長い夜もいよいよ後半戦。
次は第4戦となったドバイワールドカップデー。
伝統の芝2400mの戦いとなる。
欧州競馬へ特に力を注いでいる地元の巨大競馬グループ。
それは芝のレースに力を入れているとも言える。
そんな経緯から世界最高賞金のメインは芝のレースになる。
噂とも本気とも言えない説が流れている。
それを払拭する答えを出した。
今年からこのレースを含めた芝のレースの賞金を一気に増額。
メインにも迫るほどの高額賞金レースとなった。
芝の世界最高賞金レース。
その響きでこのレースの価値を高めることにしたのだ。
ここに挑戦するのは日本のチャンピオンホース。
そう言っても過言では無いだろう。
英雄と呼ばれる競馬界の救世主。
人気実力共に申し分の無いスーパースター。
それに唯一土をつけた馬なのだから。
あの瞬間は正直、この馬が恨めしかった。
私たちの夢が壊されてしまったかに思えてしまった。
だが、冷静に振り返れる今ならばあのレースは賞賛できる。
2着続きだった雪辱を見事に晴らした素晴らしい走りだったと。
そして、この馬が日本代表としてこの地に赴いたのが誇りに思える。
更に上を目指し世界へ目を向けるその姿を。
今日の鞍上はあの年末と同じ若き仏国騎手。
数センチといわれたあのJCでの敗戦。
もうあんな悔しい想いはしたくない。
その執念がもたらしたあの大一番での作戦。
追い込み一手の馬をスムーズに先行させる技術。
もはやこの馬のベストパートナーと言えるだろう。
この人馬の強さは世界にも轟いている。
堂々の2番人気。
1番人気の女傑にもホームとはいえ先着の経験がある。
ここは挑戦と言うより狙って勝ちに来た。
こういう表現が相応しい。
事実、欧州競馬は未だシーズンオフ。
真のトップクラスはここに顔を出して居ない。
世界を目指すにはここで負けている場合では無いのだ。
世界制覇への第一歩となるゲートが開いた。
前走と同じようにスタートからスッと前につける。
追い込み一辺倒だったころの面影すら感じられない。
外枠のゲートの位置そのままに外々を先頭で走る。
そのまましばらく真っ直ぐ走る。
内には切れ込まず馬群の様子を伺うように外を。
内枠の馬たちは積極的に前へ行きたがらない。
先頭を主張する馬は居ない。
それならばと腹を決めたのだろう。
無理に抑えることはしない。
そのまま先頭を走り続ける。
そして、1コーナーの時点で内に切れ込み逃げの体制を作った。
この馬が先頭を走る。
半年も前ならまず考えられなかった。
だが、今のこの馬ならばさほど違和感は無い。
リラックスして堂々と先頭を走るその姿。
寧ろこれで良いのだと確信めいた想いが沸いてくる。
そのまま力強く先頭を走って行く。
やがて最終コーナーが近づいて来る。
その勝負どころでは外から馬体を併せてプレッシャーを掛けられる。
だが、そんなものには全く動じる気配すらない。
自分のペースを崩すことなく走り続けている。
その綺麗なフットワークの走りに思わず見とれてしまう。
そのくらい自然な逃げを打っている。
いや、普通に走っていたらたまたま一番前だった。
そんな印象を受ける。
最終コーナーを回った。
そのまま先頭で直線に入る。
後ろの馬が早くも並びかける。
普通の逃げ馬ならばこれはピンチなのだろう。
だが、この馬の走りは全く安心して見ていられる。
手ごたえが全く違うのだ。
併走する馬は一杯に追っている。
なのにこの馬は全くの持ったまま。
それでいて徐々に差を広げて行くのだ。
残り400m。
満を持して追い出し始める。
するとグングン加速して行く。
それに伴い後続との差は開き始める。
残り200m。
完全に独走となった。
3馬身、4馬身と後ろを置き去りにして行く。
もう後の馬たちの動向など関係無い。
無人の野を行くかの如く。
ただ圧倒的な力を見せつける。
そのままどこまでも差を広げながらゴール板を駆け抜けた。
このメンバーでは力が違う。
この瞬間、世界中の誰もがそう思っただろう。
そして、日本人はこの瞬間とてもこの馬が誇らしかっただろう。
次はキングジョージに挑戦する。
そんな発言がレース直後の調教師から飛び出した。
普通ならば良いレースができればなあと。
期待半分で受け止めてしまう。
しかし、今日この舞台でこの走りを見せたこの馬ならば。
本気で勝てると心から思える。
欧州最高峰のレースを日本の馬が勝つ。
そんな競馬ファンの見果てぬ夢が現実に成ろうとしている。
そして、その舞台でのあの英雄との再戦。
もちろんこの馬は胸を貸す立場で。
その日本の2頭で世界の頂点を争う。
こんな夢も夢で無くなってきた。
先のことを想像しだすときりが無い。
今はただこの馬の走りを称えよう。
我等が日本人の誇りとなったこの馬を。
