映画全体に流れるゆるーりとした時間と、このポスター↑でも見られる心の中にス~ッと爽やかな風が吹くような澄んだ空気感。
フィンランドの街並って、きっと日本人の心の琴線にぶるるんて共鳴してしまう、何か郷愁のようなものがあるのかも。
白夜とか、ムーミンとか、ノキアとか、その程度のイメージしかなかったけれど、映画で繰り広げられるフィンランドのライフスタイルには、本当の意味の“豊かな生活”とか“ゆとりの心”が感じられて、現代の日本人がどうにも憧れてしまうのがわかる気がします。
そんなフィンランドに魅せられたプロデューサーの意向で作家の群ようこさんが書き下ろした長編を、「バーバー吉野」などで知られる荻上直子氏が監督した今作品。
物語は、フィンランドの首都ヘルシンキで、日本人女性サチエ(=小林聡美)が「かもめ食堂」という小さな店をオープンさせたところから始まります。
来る日も来る日もお客さんは来なくて、でもサチエは「真面目に働いていればいつかきっとお客さんは来る」と信じている。
やがて最初のお客さまである日本かぶれの青年トンミが出入りするようになって、日本のアニメ「ガッチャマン」の歌を教えてほしいと頼まれるものの、サチエは冒頭部分しか思い出せずに気になってしかたがない。
そんなある日ミドリ(=片桐はいり)と出逢い、さらには何やら訳ありなマサコ(=もたいまさこ)とも知り合って、物語は静かにゆっくりと動き始める…
さして大きな事件も劇的な展開などもなくて、毎日淡々とゆったりとした時間が流れていきます。
それなのに、なんなんだろう?この面白さは!(笑)
なんていうか、小鼻をふくらませて「ムフフフフ…」と笑うような、自然な笑みがあちこちでこぼれてしまうのです。
やっぱりキャスティングの勝利ですかね。
とにかく主演の小林聡美はじめ、もたいまさこ、片桐はいりの3人の実力派女優の演技は絶品です。
特にもたいまさこの絶妙な“間”が本当に素晴らしい。
傷心のフィンランド女性の心を掴むシーンで、まるで彼女の言葉を理解しているように振る舞うのですが、
「マサコさん、フィンランド語ができるんですか?」
「いいえ」
その無表情な表情ったら。(爆)
ただそこに居るだけで自然と笑いが込上げて来るなんて、スゴイ存在感。(笑)
片桐はいりも、普段の特異なキャラクターとは違った繊細な女性を自然に素敵に演じているし(「豚身」には笑った^^;)、小林聡美にいたってはいつもながら完璧♪
フィンランド語も、テキパキとお料理する姿も、サチエという女性を、まるで当ててホンを書いたような自然な雰囲気で演じてます。
そしてなんといってももうひとつの主役が、日本のソウルフードおにぎりを始めとするお料理の数々。
ごはんから立ち上る湯気とか、本当に美味しそうで幸せな気分になれますよ♪
建築や工業デザイン関係に興味のある方には、フィンランドの家具や小物のデザインが素晴らしいことなども注目されているようですね。
実際、映画の中に出てくるお店のシンプルで気持ちの良い空間、家具や食器のセンスの良さには目を見張りました。
そしてなんといっても森と湖に囲まれたのどかな風景のなんと美しいことか!
