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☆うさぎ“雑”学?☆

うさぎさんの『不思議』を追求していったら・・・・
日々、勉強!わたしなりのうさぎ雑学です(^^

純血種と雑種

2006-06-27 | Weblog
まだまだ、勉強中で誤解している部分や、不明な点が沢山ありますが、純血種と雑種の差と
いいますか、「あ~、そういうことなのか」と言う発見がありました。

私もずっと信じていました。

『雑種は強い』

これの意味を、病気もせず長生きする、忍耐強い等と受け取り、雑種の方が性格もいいし、
人懐っこいし、そして何より親近感があり、純血種というとお値段も高めだし、なんとなく
敷居が高くて遠ざけていました。


私が小学生の頃、ご近所で純血種のプードルを知人から預かった御宅があり、見に行きました。
そのトイ・プードルは「レーガン」と言う名前で、室内犬というだけあって真っ白な体に黒い瞳に
綺麗にカットされた容姿を見ると、とても高貴そうな、理知的なお顔に見えました。
当時は純血種を飼うお家、と言ったらお金持ち!というイメージがあって、しかも外国の犬です。
犬といったら、柴犬かスピッツか雑種で尚且つ外飼いだったので、シゲシゲと眺めました。

ところが預かったお宅の話を聞くと、ゴハンは牛肉しか食べず、朝晩、肉屋に買いに行くと
いうのです。さすが純血種!そこら辺のワンコとは違うよね~、なんてそのお宅の同年代の子と
話をしてました。1ヶ月程居ましたが、飼い主さんが海外旅行から戻られて、レーガンも
帰って行きました。

我が家でもスピッツ系の雑種のワンコが居て、彼女にはドッグフードを食べさせていました。
この当時でももっともっと、犬や犬種について、健康について、血統について詳しい方も
いらっしゃったとは思いますが、病院に行くことすら頭に無く、病院は怪我を治す所、って
感覚が一般的な考えでした。病気をしても、病院で痛い目をみるなら、そっとしておいて
好きなことをさせてやろう、と。少なくとも、我が家のご近所では、そうでした。



ここ数年です。ペットブームが起きて、様々な外国の犬達が日本に入ってきて、ブリーダーも
ブリードすることで生計が立ち、トリミングや動物病院が増えたのは・・・・
そして純血種も注目を集め、ペットショップに行けば、純血種の犬や猫、ウサギが簡単に
手に入るようになりました。ウサギではまだまだですが、犬、猫に関しては、純血種といえば
血統書があります。血統書に関しても誤解があるので、それもいつか書きたいと思いますが
なぜ、ここで純血種と雑種とに目を向けたたかといえば、「障害を持って生まれたペット」が
注目されるようになったからです。なぜ、障害を持って生まれたか?と言うと、乱交配による
もので、障害とはつまり遺伝疾患であり、生まれる前から予防できるものである、と思うからです。

純血種では、その種の持つ遺伝疾患がはっきりとしています。この品種には、こんな病気が
出やすい、と。犬種で見れば、今、一番問題になっている股関節の異常で、これはラブラドール
レトリバー
に多く見られる異常です。最近、注目されているボーダー・コリーも遺伝病はあります。

ウサギでは、獣医師とブリーダーと見解が分かれるのですが、ブリーダーは不正咬合は遺伝病と
とらえています。その前に、獣医師とブリーダーの不正咬合そのものの「理解」が違っている部分が
あり、これからの研究が待たれるものですが、ブリードする中で不正咬合を持っている親は繁殖から
除外します。子ども達も交配させません。これによって、純血種では殆ど見られることはありません。

また、メスに多発する子宮疾患、オスメス関係無く発症する腫瘍、膿瘍、腎臓、尿路結石、等といった
命を脅かす病気もブリードの現場では、あまり見られ無い病気です。
日本で飼われているウサギは、圧倒的に雑種が多いですから、獣医師も雑種ウサギの症例を多く
診ることになります。もっとも、ブリーダーも不正咬合に代表されるように、病気そのものの理解が違う為
獣医師の元にはあまり行きません。症状が出ないから行かない、というのもありますが・・・・

