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☆うさぎ“雑”学?☆

うさぎさんの『不思議』を追求していったら・・・・
日々、勉強!わたしなりのうさぎ雑学です(^^

福島のウサギ

2011-05-24 | Weblog
東京電力福島原発事故後に産まれた耳なし子うさぎが話題になっているようす。
この仔ウサギが本当に生まれた時から、耳が欠損しているのか分からない。
交配状況が不明。どの親からなのか。兄弟はどうなのか。
ウサギのブリードの現場では、まれにしっぽの欠損や手足の欠損があるそうだが。

放射能汚染による遺伝異常だとする証明は、専門家でなければ判断できず
人の場合でも、例えば癌化が加速するとか、癌が異常発生する、幼少期に汚染にあった
などの事例を挙げても、即、それが放射能汚染によるものと要因付けされている
訳ではない。

ブリードの現場ではどんな家畜でも、また猫や犬においても末端部の欠損は
通常の場合でも時々みられるもの。
この仔ウサギの耳の欠損を科学的に証明できなければ、突然変異の域を出ない。
短絡的に放射能汚染に結びつけるのは風評被害に繋がる。

親ウサギが普段と違う雰囲気を察知して、より神経質になりストレスから
仔ウサギの耳を齧ってしまったということも考えられる。
個人的には、耳は体温調節をする大事な器官でもあるので、体温調節がうまく
できるか心配である。


私信 ~Mママさんへ~

2008-03-03 | Weblog
私はブリーダーではありませんが
あなたのブログを読んだ一個人が
「これだからブリーダーは…」という感想を持っていること自体ブリーダー全体の印象を悪くしていると言いたいのです。

「子供を生ませるのなら生後1年まで」
と普通のうさ飼いでも知ってるようなことすら守らず
お産の事故でうさぎを亡くされてますよね。
それともまだ勉強中でわからなかった、ですか?
ブリーダーと名乗る以上、勉強中の初心者もベテランも私たちから見れば一緒です。

小難しい文章を並べるのが好きなようですが、
そこから何も伝わって来ません。
本で読んだ話し、人から聞いた話しでは自分の身にはなりませんし
他人の心を動かすこともできないと思います。

