを胸まで持ち上げる
5.そのまま体を起こす(起き上がる)
これは、女性はできるけど男性はできない(起き上がれない)
理由は、女性と男性の重心の違いで、女性は妊娠した時に子供をお腹で守るため腰幅が広く、お尻に重心があるため、起き上がれる。
これに対して、男性はヘソに重心があるため、前につんのめるから。

 

〇「薬指と人差し指の長さの差」(いくつかのネットサイトより)
男性:通常、薬指のほうが人差し指より長い。
女性:通常、人差し指のほうが薬指より長い。

薬指の長さを決めるのは、母親の胎内にいるときに浴びた性ホルモンのテストステロンとエストロゲンの量の影響が大きいと言われている。男性ホルモンであるテストステロンの量が多く、女性ホルモンのエストロゲンの量が少ないと、人差し指と比べて、薬指が長くなるという。

テストステロンは薬指の細胞分裂を刺激し、軟骨と骨を成長させて指を長くする。これに対し、エストロゲン(女性ホルモン)は細胞分裂を遅くして指を短くするとのこと。

この薬指の長さは、男女それぞれの性格にも影響するとも言われている。

 

 

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男と女(参考文献・サイト)

2022-07-19 13:46:03 | 男と女

(男と女)

[参考文献・サイト]

「話を聞かない男、地図が読めない女」(主婦の友社文庫)
  アラン・ビーズ&バーバラ・ビーズ著

「女はなぜ突然怒り出すのか?」(角川新書)
  ひめのともみクリニック院長 心療内科 姫野友美著

「なぜ、男は「女はバカ」と思ってしまうのか」(講談社新書)
  香川大学教授 岩月健司著

「ぜんぶわかる 脳の辞典」(成美堂出版)
  監修 坂井建雄 順天堂大学医学部教授
     久光正 昭和大学医学部教授

「プロが教える 脳のすべてがわかる本」(ナツメ社)
  監修 岩田誠 東京女子医科大学名誉教授

「性分化の過程 ~男あるいは女に発育していく過程”」
  (おおさか不妊専門相談センター)
  https://www.funin-osaka.jp/info_01/info-3/性分化の過程/

「性分化」
  (木村クリニック)
  http://kimura-c.o.oo7.jp/topics/seibunka030309.html

「性染色体から個体の性へ」
  (東京医科歯科大学教養部 生物学分野)
  http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf4/Chapt4.doc

「脳科学が立証するジェンダーフリーの「ウソ」」
  (日本政策研究センター 投稿者:operatorT)
  http://www.seisaku-center.net/node/293

「脳神経外科アーカイブ」
  (東京クリニック)

  男と女の脳のちがい(そのI)
  男と女の脳のちがい(そのII)
  唯一男性脳の優れているのは?

  河村 弘庸【脳神経外科】
  経歴 元東京女子医科大学 脳神経外科教授
     淑徳大学非常勤講師
  https://tokyo-cl.com/blog-cat/neurosurgery/

「脳の性差はいかに決定されるか」

  男女の脳にはどのような差があるのか。
  それは人間の行動にどのような影響を及ぼしているのか。

  新井康允 人間総合科学大学教授・人間科学部学部長/順天堂大学名誉教
  https://www.lec-jp.com/h-bunka/item/v252/pdf/200506_14.pdf

「男性と女性の脳の違い これがわかれば結婚生活は上手くいく!」
  (家族挙式グループ)
  https://kazoku-wedding.jp/howto/love-differences-brain/

「科学で見る恋愛講座」
  第8回 男女の脳の違い〜進化に導かれし能力~
  レジデントノート2016年11月号掲載
  https://www.yodosha.co.jp/rnote/renai/renai_9784758115773.html

 

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染色体と遺伝子について(辞書)

2022-07-19 13:41:03 | 男と女

(男と女)

[染色体と遺伝子について]

[染色体]:
細胞(人の体には約37兆個ある)の核の中にあり、DNAが太く折り畳まれたもので、23組(46本)に分かれている。
染色体は、遺伝情報がつまったDNAが太く折り畳まれたもので、親から子に受け継がれる多くの遺伝情報が納められている。
22対(44本)は常染色体、1対(2本)は性染色体と呼ばれている。
性染色体は性別に関わる23番の染色体で、X染色体とY染色体があり、通常XXだと女性、XYだと男性になる。
(父親からY染色体を受け継げば男の子に、X染色体を受け継げば女の子が生まれる)

[DNA]:
デオキシリボ核酸の略称で、生物生存のための遺伝子情報を乗せた物質。(細胞をつくり出す情報をもつ。)
DNAはヌクレオチドが重合した高分子によって構成される。
DNAには(A)(G)(C)(T)の4種類の塩基があり、これらが遺伝を伝えている。
(アデニン・グアニン・シトシン・チミン)
DNAは2重螺旋構造をしており、これは効率的に細胞分裂するためで、安定した状態で正確にDNAを複製することができるようになっている。
受精卵は、最初はひとつの細胞だが、胎児が育っていく間に細胞はどんどん分裂し、様々な臓器を構成する何百種類もの細胞に変化しながら体を作っていく。
新たな細胞に対してDNAはその情報を伝えるために、2重の螺旋が1本ずつに分かれ、別々の細胞を形成していく。

