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バイク・キャンプ・ツーリング

NERIMA爺、遅咲きバイクで人生救われる

1999年7月7日 北海道ツーリング 9日目

2025年03月23日 | 1999年 北海道ツーリング
7月7日(水)
バイク動かさず。旭岳~東川



 午前7時半には食事。秋田小町のメシがうまい。3杯もお代わりをする。
 食後、しばらくして山荘の露天風呂にはいろうと、建物をでて、冬用の薪が積み上げてある外回りの回廊をいくと、でかいシマヘビが真っ直ぐに身体を伸ばし、気持ちよさそうに日向ぼっこをしている。1メートル以上はあり、いきなり、それが目に飛びこんできたので思わず後ずさる。なっぱさんに言わせると、このくらいのサイズは小さいほうだそうだ。

 渓谷にせり出すようにつくってある露天風呂は独り占め。小鳥が近くで鳴き、せせらぎの音が心地よい。至福の時間だ。
 それにしても、小鳥がよく鳴くなあと思っていると、すぐ近くの岩場でエサをくわえたまま、近くの梢に飛んでいっては、また岩場に戻ってくる。ときおり尾をぐいんぐいんと直角に上に向ける。メガネを部屋に置いたままなのでよく見えないが、どうやらビンズイ(?)のようだ。エサの昆虫らしいものをずっとくわえたままなので、おかしいなと思い、風呂場の奥に引っこんでみると、屋根のごつい梁まで飛んでくる。けれども警戒してか、それ以上は中にはいってこない。梁をいったりきたりするだけだ。
 そのうちにもう1匹やってきて同じようにあっちにいき、こっちにいきする。この奥に巣があるようだ。「早く、あっちいってちょうだい」と態度で示している。自分がここにいる限り、たぶんビンズイのヒナはひもじいままだ。なごり惜しいが露天風呂を出る。

 K代ちゃんが午前10時にくると言っていたので、なっぱさんとカミさんと3人、山荘前でしばらくしゃべる。なっぱさんはK代ちゃんがきてから山菜採りにいくという。道をはさんだ山荘前にある別の山荘は廃業状態。訊いてみると今年の冬、宴会場になっていた別連の建物は一晩で雪に押しつぶされたらしい。もっと下にある山荘では、夜中に客が便所にいったら床板が腐っていて、便所が丸ごと下に落ちていた話などを面白おかしく聞く。旭岳のロープウェイは今年の夏だけ施設一新のため休止、そのせいで観光客が少ないので、旭岳に登るなら今年が狙い目だという。自分もカミさんも山はやらないので、ただ、頷くばかり。

 午前10時半、ようやくK代ちゃん到着。
 10分ほどしてK代ちゃんの車で下山するが、5分ほどでフキを採るために脇道にそれる。沢沿いの土手上にある2メートル弱くらいのフキを6~7本採取。なっぱさんが言っていたような2番茎3番茎が大きく伸びているようなフキはなかなかなく、根元からばさばさ切る。たぶん、沢沿いにもっと上にいかないと生えてないのかもしれない。茎が赤いのは虫が食っていたりしてダメで、青いのを採らないとダメだそうだ。

 昼飯は旭川ラーメン。市内にある「天金ラーメン」にいく。味はまあまあだが、ダシのブタガラは自分には少しきつい。食べているうちに、その臭いがだんだん気になってくる。結構、うまいと評判の店だったが、自分にはちょっと合わないかな。

 3条通りと4条通りの間にある市場にいき、ちょっと買い物。K代ちゃんがまたギンムツをご馳走してくれるという。あとサクランボもゲット。角の果物店にあったサクランボがうまそうだったので、店の女性店員に産地はどこですかと訊くと、
「言ったって知らないよ」
 と鼻で笑い、ほかの女店員に相づちを求めている。
 ?という感じになる。
「知ってるかねえ」
 結局、やっとという感じで場所を教えてくれる。
 イヤな言い方だなあ。あきらかに自分たちを観光客と知っていて、そういう言いかたをしている。たしかにその地名は知らないが、こちらが知らないだろうと判断したら(北海道の人じゃなかったら知らないかもしれないけど)、旭川から東にいったなになにというところだよとか、教えてくれるのが商売というものじゃないのか。ここで品物買うの、どうでもいいやという気持になる。このおばちゃんは商売やらないほうがいい。市場が好きであちこちの市場についつい顔をだすが、こんなことを言われたのははじめてだ。50歳代とおぼしきおばちゃんで、よくよく見ると、目つきまで意地悪そうに見えてくる。ああ、もうこんな店先にはいたくねえと、不愉快状態のまま、道向かいにある別の店で買うことにする。まあ、この店員さんだけが特別なんだろう。