>人為的淘汰を科学的に理解し、実践している人
あたま悪いので意味わかりません。

~~~~~~~~☆~~~~~~~~~~☆~~~~~~~~☆~~~~~~


栄養学①の方で上記のコメントいただきましたが、長くなりますので、こちらで
回答させていただきます。
大変、遅くなりまして申し訳ありませんでした。


まず、「これだからブリーダーは・・」と思う根拠はなんでしょうか?

もし、ブリーダー自体の印象を悪くしているというのなら、先のコメントにも
書きましたが、このブログを読んでくださったブリーダーさん達の誰かが、
そう言うでしょう。しかし、そういったことは一切、聞いておりません。
それともMママさんの周りにいらっしゃるブリーダーさんが、そうおっしゃって
いらっしゃるのでしょうか?それならば、そのブリーダーさんから、直接
お話を伺いたいと思います。


子供を生ませるなら1歳まで、というのも一般家庭での繁殖が増えた為に
飼育書を書いた方や編集の仕方で、そう言われるのだと思われます。
事実、私も飼育書を読んでいましたから、同じ質問をブリーダーさんに
しました。

その本当の理由というのは、1歳までに初産を済ませると、その後に産まれて
くるこのスタンダードを満たす率が高く健康であり、母体が出産に耐えやすい
体を作れるから、負担が軽減されるからということです。
確かに初産のリクスは多少は高くなりますが、2歳で初産を迎えたウサギも
います。人間の出産でもそうですが、どんな出産に関しても「絶対安全」という
ことはありません。生物学上で言うならば、人間の初産は25歳までとも聞きます。
これと同じことがウサギの場合「生後1歳までに」と言われる根拠だと
思います。

レイアの出産にあたって、多数のブリーダーさんの意見を伺いました。
初産は1歳までとおっしゃったブリーダーさんもいらっしゃいますし、いやいや
特にスタンダードに拘るのでなければ大丈夫、そのウサギの体質だから、と
おっしゃった方もいらっしゃいました。
また、レイアをブリードしたアメリカのブリーダーさんにも意見を求めましたが
特別、1歳過ぎたからということに関しての意見は何もありませんでした。

出産の事故についても、ブリーダーさんそれぞれの見解があり、本当の原因を
確かめるには病理解剖するしかありません。しかし、ウサギに関して病理解剖を
してもはたして原因がつきとめらるかどうかは疑問ですし、これ以上、ウサギを
傷つけるのは忍びなかったので私はしませんでした。

あるブリーダーさんは今回の私とまったく同じケースで過去にウサギを亡くして
いて、その時に勇気を出して病理解剖をしました。その結果、出産のおりに
腹内のどこかか、腸内、腸壁のどこかの大動脈が破裂し、失血によるショック死で
あることが解りました。多分、レイアも同じではないか?と思われます。

こういった出産にまつわる事故は、国内のネザーラビトリーでは多いようです。
ネザーをブリードしてる方々に伺ったら、そういう答えが返ってきました。
この事故は、はたして1歳過ぎだったからとは言い難いものがあります。
レイアの初産は確かに1歳過ぎでしたが、2回目の出産だったのですから
初産ではありません。
1歳前に初産を終え2回、3回と出産を経験したウサギが突然死することも
あるそうです。ベテランのブリーダーでも出会う事故である、ということを
ご理解頂きたいと思います。

振り返って、ショップでかわいい容姿で魅了する、ネザーの仔ウサギ達が
母ウサギのこういったリスクの上に産まれ、新しいオーナーと出会って
いることを知って欲しいと思い、ブログに書いています。


>本で読んだ話し、人から聞いた話しでは自分の身にはなりませんし
>他人の心を動かすこともできないと思います。

では、生後1歳未満で出産を、というお話しはどこから得た情報でしょうか?
私は飼育書やネットの掲示板やブログ、HPなどで拝見しましたが、それと
同じではないでしょうか?身にならない、とは思いませんが。。


小難しい表現で理解しにくい、というご指摘がありますが、私も頭が悪いので
これ以上、書きようがありません。ご了承ください。


人為的淘汰を科学的に理解し実践してる人、の意味が不明であるとのことですので
知りうる限りのことを書きます。誤解も多々あると思いますので、その点もご理解
いただければ幸いです。

まず、家畜全てに共通することですが、人が人の利用目的の為に、種の持っている
能力の一部分を最大限、引き伸ばされた生物が「家畜」です。
そのいわゆる品種改良の中で、どうしても遺伝的に問題が生じ、好ましくない
固体があります。気性が荒かったり、奇形で産まれてきたり、貧弱であったりと
野生動物ならば自然淘汰されますが、人の手によって作り出される「家畜」は
人がその淘汰をしなければなりません。

遺伝子が発見される前は、それはブリーダーの経験が最大限、生かされていました。
