旅の途中で

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最近読んだ本

2012年10月18日 23時16分09秒 | 
 舟を編む 三浦しをん 著

少し前に話題になっていたこの本、遅ればせながら読みました。

物語は、出版社の辞書編集部で働く様々な人達の熱意の下に、一冊の辞書が出来上がるまでを描いた内容。

はっきり言って題材は地味です。
内容も、特に波乱万丈で派手な事件が起こる訳でもありません。

それでも、この本が売れたのは当然というか、すごく納得できました。

「宝物にしたい本」という言葉がぴったりなくらい、暖かい本だなぁと思います。
きっと、「大切にしたい」と感じる人が多かったから売れたんだと思います。

主人公の馬締(まじめ)を初め、個性的な編集部の面々や辞書作りに協力している学者先生、製紙工場の人達など、辞書作りに命を懸けている人達が、たまらなく魅力的です。

馬締が恋をする料理人の女性も、料理に対してものすごく情熱をかけています。

この本に出てくる人達は、みんな何かにひたむきに取り組んでいるんです。

「言葉」のひとつひとつに感動する登場人物達に、こちらも感情移入してしまって、一緒になって感動したり面白がったりしてしまいます。

この本を読んでいる間、一人でにやにやしたり涙ぐんだりしていました・・・
電車の中で

「辞書作り」を題材にしている本だけに、とても言葉使いが奇麗なのも良かったです。
流れるようにすらすらと読めてしまいます。

辞書ができるまでの裏側が見れたのも面白かったです。

まさか・・・まさか、一冊の辞書を作るためにあれだけの年月がかかるなんて・・・

思ってもみなかったです

まさに一生をかけた仕事なんですね・・・

長らく辞書と言う物を手に取っていませんでしたが、辞書を見る目は確実に変わりました。

子供の頃に知っていれば、それこそ学校で使う辞書の扱いも変わっていたかも・・・(汗)

とにかくすごい本です!
地味だけど、ものすごい本でした。