このところ、一気に興味をひかれているきのこ。毎日きのこの本を読んでから寝ます。
これは去年、チェコのドブジーシュという町にあるカレル・チャペックの庭に生えていたキノコ。草むらの中に、ひょっこり首を出していました。
ところで、きのう古い小学唱歌の中に、すてきなきのこの歌を見つけました。
秋の日の空すみわたり
風暖にさてもよき日や。
山遊びするによき日や。
友よ、友よ、手かごを持ちて、いざ裏山にきのこたずねん
山深く行きてたずねん
たどり行く細路づたひ、はや、かうばしくきのこ匂へり。
山風にきのこかをれり。
「うれし、この松の根もとに、まづ見つけつ。」と高く呼ぶ聲、
やまびこにひびく呼聲。いでや、あの岩の小かげに、皆うちよりてえもの數へん、
茸狩のいさをくらべん。
(国定教科書4年生の唱歌 『たけがり』より)
「友よ、友よ」と呼びかけているところなんか、ちょっと声が上ずりぎみに高くなりそうだし、裏山にきのこたずねん、ってきっぱり誘われたら、心が湧き立ちます。
きのこを狩る、というんじゃなくて、きのこを訪ねよう、っていう奥ゆかしい距離感もいいし、「いざ」っていう勇ましい言葉のあとが、きのこだったりするところもかわいい。
私の今の気持ちにこれほど合っている歌は他にないような気がします。「きのこ」という部分に、「カメムシ」なんて入れてもいいかな。
残念なことに、この歌は昭和初期のものなので、私は歌ったことがありません。どなたか歌える方(おじいちゃん世代かな)がいらしたらぜひ教えてくださーい。