声欄とえくれあと眼鏡とへそのごまと…

大人と社会について、自らの考え思いで腐していきます。社会への抵抗ではなく挑戦。

6月1日のこと その2

2009-06-29 22:44:09 | 読んで欲しい度☆☆☆
初めての救急車。
医師と横並びに座り、救急隊員がこちらを向いて座る。
天井まで積まれた医療器具の多さに驚いた。
しかし何より驚いたのは救急隊員と医師のシステマチックな会話だ。
こちらの動揺をよそに話は淡々と進む。
書類を渡され、おばあちゃんに生年月日を聞いて住所と書いた。
フロントガラスから前方を見ると、前の車が左右に分かれて道が出来る。
まだまだ日本も捨てたものでは無いなと変な安心感を得た。

そうしているうちに10分ほどで病院に着いた。
緊急入り口から一番近いドアの無い処置室に運ばれた。
そこには二人の看護師と一人の若い医師が待っていた。
同乗してきた医師が説明をする。
救急隊員はてきぱきと片付けをして処置室を出て行ってしまった。
私はどこにいたら良いのか分からなかったので、2歩ほど下がって廊下らしきところに立っていた。
すると事務の服を着た中年の女性がどこからかやって来て、書類を差し出した。
おばあちゃんの住所と生年月日を書くとその女性はまたどこかへ行ってしまった。

説明をし終えた医師は大きめの声で帰りますと伝えて帰った。
私は仕方がないので前室のコンクリートの壁にくっ付いたベンチに座る事にした。

おばあちゃんを乗せたベッドが処置室の中を右へ左へ右へ動いた。
何が行われているか分からないから、もう任せるしかないという気持ちだ。

すると今度は事務の服を着た若い女性がやって来て、さっきと同じ書類を持って来た。
既に書いた事を伝えると帰っていった。
たらい回しとか医療ミスが起こる原因がちょっとだけ分かる様な気がした。
誰にとっても手続きが煩雑なのだ。

しばらくして、病院服に着替えたおばあちゃんが看護師に押されたベッドに座って出てきた。
移動するらしい。
エレベーターを待っている時、おばあちゃんは『死ぬかもしらんな』と言った。
看護師は微笑んで『大丈夫ですよ』と言った。
私も笑って手を触りながら『大丈夫や』と言った。
顔色も何も普段と変わらなかったので心の底からそう思った。

エレベーターから降りると、看護師から『処置をしますので、ここで待っておいて下さい』と言われた。
見ると、ついたてにはICU待合室と書いてあった。
おばあちゃんは集中治療室に入っていった。

6月1日のこと その1

2009-06-26 22:00:18 | 読んで欲しい度☆☆☆
今から思えば変な日だった。
前の夜、田口ランディの『神様はいますか?』を読んでいた。
その中に『兄が死に、子供が生まれて、父が死んだ。なぜ私は生かされているのか。』という様な文が出てきて、命ってなんだろうと漠然と考えながら眠りについた。

携帯電話が鳴っている。
眠い目をこすり、時計を見るともう昼過ぎだ。
デイケアセンターからだった。

おばあちゃんがデイケアから帰ってくる時、家族の者が玄関でお迎えをしなければいけない。
今日は家の者が出払っているから、近くまで来たら私に電話がかかる様に伝えてあったのだ。
しかし帰ってくるのは夕方のはずだ。

電話口から聞こえてくる声は早口で、寝起きの私にはちょっと分からなかった。
しばらくするともう一度電話が鳴った。
相手は相変わらず早口だが、とにかく聞き取れた事は『救急車で搬送するのですぐに来て下さい』だった。

こういう時は意外と落ち着いている自分に気付いた。
というより事態が飲み込めないので言われるがまま行動するしかなかった。

服を着て、自転車に乗って10分ほどでデイケアに着いた。
95歳になるおばあちゃんはベッドに横になっている。
デイケアが呼んだ医師によると、目眩がしたと言うから脈を測ったところ非常に弱っていたので大事をとって病院に運ぶとのこと。

おばあちゃんの意識はしっかりしているが、思いの外“おおごと”になっていることに驚いている様だ。
程なく救急隊員がやって来て、医師が説明をしている。

デイケアの職員の方に挨拶をして、医師と救急車に向かった。
初めての体験だ。
しかし心配する事は何も無い。
一応、病院で見てもらうんだろうという軽い気持ちだった。

給料日

2009-06-25 11:50:57 | 読んで欲しい度☆☆☆
『給料日前だから節約しなければ』とか『給料が出たから焼肉に行こう』と言うのはもう慣用句になりつつある。

しかしこれは大人としてどうなのかと問いたい。
給料はあらかじめいくらか分かっているはずである。
それで一ヶ月を過ごせば良いのだから、やりくりすれば給料日前に焼肉に行くのは可能だ。
それが大人であることではないか。

これと似たような事が社会で起こっている。
新卒採用だ。
『今年は不況だから少なくしよう』
『今年は好況だから多くしよう』
社会の仕組みとして間違っている様な気がしてならない。
長い目で見れば不況の時も好況の時もあるはずだ。
それを踏まえて人数を決めれば良いのでは?
もちろん微調整は必要だと思うが。

更新します

2009-06-24 17:17:07 | 読んで欲しい度☆☆☆
長い間、更新しなかったので書く感覚っていうのが分からなくなってしまいました。
それは技術的な事だけではなくて、主に時間の使い方ですね。

書きやすいので、本の感想を最初にしました。
更新していない間も見に来て頂いた方、これから見て頂く方、ありがとうございます。

これからまた、ぼちぼちと書いていきます。

『今を生きる君たちへ』J-WAVE/小山薫堂・編

2009-06-24 17:16:33 | 読んで欲しい度☆☆☆
図書館で“小山薫堂”で検索して引っ掛かった本。
ラジオでの対談集です。
あとがきに色んな人の『人生の昔話』『人目を意識することのないラジオだからこそ』と記されていますが、やっぱりラジオって面白いと思います。
ラジオで聞くと、対談の場所にたまたま居合わせて、盗み聞きしている様なそして、最後には『あー良い話聞けた。得した気分。』という感覚にさせてくれると思います。

内容は、ホントに十人十色で一まとめには出来ませんが、一番笑ったのは“青島幸男”です。
やっぱり面白い。
文字だけで笑わせるのってなかなか出来る事ではないのに。

なぜか感心したのが“石田純一”でしたね。
うん。感心しました。“石坂浩二”よりも。

感覚的に自分に近い人だと思ったのは“徳岡邦夫”ですね。
京都吉兆の総料理長です。
『人として世界的に通用するようになりたい』って言うんですけど、『通用するっていうのは、要するに友達ですよ。』って。


しかし共通しているのは、どの人も自分を客観視出来ている。
人生において、その時点その時点での自分の能力を把握している。
これは感覚的な人もいるし、理論的な人もいる。
『自分には何が出来るか』って言う感覚は大事だと思いました。

更新しない理由

2009-06-12 07:40:37 | 読んで欲しい度☆☆☆
6月に入ってから、何も書いていません。
実は今、私にとって喜べない様な状況にあります。

それについて書くことでせっかく上手くいきそうなのに、神様がヘソを曲げてしまわないか心配なのです。
また全く別の事を書くことも出来ますが、こんな時に何を書いているのだとこれまた神様がヘソを曲げてしまっては困ります。

という理由から、現在更新していません。

来週には神様のご機嫌を伺わないでいい位に落ち着くかなと思っています。
落ち着いたら、また書きたいと思っています。