まんだの読書日記

小説の感想メイン。た~まにビーズやペパクラも。
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「ダージリンは死を招く」ローラ・チャイルズ

2006-06-11 01:16:42 | 洋書、翻訳
◆『お茶と探偵① ダージリンは死を招く』 ランダムハウス講談社文庫
  ローラ・チャイルズ / 東野さやか 訳

▽あらすじ

セオドシアは、チャールストンに店を構える小さなティーショップのオーナー。
ある日、彼女のお店が給仕をする出張ティーサロンで、毒殺と見られる男性の死体が発見される。
従業員たちの容疑を晴らすという名分と、旺盛な好奇心に従い、セオドシアは犯人探しに乗り出します。

▽コメント

可愛らしい表紙に惹かれて購入しました。
フォントも工夫されていてとても可愛い雰囲気です。

お茶とお菓子で飾られたストーリーは、以前紹介した『チョコチップ・クッキーは見ていた』と似ていますね。
事件現場に居合わせてあれこれ首を突っ込むうちに、犯人にけつまずいて危険な目に遭い周囲に怒られ…というパターンもほぼ同じ。
ちらちらと恋人候補のカゲが見え隠れしたり…というのもこの手のコージー・ミステリの定番ですね。
ミステリとしては物足りないかもしれませんが、ティーショップならではのアイテムで犯人を特定するラストは面白かったです。

そうそう、ティーショップというのでてっきりイギリスのお洒落な紅茶屋さんかと思ったら、舞台はアメリカ。
扱うお茶も、インドや中国、日本のお茶まで様々な種類のお茶が出てきてびっくり!
お茶の豆知識やお茶を使ったアイデアレシピがおまけで付いていて、楽しいですよ。

主人公セオドシアも、元キャリアウーマンだったり自分の魅力をちゃぁんと知っていたりと『チョコチップ・クッキー…』のハンナよりもアメリカ的というかなんというか、カッコ良い女性度が3割増しな感じです。
頼りになる茶葉鑑定人ドレイトンや溌剌としたパティシエのヘンリー、ちょっとクセのあるティドウェル刑事など、彼女をとりまく人々もとても魅力的です。

そして何よりの魅力はやはり、おいしそうなお茶とお菓子!
オーブンから出てくるスコーンやマフィン、素敵なお店の雰囲気。
お茶をブレンドするシーンでは、スパイシーな香りがページの間から漂ってくるようで、思わず顔がほころんでしまいます。

第2巻のタイトルは『グリーン・ティーは裏切らない』
もしかしたら日本のお茶の話題も出てくるかも!?と楽しみですね。