“疑惑判定”で真価を問われた亀田が、因縁の再戦で完勝を収めた。プロボクシングの世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座戦が20日、有明コロシアムで行われ、王者の亀田興毅(協栄)が同級1位のファン・ランダエタ(ベネズエラ)を3-0の判定で下し、初防衛に成功した。
両者は今年8月に同級王座の決定戦で初対戦。同級2位(当時)の亀田が、同1位(当時)のランダエタを2-1の判定で下して新王者に輝いたが、初回にダウンを奪われる苦しい展開での辛勝で“疑惑の判定”と揶揄(やゆ)され、再戦が望まれていた。一度は10月に再戦が決まったものの、亀田が左目上を負傷したために延期。約4カ月ぶりの再戦だった。
ファイトスタイルを一変させての完勝だった。亀田はこれまでガードを固めて前に打って出て行くファイタースタイルで試合に臨んでいたが、この日は中盤以降にアウトボクシングを展開。前後左右のステップワークでランダエタのパンチを巧みに外し、カウンター気味に右のロングストレートやショートフックをヒットさせて相手をコントロールしてみせた。序盤こそ、実戦では慣れていないヒットアンドアウエー戦法に戸惑う様子を見せたものの、ダンスのようなステップや腕を大きく回転させるなど、辰吉丈一郎(大阪帝拳)をほうふつとさせるパフォーマンスを交えながら、前に出るのを辛抱して試合を展開。相手に付け入るすきを与えなかった。フルラウンドを戦い抜き、ポイントは115-113、116-111、119-108の3-0で圧勝だった。
入場曲を変えたのも、単なる気まぐれではないだろう。映画「ロッキー4」のサウンドトラックからチョイスしたのは「ノー・イージー・ウェイ・アウト」(容易な出口はない)だった。派手な言動でボクシング界を超えて話題をまき散らした亀田だけに、際どい判定での王座奪取には多くのバッシングも飛んだ。今回は「亀田とKOはセット」の言葉から離れる葛藤を抱えながらも、きっちりと世界戦で完勝という至難の業をやってのけた。リング上でのインタビューでは淡々と試合を振り返った亀田だが「プレッシャーはあった」と話し、トレーナーでもある父・史郎さんに話が及ぶと、目から涙が溢れ出し「この4カ月間、バッシングもされたけど、おやじが常に壁になってくれた」と声を震わせた。20歳になって初めての試合だったが、幅のあるボクシングを見せて一皮むけた感もある。若き王者が自らの強さをしっかりと証明した一戦だった。
両者は今年8月に同級王座の決定戦で初対戦。同級2位(当時)の亀田が、同1位(当時)のランダエタを2-1の判定で下して新王者に輝いたが、初回にダウンを奪われる苦しい展開での辛勝で“疑惑の判定”と揶揄(やゆ)され、再戦が望まれていた。一度は10月に再戦が決まったものの、亀田が左目上を負傷したために延期。約4カ月ぶりの再戦だった。
ファイトスタイルを一変させての完勝だった。亀田はこれまでガードを固めて前に打って出て行くファイタースタイルで試合に臨んでいたが、この日は中盤以降にアウトボクシングを展開。前後左右のステップワークでランダエタのパンチを巧みに外し、カウンター気味に右のロングストレートやショートフックをヒットさせて相手をコントロールしてみせた。序盤こそ、実戦では慣れていないヒットアンドアウエー戦法に戸惑う様子を見せたものの、ダンスのようなステップや腕を大きく回転させるなど、辰吉丈一郎(大阪帝拳)をほうふつとさせるパフォーマンスを交えながら、前に出るのを辛抱して試合を展開。相手に付け入るすきを与えなかった。フルラウンドを戦い抜き、ポイントは115-113、116-111、119-108の3-0で圧勝だった。
入場曲を変えたのも、単なる気まぐれではないだろう。映画「ロッキー4」のサウンドトラックからチョイスしたのは「ノー・イージー・ウェイ・アウト」(容易な出口はない)だった。派手な言動でボクシング界を超えて話題をまき散らした亀田だけに、際どい判定での王座奪取には多くのバッシングも飛んだ。今回は「亀田とKOはセット」の言葉から離れる葛藤を抱えながらも、きっちりと世界戦で完勝という至難の業をやってのけた。リング上でのインタビューでは淡々と試合を振り返った亀田だが「プレッシャーはあった」と話し、トレーナーでもある父・史郎さんに話が及ぶと、目から涙が溢れ出し「この4カ月間、バッシングもされたけど、おやじが常に壁になってくれた」と声を震わせた。20歳になって初めての試合だったが、幅のあるボクシングを見せて一皮むけた感もある。若き王者が自らの強さをしっかりと証明した一戦だった。