☆Lorosae(太陽が昇る)ブログ☆

ロロサエという言葉は、東ティモールで使われているテトゥン語で、つまりは「日の丸」です。

三陸海岸大津波

2012-07-06 23:06:55 | 書籍紹介
『三陸海岸大津波』
吉村昭 著 文春文庫


吉村昭の本を読んでみたいと思ったのは、
震災後、本屋に積み置かれた震災関連の
この本をパラパラと流し読みしたことに始まる。

挿し絵に目が戸惑い、
あれから一年以上かかり、
他の吉村昭の小説を読み、
先日、ついに借りてみた。

吉村昭は1927年(昭和2年)5月1日生まれ
2006年(平成18年)7月31日に没しているので、
東日本大震災を見ず、他界されている。

けれど、既に昔の記録や見聞に、
スーパー堤防より高い津波が来ることを
察知している。


津波の被害だけではなく、当時の暮らしぶり、

たとえば
(本文より抜粋)
昭和に入ると、国内には重苦しい空気が日増しにひろがっていった。
第一次世界大戦を中心とした好況の反動が
一大経済恐慌となってあらわれ、
各地で銀行のとりつけ騒ぎが起り、企業の倒産も相ついだ。
失業者は巷にあふれ、
工場ではストライキが頻発し、
労働運動が激化した。
官憲の弾圧も増して社会不安はたかまるばかりだった。

-などという、暮らしの背景の説明、
そして震災体験者の作文!
胸に迫るものがある。

辛いからこそ、
ひどい目に遭ったからこそ、
文章で表現し、
心に蓋をしないで
心が澄むように。

そんな感想を持った。


明日は七夕である。
笹餅を貰ったので、
笹舟を作りたいと
親に教えて貰った。

一年にたった一度でも、
愛しい人に会えるなんて、
触れあえるなんて、
幸せなこった

飢餓、飢饉、災害。
弊害、迫害、損壊。

今よりずっとまんべんなく貧しくて、
知識も曖昧で、
酷い惨い夏の夜、
それでも星空が綺麗だったりしたら、
七夕伝説になぞらえて、
会いたい人達を思い浮かべたりしたのだろうか。


笹舟は、明日、
睡蓮鉢に浮かべてみるつもり
良い七夕を

世界の時間