夏は白夜が続くため、太陽の恵みが街の隅々にまで行き渡っているような空気感と色合いです。
たとえお客が来なくても毎日お皿をピカピカに磨き、夕方にはプールで泳ぎ、家でもきちんと食事を作り合気道のトレーニング?をして、毎日を変わりなく健やかに過ごしていく。
当たり前のようでなかなか出来ないことを毎日気持ちよくやるということ…
サチエの真心のこもったおもてなしや料理は皆の心をゆるりと解きほぐして、観ているわたしたちにも自然と笑顔があふれていくのです。
本当の意味の“シンプルで豊かな生活”を感じさせてくれる映画です。
ゆったりほっこり親近感たっぷりの、「癒し」というよりも「気持ちいい」がしっくりくる感覚。
美味しい空気、爽やかなそよ風の中で、太陽に向かって目を瞑って瞼の裏をオレンジ色に染めながら、両手をいっぱいに広げて大きく深呼吸をして、思わず「嗚呼、気持ちい~い」って声が出てしまうような…
そんな映画なのでした。(笑)
・・・そんなわけで
ルールーのお気に入り度
★★★★★★★★★(90点/100点満点)
※ひさびさに気持ちが良くなる映画でした♪
おまけ
パンフレットがまたとても可愛いのです。
トランク型のパンフレット。
これで600円♪
写真がとにかくイイ感じなのです。
「かもめ食堂」のメニューも載っています。
他にシナモンロールやおにぎりのレシピも。
フィンランドって、なかなか面白そうな国なんですよ。
エアーギターコンテストがあったり、奥さんを担いで走るコンテストがあったり。
あと日本語では可笑しい意味の発音の言葉が多いようです。
「プータロー」は、プ-(=木)タロー(=家)で「ログハウス」のことだとか。
また名前には「トラ」さん、「パンツ」さん、「アホ」さん、「ロバ」さんetc.…(笑)
フィンランド人気がアップすること間違いなしの映画でした♪
「かもめ食堂」公式サイト
かもめ食堂占い
フィンランド人だったら占い
←ひっそりと参加中♪(笑)応援よろしくです~
当ブログの【映画レビューINDEX】
フィンランドの街並って、きっと日本人の心の琴線にぶるるんて共鳴してしまう、何か郷愁のようなものがあるのかも。
白夜とか、ムーミンとか、ノキアとか、その程度のイメージしかなかったけれど、映画で繰り広げられるフィンランドのライフスタイルには、本当の意味の“豊かな生活”とか“ゆとりの心”が感じられて、現代の日本人がどうにも憧れてしまうのがわかる気がします。
そんなフィンランドに魅せられたプロデューサーの意向で作家の群ようこさんが書き下ろした長編を、「バーバー吉野」などで知られる荻上直子氏が監督した今作品。
物語は、フィンランドの首都ヘルシンキで、日本人女性サチエ(=小林聡美)が「かもめ食堂」という小さな店をオープンさせたところから始まります。
来る日も来る日もお客さんは来なくて、でもサチエは「真面目に働いていればいつかきっとお客さんは来る」と信じている。
やがて最初のお客さまである日本かぶれの青年トンミが出入りするようになって、日本のアニメ「ガッチャマン」の歌を教えてほしいと頼まれるものの、サチエは冒頭部分しか思い出せずに気になってしかたがない。
そんなある日ミドリ(=片桐はいり)と出逢い、さらには何やら訳ありなマサコ(=もたいまさこ)とも知り合って、物語は静かにゆっくりと動き始める…
さして大きな事件も劇的な展開などもなくて、毎日淡々とゆったりとした時間が流れていきます。
それなのに、なんなんだろう?この面白さは!(笑)
なんていうか、小鼻をふくらませて「ムフフフフ…」と笑うような、自然な笑みがあちこちでこぼれてしまうのです。
やっぱりキャスティングの勝利ですかね。
とにかく主演の小林聡美はじめ、もたいまさこ、片桐はいりの3人の実力派女優の演技は絶品です。
特にもたいまさこの絶妙な“間”が本当に素晴らしい。
傷心のフィンランド女性の心を掴むシーンで、まるで彼女の言葉を理解しているように振る舞うのですが、
「マサコさん、フィンランド語ができるんですか?」
「いいえ」
その無表情な表情ったら。(爆)
ただそこに居るだけで自然と笑いが込上げて来るなんて、スゴイ存在感。(笑)
片桐はいりも、普段の特異なキャラクターとは違った繊細な女性を自然に素敵に演じているし(「豚身」には笑った^^;)、小林聡美にいたってはいつもながら完璧♪
フィンランド語も、テキパキとお料理する姿も、サチエという女性を、まるで当ててホンを書いたような自然な雰囲気で演じてます。
そしてなんといってももうひとつの主役が、日本のソウルフードおにぎりを始めとするお料理の数々。
ごはんから立ち上る湯気とか、本当に美味しそうで幸せな気分になれますよ♪
建築や工業デザイン関係に興味のある方には、フィンランドの家具や小物のデザインが素晴らしいことなども注目されているようですね。
実際、映画の中に出てくるお店のシンプルで気持ちの良い空間、家具や食器のセンスの良さには目を見張りました。
そしてなんといっても森と湖に囲まれたのどかな風景のなんと美しいことか!
