ルールーのお気に入り

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お気に入りをツラツラと…

DVD『こねこ(Котёнок)』(1997年ロシア)

2007-05-09 23:53:44 | 恋する映画
みなさまぁぁ~!!!
GWはいかがお過ごしでしたか~♪

わたしはJリーグ(FC東京vs鹿島@ご近所のアジスタ)1試合、野球もヤクルトvs巨人戦@神宮なんぞを観に行きましたし、映画も1本だけ観れたりしたんですけども、GW明け締め切りというか提出というかの仕事を毎日バタバタウダウダとやっていて、例年になく総じてしょぼいGWを過ごしておりました。トホホ
おかげでとりあえず第1段階はなんとかクリアしたものの、想定以上に今後やることが増えてしまい・・・しばらく昼間は毎日忙殺されそうです。。。


そんなこんなで一昨日は重い資料を抱えていたのもあって身も心もクタクタになりながらマジ凹んで帰宅したのですが、ふとすっかり忘れていたあるモノのことが頭に浮かんできたのでした。


・・・それは、お友達のNちゃんからずっと借りっぱなしになっていた
ロシア映画のDVD『こねこ』♪
(Nちゃん本当にゴメンナサイ

いや~癒されました~疲れが一気に吹き飛びましたっ♪
癒されただけじゃなくて本当にびっくりしたし感動したし、この映画を作った人々に深い尊敬の念を感じずにはいられませんでした。。

ネコ好きの方々には、すでに多大なリスペクトと絶大なる人気を持って絶賛されているこの映画。
ネコ映画の金字塔とでもいいますか、本当に傑作ですっ!


            
     ↑あまりに可愛いチグラーシャ実際は5匹のネコが演じているとか。

物語はロシアはモスクワが舞台。
とあるフルート奏者の家の子どもたち(姉弟)が、おばあちゃんにペット市場(そういうのがロシアにはあるらしい)で1匹の子猫を買ってもらってきます。

「チグラーシャ」(トラ猫の愛称で「子トラ」「トラちゃん」といった意味)と名付けられた子猫はいたずら盛り。(いたずらぶりが本当にカワイイんですー♪
ある日、窓の外の小枝に止まる小鳥に気を取られて窓の外に落ちてしまったチグラーシャは、停車していたトラックの荷台の屋根に落ちてそのまま知らない街へ運ばれてしまいます。
そこから、他のネコに助けられながらなんとか生き延びて、最後には元の飼い主の元に戻るという冒険物語が始まるのですが。。


              

チグラーシャは知らない街で様々な危険に遭遇するんですが、ドーベルマンに襲われそうになったところを写真のワーシャに助けられて、多くのネコと暮らすフェージンのところに連れて行かれます。

このワーシャったら、自分よりも何倍も大きなドーベルマンに果敢に立ち向かうんですが、このドーベルマンもちゃんと調教されている犬とはいえワーシャはプロのネコではなかったらしいので、本気でチグラーシャを助けようとしたとしか思えないんですよね!

          

で、このフェージンを演じるのが、普通の俳優さんではなくてボリショイサーカスで有名なロシアの、いやもしかしたら世界で一番の猫遣いアンドレイ・クズネツォフ氏♪

一緒に暮らすネコちゃんたちは、彼に調教された本物の芸達者なネコちゃんたちなのです♪♪
でもクズネツォフ・ファミリーの芸猫以外は一部一般猫だったというから本当に驚き!(撮影後、一般猫たちはスタッフのお宅にそれぞれ引き取られ、映画に出演したことなど忘れたかのように普通に過ごしているとか・・・



もうとにかくネコたちの演技にはびっくりします。
以前騎乗オペラ『ジンガロ』を観た時にも、ジンガロの主催者バルタバス氏と馬たちが魅せる魔法のような芸術的コラボレーション・・・その信頼関係に驚愕したものですが、それと同質の感動がありました。


映画の中で特別な曲芸をするというわけではなく(一部サーカスのような曲芸もあるけれど)ただ自然に振る舞っているだけなんですが、なぜあそこまでフェージン(というかクズネツォフ氏)のいうことを聞くのか・・・

たとえば皆でソファーに陣取りながらテレビでF1を見るときの、揃ってテレビを見ている様子や、外出から帰ったら部屋に立ち退き屋がいて、一緒に外出していた3匹がフェージンと同様に「驚きながら」立ち尽くしたり。。。
彼らがちゃんと「役割を理解して演じている」のではないかと驚くこと必須です。


フェージンは部屋の立ち退きを迫られているのですが、立ち退き屋が帰ったあと呆然と立ち尽くすフェージンに、ジンジンという(向って右のソファーの肘掛に座っている白地に黒のブチの)ネコったら彼を励まそうと後ろ脚で立ちながらジャンプしたり顔を見上げながら手をヒョイヒョイと振ったり。。
とにかくどのネコもものすごく表情豊かな演技をするんです!

