探し物は・・・

何かを探して見つからない時、悲しくなるけれど
探すものがあるって、それだけで、すてきなこと 

ビール その2

2009年02月02日 | Topic T.K.

2006年は『ウインター・ソング』
ジョッキで飲むシーンが出てきます。
林見東くんも、お酒はあまり・・・というタイプ。友人のお祝いに集まった北京の小さなクラブで、とりあえず、みんなと同じくジョッキでビールを注文しています。でも、目はステージに釘付け。
寒い冬の日、安食堂でお勘定を払っている隙に、林くんが食べ残したわずかな麺を、ずるずるっと食べちゃった着膨れた女の子。その子が、ミニのドレスを着て、ステージで歌い踊っていたのですから。
初対面だというのに「シャワー貸して」と寮まで付いてくる強引さに、たじたじだった林くんですが、わざわざラーメンを作ってあげたりと、満更でもなかったんですね。
偶然の再会にポーッとなって、ビールどころじゃありません。乾杯すらも上の空。

思いがけない再会にビールが絡んでいたからといって、林くんにとって幸せを運んでくる縁起のいい飲み物というわけではありませんでした。
一緒に暮らし、結婚の約束まで交わしたというのに、孫納は再び自分を捨てようとしているのだと、否が応でも気付かされた瞬間にも、林くんはビールのジョッキを前にしていました。
挑発するように、はしゃぎ、グイグイとビールを飲み干す孫納を、止めようとして払いのけられた林くん。孫納に無視された彼にできることは、自分も同じペースでビールを飲むことだけ。お酒に弱い自分が、無理して飲んでいることに気付いてほしいと訴えるようなまなざしが悲しいです。

最後には、もう、惰性でジョッキを傾けているだけの力ない飲み方に。

飲めないお酒で酔いつぶれるシーンは、決して珍しいものではありませんが、こんなに切ない酔い方があるなんて。

なんだか暗くなっちゃいました。次は、明るく『ラベンダー』です。


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