[RNA]:
リボ核酸の略称で、生物の細胞にとって重要な材料であるたんぱく質をつくり出す働きを持つ。(DNAの情報をもとに細胞の材料となるたんぱく質を合成する。)
RNAは、DNAと同じくヌクレオチドが重合した高分子によって構成されるが、ヌクレオチドを構成する糖の構造が DNAとは少し異なる。。
RNAには(A)(G)(C)(U)の4種類の塩基があり、ウラシルは DNA のチミンに対応する。
(アデニン・グアニン・シトシン・ウラシル)
RNAには、次のような種類がある。
メッセンジャーRNA(mRNA):DNA から転写されタンパク質合成の鋳型とる。
トランスファー RNA(tRNA):mRNAを鋳型にしてタンパク質をつくるためのアミノ酸を運ぶ。
リボソーム RNA(rRNA):mRNAからタンパク質を翻訳するときに必要なリボソームの一部を構成する。
この他、タンパク質をコードしないRNA(ノンコーディングRNA(ncRNA))などがある。

[塩基配列]:
ヌクレオチドの並び方を示したものを塩基配列と呼ぶ。
DNAは二重らせん構造をしているが、向かい合うDNA鎖は、必ずGに対してはCが、Aに対してはTが水素結合で結合することから、一方のDNA鎖の塩基配列が決まれば、向かい合う相補的なDNA鎖の配列も自ずと決まることになる。
塩基のこのペアはが崩れることはなく(相補性)しっかりとくっついていることで、きれいな2重らせんが保たれている。
また、このようなことからDNAでは一方の塩基配列だけを示す場合が多い。

[核酸]:

(基本情報)
細胞核の中に存在し、遺伝情報を持つ「DNA」と、その遺伝情報を基にたんぱく質を作る「RNA」によって構成される。

人間の体には約60兆個もの細胞が存在しており、数カ月でほとんどすべての細胞が生まれ変わるといわれてるが、「核酸」は「タンパク質」と並び、これら細胞の材料であり、細胞を構成する主要成分でもある。

食物から接種したタンパク質はすぐに体の血や肉となるのではなく、体に吸収する働きを持つ酵素によって消化・代謝され、アミノ酸に分解されるが、分解されたアミノ酸は、皮膚や爪、髪など様々な場所に必要に応じてタンパク質に組み立て直される。
核酸は、この分解されたアミノ酸をタンパク質に組み立てる作業を行う役割を担っている。

(核酸の働き)
核酸はDNAとRNAの2つに大別され、その働きはそれぞれ異なる。

DNA:細胞ひとつひとつに存在する細胞核といわれる細胞の遺伝子情報の保存と伝達を行う部分に存在し、タンパク質を作り出すためのアミノ酸の組み合わせ情報をもっている。
RNA:主に細胞質の中に存在し、DNAの情報に基づいてアミノ酸からタンパク質をつくり出している。

つまり、DNAは遺伝子情報をもつ設計士であり、RNAはその情報に従って必要なタンパク質をつくり出す大工の役割といえる。

​(核酸の単位)
核酸のいちばん小さな単位をヌクレオチドという。ヌクレオチドがたくさんつながったもが核酸となる。
ヌクレオチドは5角形の糖(5単糖)と塩基、リン酸という構造からできている。
(核酸は分子量のとても大きいポリマーで、その分子量は1万程度から数百億。この大きな核酸という分子をずーっと小さく分解していくと、いちばん最後に5単糖と塩基、リン酸になる。)

(核酸塩基)
核酸をつくっている成分「塩基」とは炭素、水素、窒素、酸素からなっている環状構造になったもののことをいう。
核酸をつくる塩基には、プリン塩基(A・G)とピリミジン塩基(C・T・U)の2つがある。

(塩基の並び)
塩基が3つずつ組みになって1つのアミノ酸の印になっている。(アミノ酸をコードするという)
この塩基の並びが、私達の体を作っているアミノ酸やタンパク質をどう作るのか、指令していることになる。

例えば、 AとUとG(AUG)でタンパク質をつくる最初の合図になるメチオニンをつくる元になる。
UGGが並ぶとセロトニンの素・トリプトファンをつくる元になる。

(塩基の材料)
核酸の塩基はいろんな材料からできているが、例えばアデニンを例に見ると、アデニンはグリシン、アスパラギン酸、葉酸、グルタミンからできている。つまり、これらの材料をきちんと食べないとDNAの成分・塩基ができないことになり、細胞分裂の材料が足りないことになってしまう。

