アンニョン! ~まちゃの宅急便~

大好きな人の国の言葉。

天使の微笑Ⅱ

2007-02-10 | 創作の箱
今日はかなり前に作った、ドンヒョク&ジニョンのお話です。

かなり前にホテリアー創作「天使の微笑Ⅰ」を載せましたが、その続きです。


前のお話はこちら↓です
天使の微笑Ⅰ




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天使の微笑Ⅱ



江南の高級住宅街の一角にそのサロンはあった
大きな扉を開けると受付のスタッフが出迎えてくれる


「いらっしゃいませ、シン・ドンヒョク様」

とても落ち着いた声で、ドンヒョクの後ろに隠れるように立っているジニョンにも変わらぬ笑顔で出迎えてくれる。


「奥様いらっしゃいませ、はじめまして、お会いできてとても嬉しいです。」


「はじめまして、妻のジニョンです。よろしくお願いします。」



さすがに高級な場所にあるサロンだけあって、立ち振る舞いがとっても上品で綺麗だ。

それに、初めての場所なのに、何だか懐かしいような、
とても不思議な感覚を感じていた。




「早速ですが、奥様の担当はいかがなさいますか?
ドンヒョク様と同じスタイリストにしますか?」

「あっ、いや、女性にしてもらうよ」
ジニョンが答えるより先にドンヒョクが答えた。


「では女性のスタイリストを担当にいたしますね、少々お待ち下さい。」
そう言うと受付担当者が席を外した。


「もう・・ドンヨクったら、何で男性のスタイリストじゃダメなのよ?
あなたと同じ人にカットしてもらいたかったわ」

「だめだ、ジニョンの髪に触れられる男は僕だけだ」

「カットするだけじゃない・・・」

「でもダメ、僕の見てるところでは例え誰だとしても
僕以外の男が君に触れることは許さない」

「・・・」


二人が小声でそんな会話をしている間に、スタイリストがやってきた。



「お待たせしました、ドンヒョクさん、奥様」



その人は長身の身体を屈め深くお辞儀をした。


「ソン・ジョンジェです、はじめまして奥様、よろしくお願いします。」
そう言うと優しく微笑み、ジニョンに手を差出した。

「あっ、ジニョンです、はじめまして・・・」

その優しい微笑に、慌てながら手を差出すジニョン

二人の手が触れるかどうかと言うところで、ドンヒョクが咳払いをした。

明らかに動揺している様子のジニョンを見て、ドンヒョクの表情が鋭くなる。


「お会いできて嬉しいです。
ドンヒョクさんを変えた女性にお会いしたかった」


「え?そんな変えただなんて・・・」

何だか気恥ずかしい感じがして俯くジニョン


 
  ・・・・ジニョンなんでそこまで赤くなるの?・・・



「ジニョンの担当は誰になったんだい?」

気を取り直しジョンジェに尋ねるドンヒョク。


「ジニョンさんの担当はイ・ヨンジェになります、
彼女は優秀なスタイリストですので、安心して下しいジニョンさん」



  ・・・・何度もジニョンの名前を呼ぶなよ・・・・



「もう少しで手が空きますから、もう少々お待ち下さいね、ジニョンさん」

「えっ、あ・はい・・・」



  ・・・・ジニョン?・・・・




明らかにいつもと違うジニョンに、ドンヒョクの心が動揺し始める。


「それでは、先にドンヒョクさん始めましょうか?」
「ああ・・そうだね」

ドンヒョクは早くジニョンの側からジョンジェを離したかった。

「ジニョン、少し待ってて」

そう言うとドンヒョクはジニョンの頬に口づけた。
その様子を微笑みながら見つめるジョンジェ、ジニョンは恥ずかしくなり俯いた。



ジョンジェに笑顔を向けられると、何だかとても不思議な感じがした。
それが何なのかはジニョンも分からない


しばらくすると、ジニョンの担当イ・ヨンジェがジニョンの前にやってきた。

「お待たせしました、イ・ヨンジェです。はじめまして」

ジニョンに優しく微笑むその女性は、すらっと背の高い目鼻立ちの整った魅力的な人だった。


「はじめまして、よろしくお願いします」


優しい微笑を向けられ、安心したジニョン。

 
「では、早速ちょっとジニョンさんのことをお話伺いますね」

そう言うとヨンジェはジニョンの希望の髪形から、普段の服装、好みなどいろいろな質問をとても感じ良く聞いてきた。


そしてまた話しているうちに、何だか不思議な感覚に・・・



鏡の前に座ったジニョンは、ヨンジェと楽しそうに話しながら、髪を切ってもらっていた。


「ジニョンさんの働くホテルって、あの有名なソウルホテルですよね?」

「ええ、有名ってほどでもないけど・・」


嬉しくて笑顔で答えるジニョン。


「よかったらヨンジェさんも一度いらして下さい、
最高のおもてなしをさせて頂きます」

それまでに見せた笑顔より更に輝くような笑顔を向けるジニョン。



一瞬ヨンジェの手が止まった・・・



・・・なんて素敵な笑顔を向けるのかしら・・・


その様子を鏡越しに見ていた男が二人・・・



ドンヒョクは隣の椅子に座りながら、その様子をじっと見つめていた。
そしてジニョンの輝く笑顔に、眩しそうに微笑んだ。



「ドンヒョクさん、あなたの天使に会うことが出来て嬉しいです。」
突然ジョンジェが話しかけてきた。


「あの笑顔を手に入れたんですね・・・羨ましいな・・・」



「ああ、手に入れた、でもジニョンの笑顔は誰にでも平等に向けられる・・・
