まあるい地球

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日記 見えない音

2019-04-14 07:41:04 | エッセイ
日記 見えない音


いきなりガタっと鳴った…。
何も動いてないし、そんな音が鳴るような場所でもないのに鳴った。
「今、音したよね…」と仲間内で言って、顔を見合わせた。

倉庫の中からしたような、その扉の前からしたような…。
その倉庫は前々から苦手な倉庫で、そんな不可解な音がしたものだから、その日は普段より、更に気合いの入った常祓いをしながら入ることにした。
そんな音がしたのは初めてなのであった。


そんな音体験で、一番強烈なのは、やはり、あのユースホステルの音である。

何十年も前、私たちはその日、長時間ライディングで疲労困憊で、もう移動は無理!ってな感じでそのユースホステルの玄関に入ったのでありました。

ガランとした廊下に向けて、大声で呼びかけるも応答はなく、誰かしらいる気配もなかったので、私たちは予約客として、ひとまずは食堂へ向かうことにした。

そこのユースホステルは大型の施設で、ハイシーズンには学生などの団体客もやってくるような作りであった。

私たちはそこの食堂の、整然と並べられたテーブルの廊下側の席に腰を落ち着け、持っていた茶を飲み、菓子を食べながら、オーナーの帰りを待つことにした。

まだ数分も経たないその時である、突然、廊下と食堂の仕切りである窓ガラスが「ガシャン!!」と大きな音を発したのでした。

その音はガラスが割れた音、そのものでありました。
私たちは当然にして驚き、当然にしてその音がしたであろう付近へ近づき、当然にして割れたであろう窓ガラスを隈なく探したのでありました。

その音は、誰かが窓ガラスを叩いて割ったような音でありました。

気のせいか?
いや、確かに窓ガラスが割れた音がした。
誰かが叩いたよね?
2人で聴いてるんだから、間違いないよね?

音がしたことに確信はあるが、物的証拠がなく、私たちは自然とその話しに口を閉ざすことに決めたのでありました。
バイクで数千キロ走っている最中の、ロングツーリングでありました。
何よりも増して、疲れておりました。


それからほどなくオーナーが帰宅し、割り当てられた部屋の、二段ベッドに荷物を置き、私は一人共同風呂場へ向かいました。

そこそこ広い湯船に浸かっていると、どうしても、誰かに見られている気が拭えないのでした。
湯船のお湯を眺めては、人の気配に顔を上げ、シャワーを当てがいながら洗顔している時でさえも、素早く泡を洗い流しては、その気配の場所へ視線を投げるのでありました。

その気配がする度に、誰かしら来たのでは、誰でもいいから実際の人間がいて欲しいと願ってはみたけれど、結局、誰も来ず、私は疲れを洗い流せもせず風呂場を後にし、戻った部屋にいた友人にこの話をする気にもなれず、早々に、二段ベッドの薄っぺらい布団に、身を横たえそのまま朝を迎えたのでありました。


後日、この話をその友人としたのでありますが…。 霊が見えるこの友人曰く、お化けがいた。とのことでかありました。
その事をその時私に言えば、そこの宿をキャンセルして、別の宿を探せねばならなくなる羽目になるのが目に見えていたから、黙っていた、との事でありました…(^◇^;)

ま、まあ確かに、あれからまた移動はキツイわな…。
ま、まあ確かに、お化けがいた事実なんて知りたくないわな…。


と、まあこのような不可解な音、気配がする場所というのは、やはり、何かしら感じる場所ではあります。何かしら陰湿な場所であり、何かしら近付きたくない場所なのでありました。


今日も一日、明るく生きましょう!
明るく生きれば元気が出る!
そうざんしょ!
(笑)





追記、
そーいえば、ガタッと不可解な音がしたこの日は、いつもいらっしゃる熱心に取り組んでおられる、また、念の強そうな人が珍しくお休みしておりました。
…。
気になって視に来たのかな…。
生き霊ってのも非常に怖いものでありますね。