goo blog サービス終了のお知らせ 

Stay for a while

心はいつも旅するlion

徹底された個人主義 【上海旅行2】

2005年07月29日 | 中国国内旅行
中国を旅行していると必ず気付くことがある。

それは徹底された個人主義。しかし、それはよく言えばの話で、実際感じるのは甚だしい自己中心主義である。


特にそれが体験できるのが電車の乗り降りだと思う。日本や欧米では、列車が停車すると、乗る側は降りる人にスペースは開け、下車する人がいなくなったら乗り込むのが暗黙のルール。

しかし、中国、少なくとも上海ではそんなルールはないに等しい。乗る側はドアが開いた瞬間から一気に乗り込んでくる。自分が座ることしか頭になく、これから降りる人がいるなどまったく気にも留めない形相で。

これには男性も女性も関係がない。日本でいう整列乗車や乗車マナー、欧米でいうレディ・ファーストなどあったものではない。一応、ホームには「降りる人の場所」、「乗る人の場所」といった丁寧な指示が書かれているが、これを目に留める人は見られない。彼、彼女らにとって、帰宅までの10,15分の電車内で自分の座席を確保することは、まさに死活問題らしい。


携帯のマナーもかなり問題だと思う。

西安空港から市内への移動のバスの中、係員が説明をしているとき、中年女性の携帯の大きな着信音が鳴った。公共の場で携帯が鳴ることはしょっちゅうなので、特筆することはないが、びっくりしたのはおばさんの対応。

そもそも中国人は日常会話でも声がデカイが、携帯ではさらにデカイ。おばさんは電話に出るなり、完全に自分の世界に入って大声で話し始めた。これには係員も苦笑して、説明を止めたが、おばさんを止めることは不可能だと思われ、おばさんの大声が響く中、再び説明に戻った。

通話後、おばさんはあくびれることなく平然としていた。このように場の雰囲気を読めない人間は五万といる。

また、中国語がわからない人には、中国語の会話はまさに喧嘩をしているように聞こえるが、中国人の知り合いいわく、この感覚は意外に間違っていないらしい。日常生活で中国人は小さいことでも小競り合いになるようだ。


そして、自己中心主義が一番危険を与えるのは路上。

都市部の路上は戦場といっていい。ドライバーが日本や欧米のようにフレンドリーであることはまずありえない。中国は右車線通行だが、赤信号でも歩行者の有無に関わらず右折をしてくるし、歩行者が歩いていたらクラクションを鳴らす。

タクシーに乗っていても、後方確認をすることはほとんどないし、飛び出しや信号無視はほぼ日常化している。これで事故が起こらないのは不思議なくらい。

もし中国に行く機会があるなら、日本と同じ感覚は早々に無くすべきだと忠告できるかもしれない。このような運転マナーであるから、日本からの駐在員は会社から車を持たないように言われているらしい。その代り、専属のドライバーが付くようである。


総じて、中国は「言った者勝ち、やった者勝ち」の社会だと思う。なぜ自己中が多いのか、これは一説には一人っ子政策の影響で若者がわがままになったから、と言われる。ただ、老いも若きも自己中心的なのだから、これはすべてを説明できない。

中国の人口は13億。それだけの人間が社会で勝ち残っていくには、まわりを見向きもせず、人の先を行く、そのためには、ルールやマナーは存在しない。そういうことだろうか。まさに「先んずれば人を制す(人より先に事を行えば、人を押さえることが出来る)」の世界。この言葉の出典は、司馬遷で有名な『史記』らしいが、その教えはしっかりと社会に根付いているということだろうか…。


ダラダラと書いたが、このような環境で生活するためには、自分は日本人だから…と遠慮していてはいけない。 When in Rome, Do as the Romans do. 電車の降り口では乗ってくる人を押し分け、携帯の声やけんか腰の話し方にも負けないくらい自己主張をしなくては。

日本人から中国人を批判したい点は星の数ほどあるが、同じように彼らから学ぶものもたくさんある。

(※写真…中国。西安。兵俑馬。2005年7月撮影)


旅行の醍醐味とは? 【上海旅行1】

2005年07月27日 | 中国国内旅行
旅行の醍醐味とは何か?

そう聞かれたら、私は戸惑うことなく「人との出会い」を挙げるであろう。人との出会いで、旅の情報にも差が出るし、旅のおもしろさは大きく変わるからである。

今回は大きく3つの出会いが旅を充実させたと思う。

1つ目は、初日から3日目まで乗った船の中で出会った3人。

それぞれのバックグラウンド、旅の目的は多種多様。大学を1年休学中のKさんは上海を皮切りに陸路でエジプトを目指すらしい。自称ジャーナリストの卵のYさんは、これまた4ヶ月、陸路で世界一周を目指すが、ガイド本も旅の計画もなく、ちょっと頼りない印象。3年間働いていた職場を離れ、半年間中国やベトナム、東南アジアを旅する予定のTさんはフレンドリーな方で初対面でもまったく臆しない人だ。

偶然、上海到着の日に話をしたことから、上海初日の行動を共にすることとなる。右も左も分からない上海を4人で、開拓したこと。自分のガイドブックに書いていない、安いきれいなホテルを教えてもらったり、一人では行く気になれなかった、上海雑技団を4人で鑑賞したこと。なかなか一人では掴みづらい旅のペースを初日で感じとれたのが一番の収穫だった。

2つ目の出会いは敦煌で会った、上海から来た母、娘の親子。

敦煌の主要な観光スポットへ行くには、自分でタクシー運転手と交渉するか、激安半日ツアーに参加するかどちらかである。私は少々のお金をケチって半日ツアーに参加した。しかし、それは中国人が参加するツアーであって、英語の通訳などいなかった。観光スポットについたが、たどたどしい中国語を使って、グループに寂しくついていく私を気遣ってのことなのか、上海から来たという親子が英語の通訳を買って出てくれることに!

