初めての救急車。
医師と横並びに座り、救急隊員がこちらを向いて座る。
天井まで積まれた医療器具の多さに驚いた。
しかし何より驚いたのは救急隊員と医師のシステマチックな会話だ。
こちらの動揺をよそに話は淡々と進む。
書類を渡され、おばあちゃんに生年月日を聞いて住所と書いた。
フロントガラスから前方を見ると、前の車が左右に分かれて道が出来る。
まだまだ日本も捨てたものでは無いなと変な安心感を得た。
そうしているうちに10分ほどで病院に着いた。
緊急入り口から一番近いドアの無い処置室に運ばれた。
そこには二人の看護師と一人の若い医師が待っていた。
同乗してきた医師が説明をする。
救急隊員はてきぱきと片付けをして処置室を出て行ってしまった。
私はどこにいたら良いのか分からなかったので、2歩ほど下がって廊下らしきところに立っていた。
すると事務の服を着た中年の女性がどこからかやって来て、書類を差し出した。
おばあちゃんの住所と生年月日を書くとその女性はまたどこかへ行ってしまった。
説明をし終えた医師は大きめの声で帰りますと伝えて帰った。
私は仕方がないので前室のコンクリートの壁にくっ付いたベンチに座る事にした。
おばあちゃんを乗せたベッドが処置室の中を右へ左へ右へ動いた。
何が行われているか分からないから、もう任せるしかないという気持ちだ。
すると今度は事務の服を着た若い女性がやって来て、さっきと同じ書類を持って来た。
既に書いた事を伝えると帰っていった。
たらい回しとか医療ミスが起こる原因がちょっとだけ分かる様な気がした。
誰にとっても手続きが煩雑なのだ。
しばらくして、病院服に着替えたおばあちゃんが看護師に押されたベッドに座って出てきた。
移動するらしい。
エレベーターを待っている時、おばあちゃんは『死ぬかもしらんな』と言った。
看護師は微笑んで『大丈夫ですよ』と言った。
私も笑って手を触りながら『大丈夫や』と言った。
顔色も何も普段と変わらなかったので心の底からそう思った。
エレベーターから降りると、看護師から『処置をしますので、ここで待っておいて下さい』と言われた。
見ると、ついたてにはICU待合室と書いてあった。
おばあちゃんは集中治療室に入っていった。
医師と横並びに座り、救急隊員がこちらを向いて座る。
天井まで積まれた医療器具の多さに驚いた。
しかし何より驚いたのは救急隊員と医師のシステマチックな会話だ。
こちらの動揺をよそに話は淡々と進む。
書類を渡され、おばあちゃんに生年月日を聞いて住所と書いた。
フロントガラスから前方を見ると、前の車が左右に分かれて道が出来る。
まだまだ日本も捨てたものでは無いなと変な安心感を得た。
そうしているうちに10分ほどで病院に着いた。
緊急入り口から一番近いドアの無い処置室に運ばれた。
そこには二人の看護師と一人の若い医師が待っていた。
同乗してきた医師が説明をする。
救急隊員はてきぱきと片付けをして処置室を出て行ってしまった。
私はどこにいたら良いのか分からなかったので、2歩ほど下がって廊下らしきところに立っていた。
すると事務の服を着た中年の女性がどこからかやって来て、書類を差し出した。
おばあちゃんの住所と生年月日を書くとその女性はまたどこかへ行ってしまった。
説明をし終えた医師は大きめの声で帰りますと伝えて帰った。
私は仕方がないので前室のコンクリートの壁にくっ付いたベンチに座る事にした。
おばあちゃんを乗せたベッドが処置室の中を右へ左へ右へ動いた。
何が行われているか分からないから、もう任せるしかないという気持ちだ。
すると今度は事務の服を着た若い女性がやって来て、さっきと同じ書類を持って来た。
既に書いた事を伝えると帰っていった。
たらい回しとか医療ミスが起こる原因がちょっとだけ分かる様な気がした。
誰にとっても手続きが煩雑なのだ。
しばらくして、病院服に着替えたおばあちゃんが看護師に押されたベッドに座って出てきた。
移動するらしい。
エレベーターを待っている時、おばあちゃんは『死ぬかもしらんな』と言った。
看護師は微笑んで『大丈夫ですよ』と言った。
私も笑って手を触りながら『大丈夫や』と言った。
顔色も何も普段と変わらなかったので心の底からそう思った。
エレベーターから降りると、看護師から『処置をしますので、ここで待っておいて下さい』と言われた。
見ると、ついたてにはICU待合室と書いてあった。
おばあちゃんは集中治療室に入っていった。