ボクシングダブル世界戦12回戦(16日・日本武道館=読売新聞社など後援)――世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級は、同級4位、長谷川穂積(24)(千里馬神戸)が、防衛14度の王者ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(36)(タイ)を3―0の判定で破り、新王者となった。
世界ボクシング協会(WBA)ミニマム級王者の新井田豊(26)(横浜光)は同級4位金在原(26)(韓国)を3―0の判定で下し、2度目の防衛に成功した。
日本のジムに所属する世界チャンピオンは、川島勝重(大橋)、高山勝成(グリーンツダ)を含め、4人となった。(観衆9000人)
◆会心の一撃、9回の左フック◆
会心の一撃だった。9回、長谷川の左フックがウィラポンの顔面にヒット。老かいな王者をぐらつかせた。「あれで迷いが吹っ切れ、流れが変わった」。その後は接近戦での壮絶な打ち合いを制して、世界の頂点に上り詰めた。
接近戦が得意のウィラポン相手に、持ち味のアウトボクシングを展開。王者自慢の右を封じ込め、3回までを完全に制したことも、最後に効いた。
2003年5月、日本人相手に11戦10勝だったフィリピン人の東洋太平洋王者を破り、脚光を浴びた。それから2年。辰吉丈一郎(大阪帝拳)を2度破り、西岡利晃(帝拳)の挑戦を4度跳ねのけた<日本人キラー>ウィラポンにも気後れしなかった。
その度胸の良さは、元プロボクサーの父親譲り。3戦で病気のために挫折した父から世界王者の夢を託され、小学2年の時、嫌々ながらボクシングを始めた。大好きな辰吉を倒した相手を初挑戦で破り、父の願いも実現。「夢のよう。ベルトより、ウィラポンに勝ったことの方がうれしい」と、日本選手の天敵を倒したことを喜んだ。
決戦前夜、3日の日本タイトルマッチの後遺症で他界した田中聖二(金沢)は、練習相手。切磋琢磨した友人の悲報も乗り越えた。試合後の控室で、12日前に世界タイトルを奪取した高山勝成(21)(グリーンツダ)とがっちり握手。若手二人の躍進で日本ボクシング界に活気が出てきた。
世界ボクシング協会(WBA)ミニマム級王者の新井田豊(26)(横浜光)は同級4位金在原(26)(韓国)を3―0の判定で下し、2度目の防衛に成功した。
日本のジムに所属する世界チャンピオンは、川島勝重(大橋)、高山勝成(グリーンツダ)を含め、4人となった。(観衆9000人)
◆会心の一撃、9回の左フック◆
会心の一撃だった。9回、長谷川の左フックがウィラポンの顔面にヒット。老かいな王者をぐらつかせた。「あれで迷いが吹っ切れ、流れが変わった」。その後は接近戦での壮絶な打ち合いを制して、世界の頂点に上り詰めた。
接近戦が得意のウィラポン相手に、持ち味のアウトボクシングを展開。王者自慢の右を封じ込め、3回までを完全に制したことも、最後に効いた。
2003年5月、日本人相手に11戦10勝だったフィリピン人の東洋太平洋王者を破り、脚光を浴びた。それから2年。辰吉丈一郎(大阪帝拳)を2度破り、西岡利晃(帝拳)の挑戦を4度跳ねのけた<日本人キラー>ウィラポンにも気後れしなかった。
その度胸の良さは、元プロボクサーの父親譲り。3戦で病気のために挫折した父から世界王者の夢を託され、小学2年の時、嫌々ながらボクシングを始めた。大好きな辰吉を倒した相手を初挑戦で破り、父の願いも実現。「夢のよう。ベルトより、ウィラポンに勝ったことの方がうれしい」と、日本選手の天敵を倒したことを喜んだ。
決戦前夜、3日の日本タイトルマッチの後遺症で他界した田中聖二(金沢)は、練習相手。切磋琢磨した友人の悲報も乗り越えた。試合後の控室で、12日前に世界タイトルを奪取した高山勝成(21)(グリーンツダ)とがっちり握手。若手二人の躍進で日本ボクシング界に活気が出てきた。