"平吉さんin二十面相"の逃走劇ラストは、葉子さんが操縦するオートジャイロの縄梯子めがけて屋上からジャンプ。
計画変更を知らされた葉子さんが「そんな、無理です~」と叫んでいましたが、こんなシーンをロケ地の屋上で実写なんて、それこそ「そんな、無理です~」なんじゃないでしょうか。
きっと、助走して飛び出すふり、あとのジャンプはブルーバックで撮影して合成・・・と知ったかぶりで見ていましたが、後にメイキングを見てびっくり。
ほんとうに屋上からジャンプして、勢いよく前へ飛び出しているではありませんか。
どこからどう飛び出したかは、周囲に見えている建物との位置関係でわかります(クリックすると大きくなります)↓。
助走開始。平吉さんが走るのは、旧応用化学棟(map-a)の屋上。1段目の屋上から、さらに壁を登ってたどり着いた2段目の屋上です。後ろに見えているのは、となりに建つ新しい建物の壁(map-b)。
踏切り板が見えますね。この時、遠くに見えている細長い建物は(map-d&e)
この踏切り板がすごい。これで、思いっきり前へ飛び出します。ジャ~ンプ
・・・が、残念、縄梯子に届かず。
大きなクレーンをたくさん使っての撮影だったと佐藤監督のお話にありましたが、このワイヤーはクレーンに吊られていたんですね。それでも、この高さです。ワイヤー2本でぶら下がるのは相当怖い。
旧応用化学棟周辺での撮影は、2008年3月14~19日だったとのことですが、この屋上での撮影は、準備も大変そう。
この見事なジャンプまで、どのくらいのテイクを重ねたんでしょうね。
この時、縄梯子につかまった平吉さんの足が、向かいの建物(map-c)の屋上の手すりに届くのが見えます。
ものすごく近くに感じますが、実際は、道路を挟んだこの距離↓。
すごい勢いで前に飛び出して縄梯子につかまり、その勢いのまま、ブランコのように揺れて向かいの建物まで届いてしまったんですね。
思わず、うそ~と言いたくなるくらい距離があります。真後ろから撮っているので、奥行きがよくわからないんですよね。
足の届いた屋上の向こうに見えているピンク色の建物。実際は、かなり遠くにあるんです(map-f)。周囲を歩いてみて、やっと発見。
この踏み切った瞬間の画像に、旧応用化学棟の屋上がしっかり映っていました。一段低い屋上にガラスの三角屋根の連なり(明かりとりかな)。
こちらは、金城さんのお顔が見えるショット。これも同じ場所だとわかります。
そして、追手の浪越警部+軍警も、同じ場所に。
以上、旧応用化学棟屋上での撮影でした。
手に汗握る逃走劇のクライマックスも、実際の建物の構造を最大限に生かした緻密な計算に基づく実写。
ワイヤーや踏切板は、CGという消しゴムでごしごし?。
↓これは、もはや、建物と関係ない空中なので
"平吉さんin二十面相"の最後の大仕事「笑って~」。「わ~はっはっは」の声は、スタジオに響いたのでしょうか。