歌詞を味わうブログ

1980年代から1990年代の日本のポップスの歌詞を味わうブログ

『ラブ・ストーリーは突然に』 作詞:小田 和正

2021-07-31 09:24:00 | 歌詞を味わう
リリース:1991年

今週も当ブログを訪問いただきありがとうございます。
今週は、小田和正さんの『ラブ・ストーリーは突然に』を取り上げます。

「キャー小田さ~ん」と叫んでいたのはだいぶ昔のこと。
別に鈴木さんはどうでもいいというわけでもなく、
あの頃は、杉田二郎さんが二人を「日本のカーペンターズ」として売り込もうとしていた時期で、『愛の中へ』のハーモニーなんて最高。

話を『ラブ・ストーリーは突然に』に戻して、これは柴門ふみさん原作のマンガをドラマ化したものの主題歌で、ほとんどの方は聞いたことがあるのではないでしょうか。
それゆえに、この曲の歌詞を、カンチとリカに重ね合わせて聴いてしまいそうですが、そうではなく、地方から東京に出てきた若者の心情を表現したものと言っていいでしょう。

それではさっそく1番の歌詞から見ていきましょう。

「何から伝えればいいのか分からないまま時は流れて
浮かんでは消えてゆくありふれた言葉だけ
君があんまりすてきだから
ただすなおに好きと言えないで
多分もうすぐ雨も止んで二人たそがれ」

「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら
僕等はいつまでも見知らぬ二人のまま」

素直に好きと言えばいいだけのものを、ありふれた言葉と言ってみたり、相手があまりに素敵だからと理由を作ってみたり、そういうじれったさというものは若かりし頃にはよくあるもの。きっと地元の男女だったらそうはならないかもしれないけど、東京で出会った者どうし固くなるんでしょうね。

続いて2番の歌詞を見てみましょう。

「誰かが甘く誘う言葉にもう心揺れたりしないで
切ないけどそんなふうに心は縛れない
明日になれば君をきっと今よりもっと好きになる
そのすべてが僕のなかで時を超えてゆく」

「君のためにつばさになる君を守りつづける
やわらかく君をつつむあの風になる」

「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら
僕等はいつまでも見知らぬ二人のまま」

他の男に誘われてほしくないという気持ちがありつつ、それを君を守るという方向に昇華しているように思えますが、音楽評論家だったら、こういうのをエゴイズムだと一蹴するんでしょうね。
でも、1番で言っているありふれた言葉以外の言葉を2番に置き換えたらいいんじゃないかなとも思う。

続きの歌詞の部分を見てみましょう。

「今君の心が動いた言葉止めて肩を寄せて
僕は忘れないこの日を君を誰にも渡さない」

どうやって君の心が動いたのを確認できたのかはさておき、
「僕は忘れないこの日を」
という言葉に意味があるのだと思います。
そもそもサビの部分で
「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら
僕等はいつまでも見知らぬ二人のまま」
と書かれていますが、
「あの日あの時あの場所で君に会えて良かった」でもいいはず。
でも、会えたことの突然性を強調するために、そのような表現になっているんだと推測します。
なにしろ曲名が『ラブ・ストーリーは突然に』ですからね。

今週も最後までお読みいただきありがとうございました。
私事ですが、白血病の方は、ようやく退院までこぎ着けましたが、
体力も免疫力もまだまだこれからで、ワクチンも打てないので感染症には極力気をつけなければならない状況です。
皆さんも新型コロナウィルス感染症、特に変異株には、くれぐれもお気をつけくださいませ。
街には、PCR検査を受けていない無症状の陽性者がいると思って、警戒してくださいね。