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マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

「豆の上で眠る」 湊かなえ

2014年08月21日 | 


読んでいて懐かしい気持ちになりました。

私も小さい時アンデルセンの「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」を読んで、本当のお姫様ってデリケートなんだなぁ~と思い、自分でも小さな大豆の上に布団を何枚も重ねて寝たことがあったからです。

もしや私も盗賊に拐われた姫君では・・・などど空想していた事とか。

マユコちゃんとユイコちゃんに昔の自分の姿を見て懐かしんでいたのも束の間、二人に襲いかかる悲劇・・・

ユイコの大好きな姉マユコちゃんがある日行方不明になってしまう。

そして数年後、突然帰ってきたマユコに違和感を抱き受け入れられないユイコ。

ユイコに内緒で両親と姉が抱えてきた秘密とは・・・?

息もつかせず一気に読み終えました。

ユイコちゃんに早く打ち明けていれば、彼女はこんなにも悩まなくて済んだのに!

暗い青春時代を送ることになったユイコちゃんが哀れです。

本物ってなんだろう・・・?

「盲目的な恋と友情」 辻村深月

2014年08月17日 | 


辻村深月さんの「盲目的な恋と友情」、面白かった。

恋と友情の二篇からなり「恋」は絶世の美少女蘭花の視点から、「友情」は彼女の親友?留利絵の視点からある事件の詳細が語られます。

目の前で繰り広げられるメロドラマを見ているような気にさせる展開で、さすが「ツナグ」の辻村さん、うまいなあ・・・

あっという間に読み終わりました。

元タカラジェンヌを母に持つ美少女蘭花。今まで男性と付き合ったことがない。

いろんな男性と付き合ったほうが良いという母の忠告に従って、大学に入って初めて自分に告白してきた男子と取り敢えず付き合っている蘭花にオケの友人美波が聞く。

「なんであんな男なの?」

「だってあの人だけだよ。私に告白してくれたの。」

「蘭花に告白する時点でダメダメじゃん。」

「なんで?」

「普通は臆するよ。(高嶺の花過ぎて)そうじゃない時点で根拠の無い自信に裏打ちされてるってことでしょ。」

なんてリアルな会話でしょう。

同じような話聞いたことあるなあ。

かとうかず子さんがそのまんま東さんとの結婚を決めた時に言ってた言葉。

「かとうさんほどの美人ならさぞモテたでしょうに何でお笑い芸人さんと?」との問いに「東さんだけなんです。私に告白してくれたのは。」

ホンマかいな~?とその時は思ったけど、案外美人過ぎたり完璧すぎるとモテないのかもね。

程々の可愛さと親しみやすさを持った美波のような子がモテるようです。

蘭花は当然のごとくオケの指導に来たセミプロの指揮者オケメンバー憧れの茂実星近と恋に落ち・・・

蘭花は見かけだけじゃなくてとても純粋な心を持っている女の子。

ちょっと情緒に欠ける(人の気持ちに鈍感なぼんやりさんな)ところもあるけど誰にでも優しくバイオリンも上手い。

同じ第一バイオリンでバレエや演劇、ミュージカルなどの趣味が合う留利絵と親しくなります。

茂実との恋に夢中な蘭花を留利絵は恋にも似た盲目的な友情で支えます。

どうして彼女がそうなったか?

それは彼女のコンプレックスによるもの。

父親は有名な画家らしいのですが愛の無い家庭環境で育ち、ニキビだらけの顔のせいで暗い少女時代を過ごした彼女にとって蘭花は天使のように見えたことでしょう。

そんな彼女に声をかけられ親しく接してもらえることで留利絵は自分のプライドを満足させてゆくのです。

一見チャラいようでチャッカリと出版社に就職し、芝居なんか見たこともないくせに演劇の取材が元で有名な演出家と結婚することになる美波に対するモーレツな嫉妬心。

留利絵の心の中に渦巻くドロドロしたマグマのような物、女性ならそういうことあるある!と共感できると思います。

クライマックスの結婚式が切ないです。





白蓮れんれん

2014年06月20日 | 
三浦しをん「神去なあなあ日常」と林真理子「白蓮れんれん」を読みました。

どちらも面白かった。

特に「神去~」は読みやすくて面白いので半日で読めちゃった。確かあの映画の原作ですよね。
「ウォーターボーイズ」の監督さん・・・ど忘れしたあ、そうそう矢口史靖監督の「WOOD JOB」。
映画も面白かったのかな~