夏は白夜が続くため、太陽の恵みが街の隅々にまで行き渡っているような空気感と色合いです。
たとえお客が来なくても毎日お皿をピカピカに磨き、夕方にはプールで泳ぎ、家でもきちんと食事を作り合気道のトレーニング?をして、毎日を変わりなく健やかに過ごしていく。
当たり前のようでなかなか出来ないことを毎日気持ちよくやるということ…
サチエの真心のこもったおもてなしや料理は皆の心をゆるりと解きほぐして、観ているわたしたちにも自然と笑顔があふれていくのです。
本当の意味の“シンプルで豊かな生活”を感じさせてくれる映画です。
ゆったりほっこり親近感たっぷりの、「癒し」というよりも「気持ちいい」がしっくりくる感覚。
美味しい空気、爽やかなそよ風の中で、太陽に向かって目を瞑って瞼の裏をオレンジ色に染めながら、両手をいっぱいに広げて大きく深呼吸をして、思わず「嗚呼、気持ちい~い」って声が出てしまうような…
そんな映画なのでした。(笑)
・・・そんなわけで
ルールーのお気に入り度
★★★★★★★★★(90点/100点満点)
※ひさびさに気持ちが良くなる映画でした♪
おまけ
パンフレットがまたとても可愛いのです。
トランク型のパンフレット。
これで600円♪
写真がとにかくイイ感じなのです。
「かもめ食堂」のメニューも載っています。
他にシナモンロールやおにぎりのレシピも。
フィンランドって、なかなか面白そうな国なんですよ。
エアーギターコンテストがあったり、奥さんを担いで走るコンテストがあったり。
あと日本語では可笑しい意味の発音の言葉が多いようです。
「プータロー」は、プ-(=木)タロー(=家)で「ログハウス」のことだとか。
また名前には「トラ」さん、「パンツ」さん、「アホ」さん、「ロバ」さんetc.…(笑)
フィンランド人気がアップすること間違いなしの映画でした♪
「かもめ食堂」公式サイト
かもめ食堂占い
フィンランド人だったら占い
←ひっそりと参加中♪(笑)応援よろしくです~
当ブログの【映画レビューINDEX】
しかし、聡美ちゃんは大のムーミン好きなので、フィンランドでのお仕事は頷けました。
ルールーさん、いい情報をありがとう~!
ちなみに、私の名字は「パンクネン」でした(笑)
サクさんは小林聡美さんのファンだったんですね。
本当に彼女は素晴らしいですよねー
「神はサイコロを振らない」もホントよかった。。(涙)
ところでこの映画ですが、わたしは最初はただ「かもめ食堂」という不思議なネーミングとポスターやチラシの写真にすごく惹かれて観に行ったのですが、観て大正解♪
小林聡美ファンなら絶対に観るべし!!!(笑)
ちなみにわたしは「ムッチャネン」でしたー
片桐はいりさんってその個性からキワモノ的な役が多かったりしますが、この作品では一人の女性としてとても輝いてみえました。一番良く行く近くのシネコンでも上映することになったので機会があればもう一度観てくるつもりです。
睦月ね、この作品明日観に行く予定だよ。
とっても評判もいいし、もともと気になりつつ、なんだかさっぱりいけずにいたの。
最近・・・またとっても疲れて余裕がないから。この作品で心を気持ちよくしたいんだあ♪
楽しみ!映画論アップしたら、またお邪魔します♪
片桐はいりさん、本当にこの映画では素敵な女性をキメ細やかに演じてましたよね。
なんかじわじわ拡大して上映されるみたいで、わたしもまた観たいなーと思ってます。
今後ともよろしくです~
睦月さんはまたお疲れモードなのね。
きっとこの映画を観たら、気分がほっこりほんわか気持ちよくなりますよん
レビュー楽しみにしていますからね~
私も小林聡美さんが大好きです。
「かもめ食堂」はじんわり暖かくなるいい映画でしたね。
本当にこんな食堂があったらいいなぁ~と思いました。
TBさせてくださいませ♪
小林聡美さん、本当に巧いですよね。
もう完璧
本当にあんな食堂があったらいいですよね~
週に3回くらい通っちゃいそうです。
というか、わたしもお手伝いしたくなりますわ。
心洗われる素敵な映画でした。
>当たり前のようでなかなか出来ないことを毎日気持ちよくやるということ…
サチエさんのそんな日常にとてもうたれました。
>本当の意味の“豊かな生活”
を実感できました♪
本当に、映画館を出て来る人たちの顔つきが、みんなニコニコ~っとしていて気持ち良さそうでしたね。
サチエさんの日常の過ごし方は本当に魅力的で、かつ見習うべきことがとても多かったです。
フィンランド、行ってみたいですよね~
今後ともよろしくです~
(かえるさんなので、絵文字全部カエルでまとめてみました^^;)