現在では遺伝子が発見され、更に固定品種の裏付けと、新しい品種改良の手助けに
なるようになりました。

この遺伝子異常をある意味、見極めるために「スタンダード」があります。
また、ブリードにもルールがあり、インブリード、ラインブリード、クロスブリード
等と呼ばれるものがあります。
インブリードは親子がけ、ラインブリードは親戚同士、クロスブリードは、まったく
違う血統を入れ、いわゆる血を薄める、好ましく無い遺伝子を中和させる役割を
果たします。こうしたルールを科学的に理解し、そのルールの中で繁殖させる、
という意味です。なりふりかまわず掛け合わせて、またはスタンダードを無視して
同じ品種同士を掛け合わせているようなブリードは、本来ならば好ましくない
固体を増やすことに繋がっていきます。更にタブーとされている兄弟姉妹間や
遺伝子異常を持った個体同士の交配などは、ブリーダーの責任意外、なにものでも
ありません。それはその交配を行ったブリーダーが糾弾されても当然のことです。

ちまたで言われる、親子がけが悪のように思われますが、きちんと理解して
交配させているのであれば、何の問題もありません。
何より、ブリーダーが育てているウサギ達の中に、皆さんの手元にいるウサギの
ような病気が少ないのはなぜか、ということを理解して頂きたいと思います。

昔の日本のウサギは白い体に赤い目の、いわゆるアルビノ種を固定化させた
ものです。野生の世界では、まず、生き残る確率が低い固体です。ですから、
人から時に“神様の使い”とされるのでしょう。こういったウサギもブリーダーの
手から作られたものです。そのウサギを「かわいい!飼いたい!」と言って
皆さんが飼われるのです。

ブリーダーは一方向から見れば、科学者的な部分もありますが、その前に
非常に愛情を持ち、自信を持ってウサギと接しています。

ARBA勉強会(4) -2006年12月9日-

2007-06-26 | Weblog
いよいよ最後になりましたが、講義中に出た質問と回答です。
それぞれの講義の記事内にも入っていますが、それ以外のことをまとめてみました。


◎ 暴れるウサギを大人しくさせるには、どうしたらいいですか?

A;人間がウサギをコントロールするのです。ウサギに振り回されては、お互いに怪我を
  してしまいます。その為のハンドリングです。コントロールというのは、頭ごなしに
  こうしろ!というのでは無く、ウサギを安全に扱うことです。


◎ 奥歯がトゲ状になるのは不正咬合だから。ペレットを食べさせるからと言うのですが?

A;不正咬合とは噛みあわせのことであり、奥歯がトゲになることとは別のものです。
  なんらかの原因があり、歯の磨耗が妨げられたもので、噛みあわせが悪いと自然に
  切歯が合わなくなります。それと、ペレットを食べさせているからではなく、
  不適切なペレットを与えているからです。私のウサギ達では、ペレットで不正咬合に
  なったウサギはいません。また、奥歯のトゲもそうです。不正咬合は遺伝です。


◎ 顔の丸い種(ダッチ、ホーランド、ネザー等)は、不正咬合になりやすいと聞きますが?

A;ドワーフ種は、成長期において、上顎と下顎の成長の早さに差が出て来てしまい、
  一時的にバッティング(受け口)になってしまう固体もありますが、大人になれば
  きちんとかみ合います。特別なりやすい品種はありません
  (ちなみにダッチはドワーフ種ではありません)


◎ どんなペレットがいいペレットですか?

A;ある程度の固さがあり、アルファルファ原料のペレットです。チモシー原料では体に
  必要な栄養は取れません。また、新鮮なもので牧草の香りのするものです。


◎ 成長に合わせてペレットを変える必要がありますか?

A;まったく必要ありません。逆に、どうして成長に合わせて、変える必要があるのか
  こちらが聞きたいです。ウサギは終生変わらないものを食べ続けます。犬や猫
  まして人間ではありません。乳離れした時に与えたペレットを、ずっと与え続けて
  います。それで体調をくずすウサギはいません。老ウサギになれば、余計に栄養が
  まわりにくくなり、栄養不足を招きます。成長ステージに合わせては不必要です。


◎ カルシウムの過剰摂取について、教えて下さい。

A;カルシウムの過剰摂取については、皆さん、それこそ過剰反応です。ウサギの体は
  余分なものは出す生き物です。それに、常成歯、常に歯を伸ばしているのですから、
  逆にカルシウム不足を招いてしまいます。それこそ、歯のトラブルがおきますから
  カルシウムについては、ほとんど気にしていません。(笑)


◎ 牧草の1番刈り、2番刈りなど色々ありますが、どの牧草が与えても良いものですか?

A;その質問に答える前に、その1番刈り、2番刈りとか何のことか、教えて下さい!
   (通訳の方が、日本で販売されている牧草を説明しました)