ヘタレな勇気くんの成長ぶりが可愛い。染谷悠太さん、ピッタリだ!
ヨキは伊藤英明さんとか、こちらもまさにイメージ通り。

「白蓮~」の主人公柳原白蓮は「花子とアン」の蓮子さんのことだけど、「花子~」ではかなりデフォルメされてるんだなあと思いましたね。実際はかなりドロドロ。

朝ドラだけど、脚本が中園ミホさんだけにこれからの展開が気になります。

白蓮さんは、大正三美人の一人と謳われた美女だそうです。写真で見た限りでは、竹久夢二の絵のような儚げな楚々とした美人。林さんの本から受けた印象では、クールで芯が強そうな木村多江さんとか木村文乃さんのイメージ。でも心の中には真っ赤に燃えたぎる情熱を秘めているのです。


村上海賊の娘

2014年06月01日 | 
上下巻とも読み終わった。あ~面白かった

時代小説は苦手だから読まない、と言ってた人がいたけど戦国時代が舞台の活劇物なのでそれほど敬遠すること無いのになぁ・・・と思います。

景の勇ましさも凄いんですが、海賊のオジサンたちの何とも言えないユーモラスな感じが好きでした。

特に眞鍋家の泉州の人達、面白すぎ。

でもこれを映像化するのは、酷たらしい殺戮シーンが多すぎるから難しいだろうね。

「村上海賊の娘」

2014年05月30日 | 
和田竜さんの「村上海賊の娘」を読んでいます。あっという間に上巻読破。

流石、本屋大賞を取るだけあって凄く面白~い

登場人物が皆んな生き生きとしてて、主人公が海賊なだけに物言いもかしこまってなくて、現代の我々にもとても理解しやすところもいい。歌舞伎で言えばコクーン歌舞伎みたいに。

括弧書きの心理描写とか、姫と留吉や海賊、侍たちとのやり取りも面白く、まるで新感線の舞台を観てるよう。

脳内で、この人は古田新太さんで、この人はじゅんさんねとか変換しながら読んでました。

さて、景姫は誰が適役? 鼻が高く目がぱっちりして浅黒く、南蛮人のようなエキゾチックな顔立ちで、手足が長くすらりとしてすばしこい身のこなし・・・年は20歳。

初めは、天海祐希さんだったら素敵と思って読んでたんだけど、読み進むうちに杏さんがぴったりなんじゃないかと。

さて、海賊業を辞めると宣言した姫が、このまま大人しく奥に引っ込んでいるとも思えないのですが・・・下巻はいかに。

直木賞受賞作

2014年05月24日 | 
姫野カオルコさんの「昭和の犬」と朝井まかてさんの「恋歌」を読んだ。

どちらもとても面白くあっという間に読んでしまった。

そして今「ブーリン家の姉妹」を読んでいるんだけど、アン・ブーリンって凄い策略家なのね。

今、やっと妹のメアリーがヘンリー8世の愛人になったところなんだけど、権力を握って王を意のままに操ろうと画策する陰謀うごめく宮殿の中は韓国ドラマの比ではないわ。

「レディべス」でメアリー女王がエリザベスに対して「売女の娘」という言葉を浴びせかけたくなる気持ちも理解できるというものですな。


イヤミスの女王

2014年04月23日 | 
湊かなえさんは「イヤミスの女王」と呼ばれているんですって。

イヤミスって何?と思ってたら、読んだ後にいや~な気分になるミステリーのことらしい。

確かに。

「豆の上で眠る」もそんな話なのかしら・・・

でもきっと読むと思う。

疾風ロンド

2014年04月13日 | 
東野圭吾さんの「疾風ロンド」を読んでます。

スキー場が舞台のサスペンスです。

そういえば、先日太田愛さんの「クリミナル 犯罪者」をお勧めした友人から「あれ、凄く面白かった!!寝るのが惜しくて徹夜しちゃった。お陰で睡眠不足」との嬉しいお言葉を戴きました。

