ばあばの玉手箱

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記録にとっておこう『御在位30年天皇のお言葉全文』

2019年02月25日 | 忘備録


平成も後わずか。
天皇陛下の「御在位30年のお言葉全文」が載っていたので、
記念のため、記録として、取っておこう。
お疲れさまでした。
ありがとうございました。



天皇として即位して以来今日まで、日々国の安寧と人々の幸せを祈り、
象徴としていかにあるべきかを考えつつ過ごしてきました。
しかし憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く、
これから先、私を継いでいく人たちが、次の時代、更に次の時代と象徴のあるべき姿を求め、
先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを願っています。

 天皇としてのこれまでの務めを、人々の助けを得て行うことができたことは幸せなことでした。
これまでの私の全ての仕事は、国の組織の同意と支持のもと、初めて行い得たものであり、
私がこれまで果たすべき務めを果たしてこられたのは、
その統合の象徴であることに、誇りと喜びを持つことのできるこの国の人々の存在と、
過去から今に至る長い年月に、日本人がつくり上げてきた、この国の持つ民度のお陰でした。

災害の相次いだこの三十年を通し、不幸にも被災の地で多くの悲しみに遭遇しながらも、
健気(けなげ)に耐え抜いてきた人々、そして被災地の哀(かな)しみを我が事とし、
様々な形で寄り添い続けてきた全国の人々の姿は、私の在位中の忘れ難い記憶の一つです

 今日この機会に、日本が苦しみと悲しみのさ中にあった時、
少なからぬ関心を寄せられた諸外国の方々にも、
お礼の気持ちを述べたく思います。
数知れぬ多くの国や国際機関、また地域が、心のこもった援助を与えてくださいました。
心より深く感謝いたします。
 
平成が始まって間もなく、皇后は感慨のこもった一首の歌を記しています。

 ともどもに平(たひ)らけき代(よ)を築かむと諸人(もろひと)のことば国うちに充(み)つ

 平成は昭和天皇の崩御と共に、深い悲しみに沈む諒闇(りょうあん)の中に歩みを始めました。
そのような時でしたから、この歌にある「言葉」は、
決して声高に語られたものではありませんでした。

 しかしこの頃、全国各地より寄せられた「私たちも皇室と共に平和な日本をつくっていく」
という静かな中にも決意に満ちた言葉を、
私どもは今も大切に心にとどめています。

 在位三十年に当たり、今日このような式典を催してくださった皆様に厚く感謝の意を表し、
ここに改めて、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。





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