 それを証明するかのように、市場の中ほどにあった別の果物店で、ちょっと面白いじいちゃんに会う。
 K代ちゃん宅で食べさせてもらったメロン(IKメロン)がうまかったので、そのメロンなどを見ていると、たしかに安い。もちろん高いのは、ちゃんと別にそちらの種類があるのだが。IKメロンは1個が500円くらいのものだ。それも、ずっしり重い。中身が詰まっている。
「これ、職場にお土産にもって帰ったら?」
 と、K代ちゃん。カミさんに本気で言っている。
「だめだめ。こんな重いのを持って帰るなんて……」
 と、カミさんは鼻から相手にしてない。全然買う気はない。
「1個持って帰ってもあれだから、2個だねえ」
 などと言って、K代ちゃんは店のおばあちゃんに、もし宅急便で送るとしたらどのくらい料金がかかるか訊いたりしている。さっきの店員とはうってかわって、人のよさそうなおばあちゃん。丸顔で、昔は可愛かったんだろうなと想像できる。
「宅配にすると、今、熟れているのは送れないからだめよ」
 などとカミさんが言ったりするものだから、
「じゃあ、持って帰ればいいよ。軽いもんだよ」
 とK代ちゃん。
「だめだめ。重いよ。重い」
 と身長157、体重45キロのカミさんは笑って応酬。まったく本気にしない。
「重くねえ、重くねえ」
 ――突然。自分たち3人が並んでいるすぐうしろから声。

 振り向くと、おじいちゃんが立っている。い、いったい、いつの間に……。
 どうやら、この店の主人のようだ。どこからきたね、などと訊かれ、東京からだと言うと、自分たちも昔は板橋にいたんだという話になり、そのうちに回顧談がはじまる。どうやら、わしらが今住んでいる練馬に近いところに住んでいたようだ。
 んな、こんなで、結局、カミさんはIKメロン2個を購入することに決定。背負って帰ることになる。カミさんはせめてもの抵抗に、メロンを包んだ新聞紙の間に、高級メロンの写真と値段が載っているチラシを挟んでくれるようにおばあちゃんに頼んでいる。北海道のメロンは、東京などで買えば、1個何千円もするのだ。

 午後3時には東川のK代ちゃん宅に戻り、自分はすぐにホームセンターで買ってきたホンダGPオイルの交換作業。ただいまの走行距離、40200キロ。
 飛行機の出発時間まで時間があるので、3人でビールをちびちびやる。採ったばかりのフキが美味い――あく抜きの必要はないそうだ。ギンムツも焼いてもらう。午後7時半の便で東京に帰るカミさんは、Kさんの登山バッグを借りる。
 それほど重くはないのだが、オバはバッグを実に重そうに背負う。今にも背骨が折れそうだ。前屈みになるとそのままばったり倒れ、(普通に背負っているのだが)2度と起きあがれそうにないほどに見える。K代ちゃんがどれどれと背負ってみて、ぎゃははと笑う。
「こんなの軽いうちだよ」
 と、昔、北関東のある山岳会に1年ほどいたことのあるK加ちゃんは言う。
「それにこれ、重いのは上にいれなきゃ、だめだよ」
 と、メロンの位置などを入れ直してくれる。
 んな、こんなでカミさんは、いかにも大雪の登山帰りというきびしい雰囲気を周囲にぷんぷん漂わせながら、無事、午後7時半の飛行機で帰路につく。夜は子供たちと花火。Kさんは午後9時くらいに帰ってくる。K代ちゃんと12時くらいまで飲んでお開き。



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