職場の施設から見える公園にザクロが生っているんです。いつも双眼鏡で覗かれる人もいたり、ザクロの成長をみんなで楽しんでいました。
そのザクロがかなり大きな実に成長したので私がよじ登って一つ取って(実が落ちたり潰れたりしてたりしてたから多分大丈夫)入居者さんと一緒に切り食べてみました。
「実物はこんな大きいんやね」「食べたの何十年ぶり!」「甘酸っぱくて美味しい」「昔を思い出すわ」ととても喜んでくださいました。甘酸っぱいザクロは恋の味なんですね笑
ザクロの成長を楽しんでいた入居者さんの一人に短歌を書くのをご趣味されてる方がいらっしゃいまして、その方が私にザクロの短歌を書いてくださいました。素敵です。全て紹介させてください。因みに大正生まれの方です。
三階の窓より見下ろす児童公園ザクロの花咲き初夏の風吹く
老いさびる身にほのぼのと幼日の古里あわたてザクロの花咲く
朝なさなザクロ見下ろす日々の過ぎ花が実となり朱の彩にじむ
林立のビルの谷間の陽をつかみザクロひたすら太りゆくなり
炎天にめげずザクロ拳大はじける日は何時わが命ほそる
わが命やせゆく日々をザクロ爆せず初秋の風に今日もゆれをり
幼日のザクロの木陰のかくれんぼ父母ゐませり祖母も居ませり
唐突にザクロ戴く口中に初恋の味こころ疼くも
車椅子ザクロの木下にしばし止め「さよなら」木肌なでをり
どうですか!凄いですよね。どれも好きなんですが、8番目が一番好きです。"こころ疼くも"ってのがいい。"も"がいい。この方の書く短歌全てに情景が浮かぶんです。本当凄い。
自分も入居者さんみたいに幾つになっても短歌は無理ですが音楽は続けていきたいなーと思う今日この頃。