もう本当に素晴らしい。。。


そしてフェージン演じるクズネツォフ氏の、なんと自然で温かいネコへの眼差し。。。

キツネの襟巻きみたいにネコを首に巻いていたり、ネコたちも彼が大好きという感じで信頼している様子が本当に微笑ましくも羨ましい。。
つーか、アンドレイ・クズネツォフ氏は本当に人間なのでしょーか??
もしや猫なのでは???(笑)
少なくとも猫語は話せるに違いありません!



・・・物語はその後、ネコたちが力を合わせて立ち退き屋からフェージンを守ったり、彼が怪我をして入院している間にネコたちだけで餌を調達したり、最後にはとっておきのエピソードでチグラーシャが元の家族の元に戻ったり、病院から戻ったフェージンがひとり寂しく新年を祝おうとしているとネコたちが次々と帰ってきたりと、本当に素敵なエンディングを迎えます。


音楽家の幼い姉弟はイワン・ポポフ監督の実子が演じていたりと、非常に低予算ながら家族ぐるみのほのぼのとしたアットホームな雰囲気が映画からも伝ってくるのですが、彼らの猫がいなくなってずっと探し回る気持ち、親たちは「新しい猫を」と言うけど、チグラーシャが帰ってきたときに新しいネコがいたらかわいそうだからと、帰ってくることをずっと信じる気持ち・・・嗚呼、どこの国の人も同じ気持ちなんだなーと本当にキュンとなります。



とにかく今まで見たネコ映画とは明らかに一線を画した出来映えです。
ネコたちの素晴らしい演技にただただ驚嘆&感動し、その愛くるしい演技に癒されることはもちろんなのですが、現代のロシアが抱える様々な社会の混迷も主人公を通してさりげなく浮き彫りにされていたりと、ただ明るいだけの動物映画(ネコ映画?)ではない、淡く切ない感傷も感じさせられます。
でもだからこそ、おとぎ話のような結末に本当に深い感動を与えられるような気がするのです。



ルールーのお気に入り度
★★★★★★★★★(90点/100点満点)
※もう絶対!猫好きの方は必見ですっ!!!
特に猫好きというわけではないという人も、絶対に幸せな気分を味わえますので是非に!!

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ねこ (ふーみん)
2007-05-11 00:49:21
ダイスキです
祖母の家に居るグレーのキジトラが本当に可愛いんです
まぁ、田舎の猫なんで餌だけ食べたら外に遊びに行っちゃう薄情モノなんだけど

猫の映画と聞いて、某王国の猫映画を思い出しました
猫モノ映画も観たいけど、今はドラマを見るだけで精一杯です
殿が大きくなって、時間が出来たら・・・って自分を騙してます
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はじめまして (Suzuka)
2007-05-11 07:47:44
記事をじっくりよませていただくうちに、
いろいろと光景がよみがえってきました。

そうですね、世にネコ好きと称するは多かれど、
むやみに追っかけまわしてるも多々。

クズネツォフは、きっと一個の「人格」(?)としてねこたちに相対しているのでしょうね。

ワーシャ(ВаШа)のショット、かわいい!
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ふーみんちゃん♪ (ルールー)
2007-05-11 21:05:29
某王国の例の映画もそれなりに可愛かったけれど、基本的にというか根本的に猫映画としてのレベルがまったく違うのざんすよ。
普通、動物映画って動物がこちらが望む表情や行動をするのをず~っと待って、それらの絵を繋げて1つのシーンにしたりするじゃない?
でもこの映画は、基本的にネコちゃんたちが演技をしているのよー!!!
ホントびっくりします。
いや、わざとらしい演技をしているわけではなくて、ネコたちが協力しあって餌をくすねたり、並んで木の枝を渡って行ったり、同じように立ち尽くしたり・・・もうホントに役割をわかっていて演じているとしか思えないほどなのよ。
もちろんCGなんか使ってないし、とにかく全部調教されて自然に演技しているのがホント素晴らしいの。
ぜひぜひ機会があったらDVD見てみてね。
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Suzukaさん♪♪ (ルールー)
2007-05-11 21:16:55
コメントありがとうございます~♪

>クズネツォフは、きっと一個の「人格」(?)としてねこたちに相対しているのでしょうね。

いや~本当にそうですね!
ネコちゃんたちにちゃんと話してきかせて、相手の気分とか考えとかも尊重してあげながら、自然に演技をさせていたんでしょうね。
もうほんとにびっくりしましたよ。
あれだけの信頼関係を動物、それも猫と交わせるなんて・・・神技としか思えません。

ワーシャは本当に頼もしいネコでしたよねー
Suzukaさんの「サバ猫」という表現がすごくツボでした。
でもってジンジンですよー
もう本当にすごいとしかいいようがないです。
多くの人に見てもらいたい映画でしたね。
また遊びに行かせていただきま~す。
今後ともよろしくです~
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