ちょっと寂しいけどね・・・」

「え?平等に?」

「ああ、困ったことに平等になんだ・・・」

そう呟くと鏡越しに再びジニョンを見つめた。



ジニョンは、何だかとっても気分が良かった。
そしてさっきから感じている不思議な感覚が少しずつ解ってきた。


隣に座るドンヒョクを鏡越しに見つけ、微笑むジニョン。

ここは何だかとっても居心地がいいわ。
あなたが何度もここへ来る訳も良く分かった。

ここはホテルととても似ているもの・・・


最高のもてなし・・・最高の笑顔・・・


「はい、終わりました、どうですか?気に入ってもらえました?」
「ええ、とても」

「ジニョンさんは美人だからどんなスタイルでも似合うけど、
身体が細いから、あまりボリュームのあるスタイルより、
肩ぐらいの長さで、優しいウエーブが残るようにしました。」



「どう?見違えちゃったでしょ、ドンヒョク?」

鏡越しではなく、ドンヒョクのほうを振り向き、嬉しそうに笑顔を向ける。

「ああ、素敵だ・・・」

「オモ、それだけ?」

「綺麗だ・・・」

「もう、もっと褒めてよ、せっかく綺麗にしてもらったんだから」



・・・ジニョン、本当に素敵だと感じた時には言葉がでないものだよ・・・

それよりも、今ここで君を抱きしめたい・・・


ジニョンを眩しそうに見つめていると、ドンヒョクの後ろに立っていたジョンジェがやはり眩しそうにジニョンを見つめながら話し出した。

「ジニョンさん、本当に素敵ですよ、あなたのイメージにピッタリだと思うな」
ジョンジェがそう褒めるとジニョンは恥ずかしそうに俯いた。



  ・・・・ジニョン、僕だけを見て・・・・



 ・・・・僕以外の男の言葉に反応しないで・・・・




ジニョンは最後までとっても上機嫌だった。



そんな君を見てるととても幸せな気分のはず・・・

でも今日は何だか心に一つ棘がささったような、チクチクした痛みが
僕の心に残っていた・・・。







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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一番好き! (ユンジュン)
2007-02-11 01:56:03
久しぶりにドンヒョクの世界をコマウォ! 
私の一番は、やっぱり「ドンヒョク」なので 
 
「宮」の皇太子って、ドンヒョクにタイプが共通する所ない? 
だから、ドップリなのかも・・・。

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ヤキモチやいてる? (kyoppy)
2007-02-11 09:19:33
まちゃさんの創作、いつもお上手ですね~~
何か読んでいて引き込まれますヨン♪
しかも嫉妬してるドンヒョク・・・何か想像出来て
分かる気がします~~ほんとそんな感じになりそうですよねっ
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孤独なところが・・・。 (まちゃ)
2007-02-11 14:57:56
ユンジュンさん、アンニョン!

ドンヒョクとシン君が似てる所は、ちょっと強引な所と、冷たい男が、好きになった人にこれでもかと言うぐらい切ない瞳で見つめる所!
それに凄く孤独な人だったって言う所も!!
こういう男に弱いのよねぇ~
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イヤイヤお粗末です。。。 (まちゃ)
2007-02-11 15:08:13
kyoppyさん、アンニョン!

頭の中に素敵なドンヒョクとジニョンが動いてるんだけど、それを言葉にするのって、本当に難しいです。。。
もっと文才が欲しい・・・。
このお話は後もう一つⅢまであるので、また今度のせようと思ってます。
ドンヒョクはヤキモチ妬きです。
ドンヒョクは女性経験はあっても、真剣に愛した事がはじめてなので、ちょっと子供っぽい所もあるんじゃないのかなぁーって思って。。。
そんな不器用なドンヒョクがまた好きなんですぅ~
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ドンヒョクの味が出てます^^ (のぶた)
2007-02-12 13:38:43
まちゃさんって文才ありますね~^^
文章の雰囲気がとってもホテリアーっぽくて綺麗。
私もドンヒョクはジニョンに関してはやきもち焼きだと思います
誰にでも優しい所や、とっても明るい所、時々見せる突拍子もない無邪気さがたまらなく愛おしんだけど
独り占めできない切なさがよく出てますね~
もー、頭の中でドラマ一本とり終えた感じです!
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ありがとうです。。 (まちゃ)
2007-02-12 22:22:48
のぶたさん、アンニョン!

文才なんてありませんよぉー
だから恥ずかしいんですけど、載せてるし・・・。
そうそう、ドンヒョクはジニョンを独り占めしたいのに、大勢の人に笑顔を向ける職業ですからね、自分だけのものにはならないって所がまた切なくていいんですよねぇー
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