*この核酸が不足すると、細胞の生まれ変わりである新陳代謝がうまく行われず、老化が促進されたり疲れやすくなってしまったりすることがあり、​そのため核酸は、新しい細胞を作り、健康な体を保つためには極めて重要な成分だといえる。

*上記核酸についての説明はネット上から拾ったものをいくつか組み合わせたものだが(「わかさの秘密 株式会社わかさ生活」「オーソモレキュラー栄養医学研究所」など)、以下参考までに追加でそこからの説明をそのまま記しておく。

核酸は肝臓でつくられる:
人は自分に必要な核酸を自分の体内でつくることができます。核酸を1からつくる(ドゥノボ合成)には手間と時間がたくさんかかります。そこで、肝臓以外の細胞では、出来上がりの材料を使って核酸を合成しています(サルベージ合成)。

ドゥノボ合成:
アミノ酸やビタミンから新しく核酸をつくる道。肝臓で行われます。
サルベージ合成
核酸の分解物を使って合成する道。骨髄や腸粘膜など細胞分裂が激しいところでは優先的に行われます。

核酸の代謝:
いらなくなった核酸のプリン塩基は、最終的に水に溶ける尿酸になって排泄されます。ピリミジン塩基は捨てられずにアミノ酸のアラニンなどに変えられて再利用されていきます。

尿酸とは:
核酸がからだの中で変化してできるいちばん最後の物質、尿酸。尿酸と聞いて思い出されるのは「痛風」です。捨てられるべき尿酸がからだの中に増えすぎると風が当たっても痛い「痛風」になってしまいます。なので尿酸は悪い感じのイメージがありますが、実はからだのサビ取り(抗酸化)に働いてくれている大事な物質です。

赤血球と核酸:
毎日酸素を運んでくれている赤血球。この赤血球は、肝臓で合成された核酸も全身に運んでくれる役割を果たしています。
人の体は毎日生まれ変わる細胞のために全身で核酸を必要としていますが、この核酸を全身に運んでくれるのが赤血球です。

健やかなDNAつくりに亜鉛が大切:
親の細胞のすべての遺伝子が、必ず次の新しい細胞に正確に伝えられていきます。これがDNAの複製です。
わたしたちのからだの中では、毎日ものすごい速さで細胞が分裂しています。DNAの複製では、常に同じ塩基配列がコピーされていきます。数にすると、毎秒50個ずつのヌクレオチドが重合されていくそうです。
そしてそのDNAが2つに分かれていくときに大事なのが「ジンクフィンガー」と呼ばれるタンパク質です。これがDNAが2つに分かれるときに大活躍しています。ジンク=亜鉛を示す通り、亜鉛不足ではDNAの複製がうまくいかないということが起きてしまいます。
(以上「オーソモレキュラー栄養医学研究所」のサイトより)


[遺伝子]:
DNA上の「1つのタンパク質の設計図」に相当する部分を「遺伝子」とよんでいる。
人のDNAには、約2万種類の遺伝子が並んでいることになり、そのなかには臓器や血液など「からだ」を造っているタンパク質の遺伝子をはじめ、疾病や老化に係わる遺伝子、免疫や記憶に係わる遺伝子、さらにはDNAに書かれた符号を解読する装置の遺伝子などが含まれている。
但し、DNAの中で実際に遺伝の機能を持っているものは、わずか3~5%で、全てのDNAが遺伝子を持っているわけではなく、その他の部分がどのような機能を持つのかについては、まだはっきり分かっていない。

人の1対の染色体には約25,000個の遺伝子が含まれているといわれている。
親から子どもへ髪、眼の色などの容姿や病気のなりやすさ、体質などが受け継がれることを遺伝と言い、DNAが複製され、卵子や精子を介して受け継がれていくことになる。

[遺伝情報]:
生物が自己と同じ物を複製するために、細胞から細胞へ、親から子へ伝えている情報で、DNAの塩基配列に符号化されている。
生物はそれぞれ、数千種類から数万種類のタンパク質で作られている。人では約2万種類といわれていますが、正確な数は分かっていない。
遺伝情報の中身は、主として、これらタンパク質をつくるための情報(タンパク質の設計図)と、どのタンパク質を、いつ、どこで、どれだけ作るかという発現制御の情報から成り立っている。
生物は、タンパク質の他に、炭水化物、脂肪など、たくさんの物質からできていますが、これらの物質は、素材からタンパク質(酵素)によって合成されるので、本質的には、炭水化物、脂肪などの合成に係わるタンパク質をつくる設計図があればよいこととなる。

[ゲノム]:
1組の染色体を構成する全てのDNA塩基配列、遺伝子を含めた遺伝情報のこと。
ヒトゲノムとは、ヒトの全遺伝子情報の全てを示すもので、約30億個のDNA塩基配列で構成されている。
ゲノムという言葉は、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から作られたもの。

親と同じものを作る遺伝子情報を全部持ったDNAを「ゲノムDNA」と呼ぶ。

 

 

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