バレーボール全日本女子がロンドン五輪出場を懸けた最終日、セルビアとの一戦 これまでの比にならないプレッシャーとともに迎えた試合でした
第一セット 五輪出場には2セット取らなければいけない日本と勝利が必要なセルビア。 両チームとも結果が求められるだけに、緊迫感のある立ち上がりとなりました 日本は硬さからスパイクを連続で防がれ、セルビアに先行を許す。 嫌な流れとなるが、昨日のロシア戦に続いて先発の平井がブロックを決め、流れを変える。すると主将の荒木が爆発 アタックから3得点を決める活躍を見せ、8-5と日本がリードしてテクニカルタイムアウトを迎える 五輪出場には勝利が絶対条件のセルビアも反撃を開始。 サイドにボールを集め、高さあるスパイクを打ち込み、日本に追いすがる。 流れがセルビアに傾きかけるが、この日、存在感を見せる荒木が再び躍動 放ったスパイクすべてで得点を挙げ、日本が18-15とリードを広げる 日本の粘りある守備と勢いのある攻撃に、セルビアが動揺を見せ始める。 アタッカー陣が思い切りのあるプレーができないセルビアを尻目に日本がさらに攻勢に出る。最後はまたも荒木が決め、25-18で第1セットを先取した。
第二セット このセットを取れば五輪出場権を獲得する日本だったが、セルビアの反撃に遭う。 このセットに入り、徐々に落ち着きを取り戻し始めたセルビアは、エースのヨバナ・ブラコチェビッチにボールを集め、日本の守備のほころびを突き始める。 序盤に主導権を握ったセルビアが8-6とリードを奪った。 点差を詰めたい日本だが、この日はエースの木村がブレーキ。アタックをことごとく防がれ、セルビアに点差を広げられる。日本は流れを取り戻すことができず、12-16で二度目のテクニカルタイムアウトを迎えた。 その後もセルビアが先行する苦しい展開が続くが、ここで気を吐いたのが主将の荒木。 要所でアタックを決め、日本をけん引する。するとエースの木村も本来の調子を取り戻し始め、日本は4連続ポイントを奪い、19-21とセルビアに詰め寄る。 しかし、負けの許されないセルビアに最後は突き放され、日本は21-25で第2セットを落とした。
第三セット 第3セットもセルビアが2点を先取する苦しい展開 しかし、ここまでセルビアのブロックに捕まっていた木村と江畑が連続で決めて同点に追いつく さらに荒木のブロックなどで逆転すると、平井がサービスエースを決め、5-3とリードを奪う 勢いに乗る日本はその後も荒木が得点を重ね、8-5でテクニカルタイムアウトを迎える 完全にこのセットの主導権を握った日本は、江畑の2連続サービスエースや荒木のアタックなどで、5連続ポイントを奪う。 江畑のバックアタックも決まり、16-6と点差を10点に広げる 余裕の出てきた日本は、セッターの竹下が絶妙のトスワークを見せる。 エースの木村をあえて使わず、サイドにボールを散らすことで、荒木や新鍋が連続でアタックを決める。 その後、セルビアの反撃に遭うが、最後は新鍋がアタックを決め、25-19。 日本が2セットを奪い、五輪出場を確定させた
第四セット 五輪出場権獲得が決まった日本だが、第4セットでも攻撃の手を緩めない。セット序盤から点の取り合いになる。 敗れれば五輪出場を逃すセルビアは、気迫あふれる攻撃を展開。 しかし、日本も冷静に対応し、荒木のブロック、新鍋のサービスエースなどで8-7とリードする。 勝利にこだわる日本は、木村が連続でアタックを決めるなど、その後も得点を重ねる。 しかし、勝つしかないセルビアが終盤に猛攻を見せ、5連続ポイントで21-19と逆転。 最後はセルビアが押し切り、25-21。 勝負は最終セットに持ち込まれた。
第五セット 最終セットは序盤から一進一退の攻防。 点を取り合う展開になる。 しかし、この流れを変えたのは日本のミス。 サーブミスなどが続き、セルビアに4連続ポイントを献上し、3-6とリードを許す。 その後、両者2点ずつを加え、5-8でコートチェンジする。 テクニカルタイムアウト後はセルビアのペース。 攻勢に出るセルビアに対し、日本は守備の対応ができない。 新鍋に代えて高さのある岩坂名奈を投入するなど、巻き返しを図るが、最後はセルビアのパワーに押し切られ、9-15で落とす。 日本は五輪出場は決めたものの、最終戦を勝利で飾ることはできなかった。
アジア大陸予選を兼ねた五輪世界最終予選は女子の全日程を終了し、ロシア、韓国、セルビア、日本の4チームが出場権を獲得した
