最後に、ラスティー・ウェストッフ(Rusty Westhoff)氏による、血統書の見方、書き方の
講義です。
そうそう!血統書を見ても、その情報が読み取れなければ、まったく意味がありません。
姫の血統書を見ても、実は何がなんだか解らなかったりして・・・・・


ようやく理解できる時が来ましたっ!!しかし・・・血統書を持ってくるのを忘れました。。
※ あくまでもARBAに登録、またはARBA公認種を繁殖するにあたり、必要な方式のことで
全ての血統書はこの限りではありません。
血統書とは、ウサギの家系図のようなもので、3世代までが記載されています。
血統書では必ず記載しなければならないものがあり、3世代全ての個体のカラーと
体重です。この記載が無いと、血統や系統が解りません。
血統書は誰が書いてもいいものです。ウサギをブリーダーの元から購入すれば、その
ブリーダーが書いたものですが、繁殖者が別にいる場合は、その記載もあります。
そして、ウサギにもイヤーナンバーが左耳に入っていて、血統書にもイヤーナンバーが
記載されています。血統書にも左上にイヤーナンバーを記載する欄があり、無い場合は
自分で書き込みます。繁殖者の名前や、ラビトリーの名前の情報も必要です。
イヤーナンバーはショーに出展する時は必ず必要ですが、それ以外では必ず入れるとは
限りません。例えば、繁殖には不向きなペットタイプやまだ生後間もない頃では、イヤー
ナンバーが入っていない場合もあります。
イヤーナンバーは、1文字以上30文字未満(英字、英数字の合計数)までが規定に
なっています。というのは、ラビトリーの名前をイヤーナンバーに使う場合があるから
です。イヤーナンバーを見れば、一目でどこのラビトリーか解ります。また、個体識別
にも用いられます。
一番、詳細に書いてある血統書は、3世代までの両親の記載がある。(本兎を含めると
4世代になります) 全ての個体のカラー、体重が記載されている。イヤーナンバーが
ある。本兎の誕生日がある。繁殖者、またはラビトリーの情報が載っている、ことです。
実際に血統書を見てみましょう。
☆参考に、わが家の姫の血統書を載せました。(エバンス社製)
最近、血統書が簡単に書いて管理できるソフトが開発され、エバンス社製のソフトや
その他にもいくつか、血統書のソフトがあります。ARBAでも、ARBA様式の血統書を
発行しています。
但し、何度もいいますが、血統書の信用は「書いた人」の信用でもあります。決して
ARBAが血統書の内容や生体に関して、保証しているものではありません。あくまでも
“書きやすいように”したものです。自分で手書きでオリジナルを作っても、なんら
問題はありません。横書き、縦書き、用紙の大きさに制限はありません。
また、これほどまでに詳細な情報を載せるのは、ウサギの登録(ARBAに)をしようとした
時に、これらの情報が必要になってくるので書くのです。登録を目的としないならば、
この方式に従うことはありません。
血統書の見方です。(姫の血統書を使います。実際はラスティさんの血統書を見ました)
まず、左端に“本兎”の情報が書いてあります。
名前 : T&D NANNA (名前を付けていない場合もあります)
カラー: OTTER-BLACK (日本ではブラック・オターになります)
イヤーナンバー(Ear#): N2
体重(Waight): (普通は単位はポンドです)
G.C.#: (グランドチャンピオンナンバー、賞歴の一つ)
誕生日(DOB): November.29.2005 (2005年11月29日生)
性別(SEX) : DOE (メスはドゥ、オスはBuck、バック)
※登録番号(Reg#): (ARBAに登録された兎のナンバーです)
※賞歴(Legs): (1位を取った回数です。Winとも表される)
※印については、あとで説明します。
次に、本兎の右となりには、両親(1世代)が書いてあります。父方は上方の系図、
母方は下方の系図を辿ります。
【父方】父~祖父母(1-2世代)
祖父母~曾祖父母(2-3世代)
父(Sire) 母(Dam) 祖父(G.Sire) 祖母(G.Dam)
曾祖父(G.G.Sire) 曾祖母(G.G.Dam) の事です。世代を色分けしている
血統書もあります。
【母方】母~祖父母(1-2世代)
祖父母~曾祖父母(2-3世代)
このように3世代、全てのイヤーナンバー、カラー、体重が記載されています。ブリーダーと
血統、そして本兎に対して、高い信頼がおけるものになります。
次に※印をつけたRegとLegsについて、説明します。
まず、Registration(レジストレーション)の略で、ARBAに兎が登録されたことを
意味ます。登録には、ARBAの兎専門の登録士が認定した兎だけが、登録されます。
登録士はジャッジと同じくらい重責を担っています。登録士になってから、ジャッジに
なります。いずれも、全ての品種のスタンダードが解らなければなりません。登録士は
他に、兎の登録などの申請書類に不備が無いかも、チェックするちょっと大袈裟ですが
審査官でもあるのです。
実際に登録するには、まず、兎が生後6ヶ月以上であること。左耳にイヤーナンバーが
刺青されていること、スタンダードを満たしていること、3世代まで載っている血統書が
あること、オーナーがARBA会員であること。この条件を満たし、尚且つ登録士が
兎を実際に見て、登録可能であると判断された兎だけが、登録されます。
登録する意味は、兎の情報が消えないこと、それ以降の管理が楽になるのです。
登録が完了すると、今度は右耳に“R”の文字を刺青されます。後に書類でRegナンバー
が届き、血統書に記載することができます。
次に、まぎらわしいですがLegsです。こちらは、ショー成績で、1位を取った数が記載
されます。この1位というのは、出展者が3名以上、出展兎が5頭以上で競われたクラス
に限ります。例えば、兎の頭数は5頭いても、出展者が一人の場合もあります。
こういう場合は、いくら一位をとっても賞歴としては残りません。
このLegを3回取ると、G.C、グランド・チャンピオンの資格が得られます。このグランド
チャンピオンの資格を取ると、登録する資格も貰えます。ARBAの登録士に申請書を
提出し、審査を受け登録されます。先にも言いましたが、オーナーが会員でないと資格が
あっても登録できません。このG.Cは単にLegを3枚取った、という事実だけでそれ以上
でも以下でもありません。ショーのレベルに左右されるからです。ローカルクラブと
全米ショーでは、レベルが違います。同じ1位でも、そのショーの内容までは解りません
ので、実際にウサギを見ることです。
ちなみに、姫の血統書を読み解くと、父方の方に賞歴があります。母方がいっさい、ショー
に出なかったわけではありません。例え出ても賞歴に乗る成績ではなかった、というだけです。
賞歴が無いからダメだとか、そういうものではありません。また、父方に賞歴が集中して
いるのは、Buckの方が優性遺伝が出やすいからです。Dueは繁殖を控えていたり、
ショーではDQであったとしても、全体のバランスが取れていれば、繁殖向きになります。
ショーラビットとは、よりスタンダードに近い血統である、という意味で
それ以上でも以下でもありません。いくらグランド・チャンピオンだからといって、
本当にいいウサギかどうかは、実際に自分の目で見ることです。繁殖は形ばかりではなく
性格も重視します。いくら賞歴があっても、性格が凶暴であったり、臆病であったりと
する固体は繁殖には不向きです。繁殖は賞歴ばかりでも成り立ちません。血統でもそう
です。賞歴のある個体ばかりを集めて、繁殖させても子ども達全てが、賞歴を取れると
いうものではありません。賞歴ばかりにこだわるのではなく、実際のウサギを見て、
触って判断するものなのです。
☆ 内容に不備があり、加筆、修正しました。