勿論「幻夏」も面白いよっとお勧めしたのは言うまでもありません。


望郷と百年法

2014年03月21日 | 
今読んでる本  湊かなえさんの「望郷」と山田宗樹さんの「百年法」

「望郷」は湊さんらしい暗くちょっと不気味で切ないミステリーの短篇集 とても読みやすかった。

「百年法」は以前、岡田准一くんが「嵐にしやがれ」にゲスト兄貴として出た時に嵐メンバーそれぞれに相応しいプレゼントを用意してたんだけど、この「百年法」を誰かに(大野君だったかなぁ・・・)プレゼントしたのでとても記憶に残ってたのです。確か岡田君は凄い読書家なんですよね

まだ読み始めたばかりですが、トンデモナイ世の中になっている近未来(2048年)のニッポンが舞台。

ハリウッドのSF映画にありそうな設定。

でも似たようなことは科学や医療の進歩のお陰で現実に起こっているわけで・・・空恐ろしくなってきます。

分厚い上下本ですが、とても面白いです。

岡田君といえば先日ようやく「永遠の0」を観てきました。とても良かったです。





太田愛「犯罪者 クリミナル」

2014年03月16日 | 
結構分厚い上下本だったけど、面白くて面白くて一気に読んでしまった

昨夜2時迄起きてたので、睡眠不足。

先が気になって眠れそうにないので一気読み。

疾走感溢れる展開、どんでん返しに次ぐどんでん返しと息もつかせない。

あの相棒の脚本家の一人だけあって、単なる勧善懲悪でなくほろ苦い現実感もあるが、そこがまたいい。

起こってる事件は陰惨だが、読後感は爽やか。

「幻夏」に出てくる相馬、鑓水、修司も登場する。

宮部みゆき 泣き童子

2014年02月27日 | 
宮部みゆきさんの「三島屋変調百物語三之続 泣き童子」を読みました。

宮部みゆきさんの時代物、結構好きです。特にこの百物語は一つ一つが短いながらも良く練れているお話ばかりで読み応えがありました。

怪談ものですが、怖いだけでなく切ないのです。

この中にあった「まぐる笛」は現在朝日新聞に連載中の「荒神」の原型?みたいなお話で、領主の圧政に苦しみ死んでいった大勢の人の怨念が恐ろしい怪物となって村を襲うというものでしたが、宮部さんの小説にはこういった人魂や言霊のパワーのようなものを感じます。


「幻夏」 面白かった!!

2014年02月11日 | 
昨夜から読み始めて一気に読み終えてしまいました。

次はどうなるんだろうと気になって気になって。

それくらい面白かった

私が本屋さんだったら「本屋大賞」にイチオシですよ

夏のある日、一人の少年が忽然と姿を消した。家から遠く離れた川辺にランドセルとある暗号を残して。

そして23年後、興信所の鑓水の元へ失踪した息子尚を探して欲しいと母親が現れる。



少年時代のあの夏の日の弾けるように明るい屈託のない少年たちの描写と23年後の彼らの姿の対比が切なく哀しい・・・

冤罪によって少年たちの運命の歯車が狂わされていくことに、なんとも言えないやるせなさと憤りを感じます。

そして絶対的権力に抗おうともがけばもがくほど自己を失っていく恐ろしさ。

冤罪って本当に恐ろしい。

それでも彼の父親を殺人者に仕立てあげた当事者の警察や司法関係者は、ノウノウと生き続けていくという不条理さ。

これは単なる復讐譚にはとどまらない社会派のミステリーであると同時に、少年の友情の物語でもあります。

二人が回想する夏休みの数日間のなんと生き生きして楽しげなことか

それだけに、ラストシーンが胸にしみます

太田愛さんの他の作品も読んでみたくなりました。

「最も遠い銀河」のように映像化して欲しい作品です。


「幻夏」 太田愛

2014年02月10日 | 
今読んでるのは、太田愛さんの「幻夏」。

冒頭から引き込まれます。

夏の日の少年たちの生き生きした描写から一変、ある事件が・・・

まるでドラマを見ているような錯覚に陥りながら読んでます。

太田愛さんは、あの「相棒」の脚本家の一人でもあるのですね。

道理で面白いはず。