
私の iTunes におけるジャケ写事情をちょこっと紹介、パート2。
エプソンの複合機 PM-A900 を使い 600dpi でスキャンし、
600×600ピクセルのジャケ写を作っていました。
1年ほど前から何となく1,000×1,000ピクセル版も作ったりしていました。
今年からは例外なく1,000×1,000ピクセルで仕上げるようになり
最近は解像度を 800dpi、1,200dpi に上げスキャンしています。

HDCDのデジリマは音が良いです。音質に敬意を表しジャケ写も
俺流リマスター。オレリマ。
ジャケ写自炊派の方は分かっていただけると思いますが、
自分でやったと安心できる反面、ホコリやゴミがリアル過ぎてへこみますよね。
色合いもそうだと思います。現物(原稿)は、
そんなに赤みも無くもっと淡く透明感もあるのに何でと…
皮肉にもデジカメで撮ったものが実際の色合いにかなり近いです。

CDジャケットは、原稿台に乗せる前にクイックルワイパーのドライシートと
エアダスターで掃除しています。原稿台も定期的に掃除。

こだわりポイント
・600dpi 以上
・正方形 (1,000×1,000ピクセル)
・水平を意識したトリミング
・原稿に忠実な色合い

2.5mm空けは常識です。
上部と左側をベタ寄せすると確かに楽です。
でもCDジャケットの場合、致命的な切れがジャケ写を台無しにします。
近頃、原稿台の右側にうっすらとした陰が出始め
原稿を20mm中央に寄せ白色冷陰極蛍光ランプの
“おいしい” 光源を利用するようになりました。

最近は、800dpi がお気に入り。
設定はノーマル、全てフラットにしています。
アンシャープマスクフィルタは使いません。
モアレ除去フィルタは場合に応じてチェックを入れます。

3,825×3,825ピクセル 約1,460万画素
今どきのデジカメと同じ解像度なので安心感のあるファイルサイズです。

思い入れがあったり奇麗なジャケットは、
1,200dpi でスキャン。「大は小を兼ねる」そんな精神です。
5,737×5,737ピクセル 約3,290万画素 94.17MB 凄い数字です。
スキャン時間も相当で、100秒ほどかかります。

四方に余白のある理想的なスキャン原稿が出来上がりました。
バンドロゴを基準にすると、僅かに右に傾いているのが分かります。
等倍表示で見やすい1,050ピクセルほどにリサイズ。
「数値を入力して変形」から回転を使用。

左へ 0.1度 回転させると水平になりました。
グリッドを表示させ全体的なバランスを見ます。

移動可能な選択ツール、切り抜きツールを使い
ものさしと言うか水平を見るガイドに活用。
バンドロゴを囲んで

1,600%(16倍)に拡大表示させ細部を確認します。バッチリです。
※例は2倍表示です。

水平が決まれば、次はトリミング。通称「ヘタとり」
横を基準に上下をカットすることが多いです。

上で凄いと書いた 94.17MB も
実際スキャンしてみると 35.9MB です。
これが一時的なマザーになります。一定期間保存。

トリミングを経て
1,000×1,000ピクセルにリサイズ完了。
1.1MB のファイルサイズもイイ感じです。この時点でこれがマザーになります。

ピクセル等倍から32倍まで、拡大・縮小をバンバン使い
慎重にホコリ、ゴミ、キズ、偽色を取り除きます。
スポット修復ブラシツール、修復ブラシツール、ブラシツールで
丁寧な作業を続けます。地味な作業ですが手抜きは一切しません。
「よし完璧や」と終えた時の充足感は結構なものです。
この時点でこれがマザーになります。

次に、楽しい画質調整。
「色相・彩度」「カラーカーブ」で色合いを調整。
クリック一発の自動メニューで様子を見ることもあります。
自動カラー補正で見事に決まる場合もありあなどれません。
長年使っていると機器やドライバソフトの癖も把握できますので
色の傾向は分かります。総じて赤みが強いです。
10分もあれば画面上で実際の色に近い色まで追い込むことができます。
画質調整を終え、ジャケ写完成です。

↑クリックで比較できます。
やることはやったので
そこそこの満足感はあります。悪くはない、そんな感じです。
しかし、ざらつきが気になります。
実際に原稿をよく見てみると確かにざらついています。
CDのプラケース越しに見るイメージとは何か違う。
粒状感を抑えられないものかと。
いろいろ調べていると
Photoshop のプラグインにノイズ除去ソフトがあり
それに目がとまりました。
「Nik Dfine 2.0」と「Topaz DeNoise」です。
こちらの記事が大変参考になりました。
Topaz DeNoise を試してビックリ。
これですこれ、求めていたものです。凄い効果です。
心が晴れました。導入決定。


プレビューで確認しながら
スライダを調整しノイズを除去していきます。
一番上の「強度」はまだしも項目が多く調整に一苦労。
慣れないソフト、手動でここまで調整するのは大変です。
そこでプリセット

light から strongest まで用意されているプリセットは便利です。
light と moderate は適度にナチュラルでディティールの飛びも少ない。
strong と strongest は効果の度合いが大きく、
ノイズの “ノの字” もなくなります。
普通のデジカメ写真に処理を適用させると、超不自然になります。やり過ぎ。
それがイラスト物のCDジャケットだと丁度イイ感じになります。
平坦でCGチックに感じたりもしますが、個人的に strong は好きです。
当然、DeNoise が画像を自動的に判断していますので
同じ light や strong の処理でも画像毎に値は異なります。賢い。
世界で一番奇麗な Van Halen 1984 のジャケ写完成です。
The をつけたくなる CDジャケット。Van Halen 1984 - Google 画像検索

↑クリックで比較できます。
レタッチ前のスキャン原稿と比べればその差は歴然。
愛情を注ぎひたむきに取り組む姿に誰が言ったか、iTunes ジャケ写職人。
超絶技巧で匠の領域に。
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