まさおレポート

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磁気テープの今昔

2014-10-06 | 心の旅路・my life・詫間回想

富士フィルム傘下の富士化学工業がエボラ出血熱の特効薬アビガンを開発してフランスで女性看護師が回復して退院したとある。なかなかやるなあと感心していたら今度は今はもう廃れたと思っていた磁気テープの技術を富士フィルムの研究者が革新しているいるというニュースに接した。一巻のリールで154テラバイトだという。

1070年の初めころ、データ通信システムの開発に従事したがそのころの風景としてまず浮かんでくるのが磁気テープ装置で、当時のコンピュータの象徴的装置だった。コンピュータをイラスト風に描くときには必ずと言ってよいほど磁気テープ装置が描かれていた。磁気テープの交換作業で、台車に乗った数巻の磁気テープを磁気テープ装置の前まで押していき、装置にリールをはめ込んで磁気テープの端を下から覗いている引っ張り側の端とつなげ、セットボタンを押すと空気の陰圧でプシュと吸い込まれる音がしてセッティングが終わる。コンピュータ室にはいると磁気テープから磁気ディスクに落とし込む作業や反対に磁気ディスクから磁気テープに吸い上げる作業がまず最初の仕事となる。場合によってはその作業だけで1時間が過ぎていく。

磁気テープは他のHDDなどに比べると機械的な頭出しのために時間がかかる。それでも高速で回っていくことに爽快感を覚えていると突然頭出しが終わり、10センチ程度の移動幅の小刻みな動きに変わる。それが延々と続き、無事終わるかあるいは何かのエラーで終了するとまた再び巻き戻しに入り速度を速めていく。こうした作業の風景は45年たった今でも鮮明に眼前に浮かぶ。

1970年当時の磁気テープは200メガバイト程度だったように記憶している。それに対して富士フィルムが開発した磁気ディスクは20メガバイト程度であり、10倍程度の容量があったことになる。いったんは過去のものとなった磁気テープが再び装いを変えて脚光を浴びることになったのはなんだか嬉しい。

磁気テープが注目されているのがその大容量と保存性のコストパーフォマンスの良さで、45年後の今日この磁気テープ容量はメガからテラの単位で測られるようになっている。なんと百万倍で驚くべき進化である。コンピュータ製造業の発達の経験則とされるムーアの法則では集積度は1.5年に倍になるから45年ではテラ倍となっていることになるが、磁気テープの発達はさすがそこまでではない。しかし十分驚くに値する伸び率だ。

 


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