次は第4戦となったドバイワールドカップデー。
伝統の芝2400mの戦いとなる。
欧州競馬へ特に力を注いでいる地元の巨大競馬グループ。
それは芝のレースに力を入れているとも言える。
そんな経緯から世界最高賞金のメインは芝のレースになる。
噂とも本気とも言えない説が流れている。
それを払拭する答えを出した。
今年からこのレースを含めた芝のレースの賞金を一気に増額。
メインにも迫るほどの高額賞金レースとなった。
芝の世界最高賞金レース。
その響きでこのレースの価値を高めることにしたのだ。
ここに挑戦するのは日本のチャンピオンホース。
そう言っても過言では無いだろう。
英雄と呼ばれる競馬界の救世主。
人気実力共に申し分の無いスーパースター。
それに唯一土をつけた馬なのだから。
あの瞬間は正直、この馬が恨めしかった。
私たちの夢が壊されてしまったかに思えてしまった。
だが、冷静に振り返れる今ならばあのレースは賞賛できる。
2着続きだった雪辱を見事に晴らした素晴らしい走りだったと。
そして、この馬が日本代表としてこの地に赴いたのが誇りに思える。
更に上を目指し世界へ目を向けるその姿を。
今日の鞍上はあの年末と同じ若き仏国騎手。
数センチといわれたあのJCでの敗戦。
もうあんな悔しい想いはしたくない。
その執念がもたらしたあの大一番での作戦。
追い込み一手の馬をスムーズに先行させる技術。
もはやこの馬のベストパートナーと言えるだろう。
この人馬の強さは世界にも轟いている。
堂々の2番人気。
1番人気の女傑にもホームとはいえ先着の経験がある。
ここは挑戦と言うより狙って勝ちに来た。
こういう表現が相応しい。
事実、欧州競馬は未だシーズンオフ。
真のトップクラスはここに顔を出して居ない。
世界を目指すにはここで負けている場合では無いのだ。
世界制覇への第一歩となるゲートが開いた。
前走と同じようにスタートからスッと前につける。
追い込み一辺倒だったころの面影すら感じられない。
外枠のゲートの位置そのままに外々を先頭で走る。
そのまましばらく真っ直ぐ走る。
内には切れ込まず馬群の様子を伺うように外を。
内枠の馬たちは積極的に前へ行きたがらない。
先頭を主張する馬は居ない。
それならばと腹を決めたのだろう。
無理に抑えることはしない。
そのまま先頭を走り続ける。
そして、1コーナーの時点で内に切れ込み逃げの体制を作った。
この馬が先頭を走る。
半年も前ならまず考えられなかった。
だが、今のこの馬ならばさほど違和感は無い。
リラックスして堂々と先頭を走るその姿。
寧ろこれで良いのだと確信めいた想いが沸いてくる。
そのまま力強く先頭を走って行く。
やがて最終コーナーが近づいて来る。
その勝負どころでは外から馬体を併せてプレッシャーを掛けられる。
だが、そんなものには全く動じる気配すらない。
自分のペースを崩すことなく走り続けている。
その綺麗なフットワークの走りに思わず見とれてしまう。
そのくらい自然な逃げを打っている。
いや、普通に走っていたらたまたま一番前だった。
そんな印象を受ける。
最終コーナーを回った。
そのまま先頭で直線に入る。
後ろの馬が早くも並びかける。
普通の逃げ馬ならばこれはピンチなのだろう。
だが、この馬の走りは全く安心して見ていられる。
手ごたえが全く違うのだ。
併走する馬は一杯に追っている。
なのにこの馬は全くの持ったまま。
それでいて徐々に差を広げて行くのだ。
残り400m。
満を持して追い出し始める。
するとグングン加速して行く。
それに伴い後続との差は開き始める。
残り200m。
完全に独走となった。
3馬身、4馬身と後ろを置き去りにして行く。
もう後の馬たちの動向など関係無い。
無人の野を行くかの如く。
ただ圧倒的な力を見せつける。
そのままどこまでも差を広げながらゴール板を駆け抜けた。
このメンバーでは力が違う。
この瞬間、世界中の誰もがそう思っただろう。
そして、日本人はこの瞬間とてもこの馬が誇らしかっただろう。
次はキングジョージに挑戦する。
そんな発言がレース直後の調教師から飛び出した。
普通ならば良いレースができればなあと。
期待半分で受け止めてしまう。
しかし、今日この舞台でこの走りを見せたこの馬ならば。
本気で勝てると心から思える。
欧州最高峰のレースを日本の馬が勝つ。
そんな競馬ファンの見果てぬ夢が現実に成ろうとしている。
そして、その舞台でのあの英雄との再戦。
もちろんこの馬は胸を貸す立場で。
その日本の2頭で世界の頂点を争う。
こんな夢も夢で無くなってきた。
先のことを想像しだすときりが無い。
今はただこの馬の走りを称えよう。
我等が日本人の誇りとなったこの馬を。