この親子は、観光スポットでの通訳はもちろん、中国での生活、買い物のことなど、いろいろなことを教えてくれた。中国人とひとえにまとめてしまうのも残念な表現だが、今回の旅行で初めて親しみをもつことができた中国人がこの親子だった。

3つ目の出会いは、上海のユースホステルであったマレーシア人の写真家と、重慶から上海に遊びに来ていた中国人の大学生2人。

マレーシア人の彼は、中国語・英語はもちろん、日本語も少し話すことができ、年齢は30過ぎだが、笑顔の絶えない、明るい人だった。中国人大学生は二人とも女性で、重慶は退屈なので、授業のない夏休みには上海に遊びに来ているとのこと。2人のうち1人は英語をあまり話せなかった。私は中国語ができないので、コミュニケーションをとるのは不可能…と思われたが、ここは筆談。意外に意思疎通がはかれ、日本人に生まれたメリットを感じた。

結局、上海最終日の観光は、マレーシア人と中国人大学生1人と3人で周荘へ。周荘への行きかたは少々手間がかかるのだが、中国がネイティブなだけに心強い。現地での通訳もしてもらった。ホステルで偶然同じだったとはいえ、やはり思い切って話しかけてみることは大切だと実感した。


旅行に関わらず、まわりが自分の知らない人ばかりであったり、なじみのない環境に身をおくと、誰もが敵に見えてくる。これが異邦の地であれば、「人を見たら泥棒と思え!」ということわざが身にしみてわかる。

ただ、その緊張をやぶる、緊張がやぶれるのはちょっとした出来事であったりすることが多い。人から親切にされたり、自分の行為が相手に認められたり、感謝されたり…。それは多くが人と人との接触の中で起こると思う。

人間、新しい環境に飛び込んだとき、どれだけ早く、そしてうまくその環境に適応できるかで、その後の楽しみが違ってくると思う。その機会を早く掴むために、受身ではなく、自分から行動することが大切だ。これは旅行に限らず、人生のあらゆる場面で有効だと思う。

自分のまわりの環境を自分の心地よいように整えていくには、他力ではなく自力でやらなければ。その際に重要になるのはやはり、人との出会いであり、これからも出会いを大切にしたいと思う。(長くくどくなってしまった…)

(※写真…中国。周荘。通称「臭うベニス」。2005年7月撮影)


帰国

2005年07月21日 | 中国国内旅行
本日午前9時に帰国しました。

上海からの船は初日は結構揺れたものの、昨日からはとても穏やかでした。

2週間とやや短い(?)旅行でしたが、初の中国はとても充実していたと思います。詳しいことは旅行記としてまた書こうと思います。

まずは25日の卒業のかかった試験に向けて全力を尽くすこと。旅行で得たエネルギーを勉強の方に変えてがんばります!

(※写真…中国。上海。2005年7月撮影)


ヤバイ

2005年07月17日 | 中国国内旅行
台風5号が接近中だそうです。

19日には中国にもとどく見込み。19日とは、僕の上海出発の日です。何がヤバイかって、25日が卒業がかかる試験なのです。これを受けなかったら卒業できない。

さっき、上海に着きました。19日まで祈るのみです。最悪の場合は飛行機を使って帰ろうと思います。

とりいそぎ

敦煌

2005年07月13日 | 中国国内旅行
らいをん@中国の敦煌です。やはりインターネットも日本語入力も、ほぼ世界中でできますね。便利な世の中です。

日曜に上海に着き、翌日のフライトで一気に敦煌まで来ました。敦煌は今一年で一番気温が高い時らしく、人は思ったほど多くありません。今後、9月にかけて人はグッと増えるそうです。

敦煌の有名な場所といえば、莫高窟。私がこれを知ったのは、平山郁夫の絵画でした。その時からいつかは行こうと思っていました(平山郁夫の作品は奈良の薬師寺の本堂にあります。もちろん他にもいろいろ)。

莫高窟は、砂漠の中の巨大な岩の塊を削り、つくったほこらが無数にある場所です。ほこらは古くは初唐のころから作られ、中に仏教色溢れる壁画や仏像があります。ほこら一つ一つに中の形、仏像、壁画の特徴が異なり、非常に興味深いです。

中でも、値は張りますが、特別窟と呼ばれるほこらには、精巧な壁画と美しい仏像があり、仏教、遺跡好きにはたまりません。

当初の予定では、敦煌行きは考えていませんでした。しかし、夏場でなければなかなか行けないところで、かつ、遺跡が見られるところと考えたとき、敦煌しかないと思いつきました。それは上海についた翌日で、つまり、その日に思いついて、その日に一気に敦煌まで来ました。

明日からは西安に移り、西安では地下にたくさんの兵士が並んでいる博物館に行きます。これも中国に行ったら絶対に行こうと思っていたところです。西安でもまたブログを書こうと思っています。