眞鍋監督 「五輪最終予選、選手、スタッフは非常に緊張の中で、プレッシャーの中で(迎えた)。最後はこういう形で(ロンドン五輪への)チケットを獲得したけれど、選手たちは非常によく頑張った。 この苦しい気持ちを(生かして)、次はロンドンで頑張りたい。今日は荒木が非常に良かった。 まずはもう一度、サーブ、サーブレシーブ、ディフェンス、この3つを特に強化したい。五輪最終予選はこういう結果になったが、本大会ではベストを尽くす。」
江畑幸子「五輪ではベストを尽くしたい」 「絶対に2セットを取らなければならないのは分かっていたので、何が何でも取りたかった。(2セットを)取った後は五輪に向けて勝って終わりたかったけれど、勝つことができず残念。課題を修正して本番ではベストを尽くしたい。 持ち味のスパイクで貢献したかったが、貢献できず残念だった。今日の試合に関しては、あまり得意ではないサーブ、ディフェンスは良かった。 大会を通してバックアタックはいいところで使ってもらっているのに、決められなかったのが反省点」 といつも謙虚なエバでした
竹下佳江「自分は誰よりも厳しさを知っている」 「ここまでたくさんの応援をしてもらったので、3セット取って終わりたかった。 自分は誰よりも厳しさを知っているし、いい思いも悪い思いもしている。 若い選手に同じ思いをさせたくなかった。 日本のバレーは相手に対策されているので、違う形で決められるように先手、先手の組み立てをしないと五輪での勝利はない」 と最年長らしい厳しくも 若手選手を思う優しい言葉
荒木絵里香「課題が残る大会になった」 「ロンドン五輪の切符が取れたのは良かったけれど、今日は負けてしまって残念だった。 個人的にも大会を通して迷惑をかけてしまったし、ロンドンへの課題が残る大会になった。 自分の調子が悪く、(五輪の)切符が取れない状況まで(チームを)追い込んでしまった。 このゲーム(セルビア戦)でやるしかないと思っていた。 監督やテンさん(竹下佳江)に『もっと思い切り行け』と言われたので、すべてを出し切るつもりでいたし、セルビアのレフトブロッカーはよくないので、どんどん点数を取る気持ちで臨んだ。 最終予選は簡単に勝てるものじゃないことは分かっていたけれど、思っていた以上に苦しい状況だった。 自分たちを信じて戦うことの大切さを、あらためて感じた。 この大会で(五輪の)切符が取れたので、あとはロンドンに向かうだけ。 ミドルブロッカーの得点能力が毎回の課題で、今大会もサイド頼りの展開が多かった。 もっと点数を取れるように。 この試合は2点だけど、こっちは20点というように波がなく、コンスタントにいいプレーができるようにしたい。」 とキャプテンらしい前向きな言葉と責任感を感じました
木村沙織「切り変えてもっと強くなれるように」 「結果はよくなかったけど、(五輪の)切符が取れたことが一番重要なことなので、本当によかったと思う。 (試合前は)いつもと変わらずにリラックスはしていた。 いい感じで入れた。 自分のプレーはよくなかったけど、切符が取れたことは良かった。 苦しい試合はたくさんあると思うけど、この大会はホームなので、たくさんの応援のおかげで勝てたのが大きい。 本大会はアウェーなので、そこでも結果が出せるようにみんなで頑張りたい。 五輪をアテネから経験させてもらって、役割や立場も変わってきている。 この大会では自分は微妙だったので、切り変えてもっと強くなれるように頑張りたい。」 と、エースも反省することが沢山あったようです
多得点 荒木絵里香 21点
<部門別得点ランキング>
スパイク得点
1位 荒木絵里香 17点 2位 江畑幸子 12点 3位 新鍋理沙 9点
ブロック得点
1位 平井香菜子 5点 2位 荒木絵里香 4点 3位 新鍋理沙 2点
サーブ得点(サービスエース)
1位 江畑幸子 3点 2位 木村沙織 2点 3位 新鍋理沙 1点 3位 平井香菜子 1点
何とかオリンピック出場決まりましたね~~~ 見てるほうもしんどい今大会でした 今日はみんなが良かったけど 荒木が最高だったから みんなが付いていったね~~~ 涙涙の今大会 今後の課題も沢山見つかったようですね 佐野のレシーブが少なかったように思う 彼女が拾えば 周りが答えると思うので、最年長だけど、最年長だから頑張って 若手を奮い立たせて欲しいとおもいました
ロンドンオリンピック 楽しみにしてます 頑張れ 日本