まさおレポート

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バリ・ヒンドゥの神々と日本の神々

2024-06-01 | バリ島 文化・風習・葬祭・ヒンドゥ・寺院・宮殿

立川武蔵の著作からバリヒンドゥで近しい神々を学ぶことができた。以下は著作からの引用です。


インドから、実にさまざまな神々が日本にやってきた。琵 琶に似た楽器を奏でる弁財天は芸能の女神として日本各地 で崇拝されているが、この女神はインドで仏教が誕生する以 前にすでによく知られていた。この女神が仏教にとり入れら れ、中国などを経て日本に至ったのである。

 

帝釈天も同様 に、仏教以前の「ヴェーダの宗教」(バラモン教)において もっとも勢力のあった神インドラであったが、「ヴェーダの 宗教」が勢力を失った後、ヒンドゥイズムが台頭する以前に インド仏教にとり入れられたのである。

 

日本で聖天あるいは歓喜天の名で知られる象面神ガネーシ ヤは、仏教誕生のかなり後、ヒンドゥイズムが興隆してから 勢力を得た神である。ガネーシャはしたがって、ヒンドゥイ ズムの神が仏教の中にとり入れられた神格と考えられる。

 

勢 いよく速く走ることを「韋駄天走り」というが、韋駄天とは ガネーシャの兄弟である軍神スカンダのことだ。この男神 も、聖天の場合と同様、インドでヒンドゥイズムが興隆した 後に仏教の中にとり入れられた神である。

 

インド起源の仏や神々が長い期間をかけて徐々に伝えられてきた。日本に伝えられてきたインドの神々はいずれも仏教の 中にとり入れられた者たちであり、「ヴェーダの宗教」やヒ ンドゥイズムの神々が直接日本にやって来たことはない。ま た、バラモン教やヒンドゥイズムにおいて生まれた神々は短 期間に一挙に仏教にとりこまれたのではなく、かなり大きな 時間差を伴って徐々にとり入れられたのである。

 

愛知県の豊川稲荷に代表される 荼択尼天である。この女神(ダーキニー)はインドでは、裸 で空を駆ける魔女であるが、日本では狐に乗る女神の姿で表 現されている。インドにおけるダーキニー女神の起源は不明 であるが、彼女は、インドではまず仏教の中にとり入れら れ、後にヒンドゥイズムでもよく知られるようになった。

 

元来は建築上の装飾の一部であった存在が、仏教およびヒ ンドゥイズムの中に神格を与えられてとり入れられた場合も ある。例えば、四国の金毘羅(金刀比羅)はインド神話に登 場するワニに似た神獣 (クムビーラ)である。この神獣のイ メージはヒンドゥイズムが成立する以前にすでに建築上の装 飾図様としてあったと思われる。


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