  その牧草の成分表というのか、栄養素の表は正しいものなの?牧草は牧草で、何番
  刈りというものは初めて聞きました。どうして皆さんは、そんな牧草を与えるの
  ですか?ウサギの嗜好のためですか?それほどウサギに気を使うなんて・・・・

  アルファルファかチモシーか、またはなんとかグラスか、という種類は必要ですが
  それ以外は必要ないと思います。牧草は収穫される土地、土壌、気候、などでも
  品質が変わってきますから、何番刈りというようなことを気にしても、無意味だと
  思います・・・・・・


◎ ダッチのドゥ(メス)に子宮系の病気が多いと、獣医師から聞きますが?

A;私は長年、ダッチをブリードしてきて、そんなドゥはいません。どの品種のドゥにも
  子宮癌や子宮に関係する病気は見られます。特別、ダッチに多いとは思えません。
  ただ、不妊症のドゥには原因は解らないけれども、そういう病気になる可能性は、
  高いかもしれません。ウサギは突然、具合が悪くなることはありません。
  人間が気付くのが遅いだけ。それは、ウサギが具合が悪いのを隠すから。手遅れの
  場合が殆どで、そういう時は死を覚悟します。


◎ 冬の過ごし方はペットヒーターを入れていますが、他になにか必要ですか?

A;ペットヒーター?どれだけ寒いの?氷点下何度くらいの所なの??
  ウサギの毛なら、室内で飼っているなら殆ど不必要です。寒い時、寒い温度でないと
  うまく換毛しません。マイナス15℃くらいでも、十分、耐えられます。その為の
  毛ですから。隙間風は危険ですが、皆さんは家の中で暖かく過ごしているのだから
  ウサギにしたら、冬でも暑いかもしれませんよ。(笑)


◎ 野菜や野草は、どんなものが(ウサギにとって)良いですか?

A;すみません、野菜や野草は与え無いので解りません。野菜は水分が多くて、下痢して
  しまうので与えません。野草もそうです。どんな毒草か解からないですから。


◎ ヨーグルトや納豆菌を与えていますが、効果はありますか?

A;ヨーグルトは与えても無駄です。耐性ができてしまうし、ウサギの胃腸には発酵物は
  負担になり、良くありません。市販されている乳酸菌も、殆ど効き目はありません。
  ただし、抗生剤を飲ませる時は、植物由来の乳酸菌が良いと言われています。


◎ 胃腸のトラブルの時の対処の仕方は?

A;下痢やうったいの時は、返ってペレットは胃腸に負担がかかるので、この時は牧草
  食べ放題にします。水は必ず与えます。2日間、様子をみて改善されない時は、ニュー
  トリカルを与えてみる。その後、腸内のPHが安定するまでは、牧草と水のみの食事
  にする。PHが狂うと下痢をします。


◎ 避妊・去勢することについては、どう考えていますか?

A;1頭飼育の場合は、必要無いと思います。例え多頭飼育でも、きちんと人間が管理して
  いれば、わざわざ手術をする必要はないでしょう。1頭、1頭、ケージを与えていれば
  ストレスは感じません。ドゥの方を大きめにします。広すぎてもダメです。
  適度な広さがあれば、運動も十分できます。
   (日本のケージは基本的に、ウサギにとっては狭いし、米のブリーダーは
     外のウサギ舎で飼育しています)

ARBA勉強会(3 - ②) -2006年12月9日-

2007-06-25 | Weblog
次に、血統書の書き方です。
こちらは、ARBA様式のものです。





何度も言いますが、ARBAにウサギを登録するに当たり、便利なように“便宜上”の
血統書であり、この用紙で書いてあるから、生体や血統書、そのものの保証にはなりません。


おおよその書き方は、ほぼ同じで左端、中央に本兎の情報、右に行くに従い先祖を書き
ます。父系を上段に、母系を下段に入れていきます。

本兎の情報


両親(1世代目)の情報(上:父 下:母)


祖父母(2世代目)の情報


曾祖父母(3世代目)の情報



ラビトリー情報


送り主の情報

SEXやBORNは、ウサギの情報を書きます。



時々『先祖に同じ名前が繰り返されて出てくるのは、大丈夫?』という質問を受けます。
私もまだ勉強中なので、そう疑問に感じたら、買ったあるいは引き取った元のラビトリー
なり、繁殖者に聞いて下さい。はっきりとした、説明ができない場合は、あやしいで
しょうが、一つのルールとしてはそういった、何度か同じウサギを使うことは可能です。
但し、あまりにも繰り返すと劣性遺伝子の方が強くなるので、よくないことは確かです。

血統とは“一族”という大きなグループで考えます。初めてブリードを開始する時は
1頭のオスに対し、2~5頭のメスを一つのグループとし、2組ないしそれ以上を持ちます。
その中で系統(ライン)を作りだしていくので、何度も同じメスやオスが出てきます。
インブリード(近親、親子掛け)、ラインブリード(血族掛け)、クロスブリード(同じ品種