それにしても、アメリカのブリーダーに聞くと、日本のウサギの病気の数の多さ、発症の多さには、
目を丸くして驚きます。elleを相談した時も、そんなにひどい症状なんて経験が無い!と言われた程です。
また、ブリードもしながら、獣医師もしてる先生は、母子感染による強烈なパスツレラ菌を持って
いたのだろう、きちんと管理繁殖していれば防げた症例かもしれない、と思われる返信も頂きました。

うさぎを飼う前に③でも少し書きましたが、「遺伝疾患」とは、ブリードの現場で解るものが
殆どです。ただ、ブリードは長年の“経験値”から『ルール』が決められ、それがスダンダードに
なりました。勿論、容姿もありますがウサギに限って言えば、骨格と筋肉のバランスが一番
重要視されています。そして、そのルールに従って繁殖すれば、おのずと遺伝疾患は最小限に
押さえることができます。

最近では、遺伝学なども取り入れられ、より科学的に証明がなされています。
ブリードの経験値と科学的根拠が一つになって、はっきりとした「遺伝疾患」が証明される
事が、早急に望まれます。このことにより、純血種は弱い、近親交配がいけない、雑種が強い、
という、様々なウワサが無くなるでしょう。

始めにかえって、雑種が強い、が当たらずとも遠からじ、と感じるのは、ブリードの中で雑種は
認められています。但し、これにはきちんとした「意味」があります。
ブリードには、インブリード、アウトラインブリード、クロスブリード、等、様々な交配の
手法があります。その中で、雑種の交配の役割は、ある種が出産数が減ったり、種全体の
衰退が見えるとき、まったく異種の交配=雑種を意図的につくります。この雑種の交配も
ルールがあるのですが、このことにより、雑種の1世代目は、ものすごい繁殖力を示します。

また雑種といえば、♂の馬と♀のロバの雑種をケッティ、逆に♀の馬と♂のロバの間の子をラバ、と
言い、いずれも馬の優れた所とロバの優れた所を種間雑種によって、受け継ぐ目的で作られました。
しかし、ケッティはあまりよく無かった(何がよくないか“?”ですが)ようで、ラバの方が
重宝がられました。しかし、オスのラバには繁殖能力がありません。

狼と犬との間の子には、繁殖能力があります。これがあって、犬の祖先は狼だ、と言われる
元になるのですが、種間雑種はこのように「繁殖能力を持たない異常個体」が生まれることも
あります。
しかし、1世代目の雑種では両親からの“いいとこ取り”する傾向にある為、「雑種は強い」の
所以になったのでは、と考えています。



交配というのは、遺伝子の広がりを意味します。似通った遺伝子同士では、相乗効果が現れ、
これが良い方向に向けばいいですが、悪い方向に向けば異常をきたします。
インブリード(近親交配)は、良い方向に向けるためのもので、これが過ぎれば悪い方向に
向い、異常を引き起こします。だからこそ『管理繁殖』が必要になってきます。
同じ個体を繰り返し使えば、悪い方向に向かうことは必至です。

インブリードで真っ先に思い浮かぶのは、サラブレッド種やアラブ種の世界です。
競争馬は、たまに毛色によって走る、走らない、というジンクスみたいなものがありますが、
走る能力、肉体美は子々孫々受け継がれています。サラブレッドの祖先は、ご存知の通り
3頭の種牡馬に全て、行き着きます。これも管理繁殖のたまものです。

ウサギもその昔は、肉食、毛皮用、一部、ペットでした。近年になって、ペット化が進み
新しい品種の作出や、それまでの“家畜”からペットへと移行する中で、同じ品種内でも
改良され、また、大きく分けるとヨーロピアンスタイルとアメリカンスタイルが出来ました。
このような改良や新品種の作出には、ブリードのテクニックは、大変、重要です。
ある意味、雑種が固定化されたものが純血種、とも言えます。純血種と雑種では、相互作用によって
遺伝子の広がりを可能にし、また強めていくものなのです。

しかし、乱交配による雑種の更に雑種となると、どのような遺伝異常が起こるか解りません。
また、どんな病気を遺伝で持ってるか、解りません。人類が最初に家畜化した動植物達は、
いわば純血種でした。そこから、突然変異種をうまく交配し、組み合わせ雑種を作り、新たな
純血種を作って来ました。ただし、これにはルールがあります。このルールを無視した
「乱交配」は行ってはいけないのです。

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