内で別の血統を入れる)、アウトブリード(似通った品種の交配、時に雑種も可)等が
あります。これらを組み合わせて、自分の理想のウサギを作るのです。

こういったブリードを見るのが血統書なんですが、逆に3世代前までしか解りません。
というのは、この3世代前までが、一番、本兎に強い影響を与えているからと、考えられる
からです。これを利用して、雑種でも4世代以降は血統書が書けるようになります。

例えば先代elleの場合、彼女はダッチ系ミックスでしたので、ダッチの純血種と交配を
していけば、彼女から数えて5世代目からは、純血種として血統が残せるようになるの
です。但し、必ず相手が純血種であることが、必要です。

ですから、ラビットショーでは血統書はいらないのです。血統書が必要なのは、ラインを
見るべく「繁殖するウサギ」だから必要なのです。ショーはどれだけスタンダードを
持っているかの審査ですから、このショーで認められれば、本兎以上のウサギ、祖先が
解らなくても、それ以降から、純血種と交配していけば、そしてスタンダードを目指して
いけば、血統書も書けるし登録も可能になります。

血統書を見て、本兎を見れば、そのブリーダーの技量がわかります。
知りつくしている人ならば、血統書を見ただけで「誤魔化している」とか、どこかで
細工をしている、と解ります。しかし、そんな小細工は逆に面倒なので、悪徳業者や
にわかブリーダーが行なう傾向にあります。

残念ながら日本では、血統書や純血種についてマイナスイメージの方が強く、歓迎され
ませんが、本来の意味は繁殖するカギを握るものなのです。

ARBA勉強会(3 - ①) -2006年12月9日-

2007-05-15 | Weblog
最後に、ラスティー・ウェストッフ(Rusty Westhoff)氏による、血統書の見方、書き方の
講義です。

そうそう!血統書を見ても、その情報が読み取れなければ、まったく意味がありません。
姫の血統書を見ても、実は何がなんだか解らなかったりして・・・・・
ようやく理解できる時が来ましたっ!!しかし・・・血統書を持ってくるのを忘れました。。

※ あくまでもARBAに登録、またはARBA公認種を繁殖するにあたり、必要な方式のことで
  全ての血統書はこの限りではありません。


血統書とは、ウサギの家系図のようなもので、3世代までが記載されています。
血統書では必ず記載しなければならないものがあり、3世代全ての個体のカラーと
体重です。この記載が無いと、血統や系統が解りません。
血統書は誰が書いてもいいものです。ウサギをブリーダーの元から購入すれば、その
ブリーダーが書いたものですが、繁殖者が別にいる場合は、その記載もあります。
そして、ウサギにもイヤーナンバーが左耳に入っていて、血統書にもイヤーナンバーが
記載されています。血統書にも左上にイヤーナンバーを記載する欄があり、無い場合は
自分で書き込みます。繁殖者の名前や、ラビトリーの名前の情報も必要です。

イヤーナンバーはショーに出展する時は必ず必要ですが、それ以外では必ず入れるとは
限りません。例えば、繁殖には不向きなペットタイプやまだ生後間もない頃では、イヤー
ナンバーが入っていない場合もあります。
イヤーナンバーは、1文字以上30文字未満(英字、英数字の合計数)までが規定に
なっています。というのは、ラビトリーの名前をイヤーナンバーに使う場合があるから
です。イヤーナンバーを見れば、一目でどこのラビトリーか解ります。また、個体識別
にも用いられます。

一番、詳細に書いてある血統書は、3世代までの両親の記載がある。(本兎を含めると
4世代になります) 全ての個体のカラー、体重が記載されている。イヤーナンバーが
ある。本兎の誕生日がある。繁殖者、またはラビトリーの情報が載っている、ことです。

実際に血統書を見てみましょう。

☆参考に、わが家の姫の血統書を載せました。(エバンス社製)


最近、血統書が簡単に書いて管理できるソフトが開発され、エバンス社製のソフトや
その他にもいくつか、血統書のソフトがあります。ARBAでも、ARBA様式の血統書を
発行しています。



但し、何度もいいますが、血統書の信用は「書いた人」の信用でもあります。決して
ARBAが血統書の内容や生体に関して、保証しているものではありません。あくまでも
“書きやすいように”したものです。自分で手書きでオリジナルを作っても、なんら
問題はありません。横書き、縦書き、用紙の大きさに制限はありません。
また、これほどまでに詳細な情報を載せるのは、ウサギの登録(ARBAに)をしようとした
時に、これらの情報が必要になってくるので書くのです。登録を目的としないならば、
この方式に従うことはありません。

血統書の見方です。(姫の血統書を使います。実際はラスティさんの血統書を見ました)
まず、左端に“本兎”の情報が書いてあります。



名前 : T&D NANNA    (名前を付けていない場合もあります)
カラー: OTTER-BLACK  (日本ではブラック・オターになります)
イヤーナンバー(Ear#): N2
体重(Waight):         (普通は単位はポンドです)
G.C.#:             (グランドチャンピオンナンバー、賞歴の一つ)
誕生日(DOB): November.29.2005 (2005年11月29日生)
性別(SEX) : DOE     (メスはドゥ、オスはBuck、バック)

※登録番号(Reg#):       (ARBAに登録された兎のナンバーです)
※賞歴(Legs):         (1位を取った回数です。Winとも表される)

※印については、あとで説明します。


次に、本兎の右となりには、両親(1世代)が書いてあります。父方は上方の系図、
母方は下方の系図を辿ります。


【父方】父~祖父母(1-2世代)


    祖父母~曾祖父母(2-3世代)


父(Sire) 母(Dam) 祖父(G.Sire) 祖母(G.Dam)
曾祖父(G.G.Sire)  曾祖母(G.G.Dam) の事です。世代を色分けしている
血統書もあります。

【母方】母~祖父母(1-2世代)


    祖父母~曾祖父母(2-3世代)


このように3世代、全てのイヤーナンバー、カラー、体重が記載されています。ブリーダーと
血統、そして本兎に対して、高い信頼がおけるものになります。


次に※印をつけたRegとLegsについて、説明します。

まず、Registration(レジストレーション)の略で、ARBAに兎が登録されたことを
意味ます。登録には、ARBAの兎専門の登録士が認定した兎だけが、登録されます。
登録士はジャッジと同じくらい重責を担っています。登録士になってから、ジャッジに
なります。いずれも、全ての品種のスタンダードが解らなければなりません。登録士は
他に、兎の登録などの申請書類に不備が無いかも、チェックするちょっと大袈裟ですが
審査官でもあるのです。


実際に登録するには、まず、兎が生後6ヶ月以上であること。左耳にイヤーナンバーが
刺青されていること、スタンダードを満たしていること、3世代まで載っている血統書が
あること、オーナーがARBA会員であること。この条件を満たし、尚且つ登録士が
兎を実際に見て、登録可能であると判断された兎だけが、登録されます。
登録する意味は、兎の情報が消えないこと、それ以降の管理が楽になるのです。

登録が完了すると、今度は右耳に“R”の文字を刺青されます。後に書類でRegナンバー
が届き、血統書に記載することができます。

次に、まぎらわしいですがLegsです。こちらは、ショー成績で、1位を取った数が記載
されます。この1位というのは、出展者が3名以上、出展兎が5頭以上で競われたクラス
に限ります。例えば、兎の頭数は5頭いても、出展者が一人の場合もあります。
こういう場合は、いくら一位をとっても賞歴としては残りません。

このLegを3回取ると、G.C、グランド・チャンピオンの資格が得られます。このグランド
チャンピオンの資格を取ると、登録する資格も貰えます。ARBAの登録士に申請書を
提出し、審査を受け登録されます。先にも言いましたが、オーナーが会員でないと資格が
あっても登録できません。このG.Cは単にLegを3枚取った、という事実だけでそれ以上
でも以下でもありません。ショーのレベルに左右されるからです。ローカルクラブと
全米ショーでは、レベルが違います。同じ1位でも、そのショーの内容までは解りません
ので、実際にウサギを見ることです。

ちなみに、姫の血統書を読み解くと、父方の方に賞歴があります。母方がいっさい、ショー
に出なかったわけではありません。例え出ても賞歴に乗る成績ではなかった、というだけです。
賞歴が無いからダメだとか、そういうものではありません。また、父方に賞歴が集中して
いるのは、Buckの方が優性遺伝が出やすいからです。Dueは繁殖を控えていたり、
ショーではDQであったとしても、全体のバランスが取れていれば、繁殖向きになります。

ショーラビットとは、よりスタンダードに近い血統である、という意味で
それ以上でも以下でもありません。いくらグランド・チャンピオンだからといって、
本当にいいウサギかどうかは、実際に自分の目で見ることです。繁殖は形ばかりではなく
性格も重視します。いくら賞歴があっても、性格が凶暴であったり、臆病であったりと
する固体は繁殖には不向きです。繁殖は賞歴ばかりでも成り立ちません。血統でもそう
です。賞歴のある個体ばかりを集めて、繁殖させても子ども達全てが、賞歴を取れると
いうものではありません。賞歴ばかりにこだわるのではなく、実際のウサギを見て、
触って判断するものなのです。


☆ 内容に不備があり、加筆、修正しました。