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競馬のスポーツとしての魅力や、感動的な人と馬とのドラマを熱く語ります。

楽しい想像

2005-07-07 01:00:24 | 競馬全般
日米オークス制覇の快挙から2日。
その歴史的快挙の余韻が残る中、グリーンチャンネルで海外競馬ハイライトを観る。
いつもは、同じ競馬でも世界の舞台は遠い海の向うの別世界の出来事。
本場の欧米の競馬をただ羨望の眼差しで観ているだけだった。

だが、番組の冒頭で日本馬が米国で強い勝ち方をするレースが映し出される。
すると、このレースで取り上げられるような大レースを勝つ世界の強豪馬たちは、日本馬が遠征したときのライバルとなる存在になるのだと今更ながらに認識させられる。
そして、本場のトップホースの走りを観ると、やはり世界は広いと思わされる。

確かにアメリカンオークスを日本馬が圧勝したが、米国はやはりダートが主流。
芝路線のレベルが高いとは言い難い。
事実、アメリカ競馬の祭典ブリーダーズカップの芝のレースではアウェイにも関わらず欧州勢が活躍している。
欧州はまだシーズン真っ只中。
トップホースはわざわざ米国まで遠征したりはしない。
よって、今回の快挙というのはメンバーに恵まれたという面も大きい。

かりに快挙を成し遂げた彼女が秋にブリーダーズカップに出走するとしたら、米国馬だけでなく欧州のトップホースも負かさなければならない。
逆に言うと、もしそこでも勝つようだと世界一の牝馬と言っても過言ではなくなる。

今年の欧州3歳牝馬にも、強い女王が出現している。
デビュー以来8戦8勝。
無敗の仏国牝馬クラシック2冠馬。
早くもブリーダーズカップマイル2連覇などG1を10勝した欧州の歴史的名牝の再来とまで言われている。

もし、この馬とブリーダーズカップで対戦することになったら。
想像すると、ワクワクしてしまう。
これが単なる夢物語というわけではなく、実際にあり得る話だからなおさら。

近い将来のことをあれこれ想像する。
競馬で一番楽しいのは、実はこんなときかも知れない。
私の想像ではそんな夢舞台でも日本馬は世界の強豪と互角の走りをしている。

馬券の思い出

2005-06-28 23:57:00 | 競馬全般
競馬の魅力。
それは、馬と人とのドラマ。
強い馬たちの熱い戦い。
だが、やはり馬券の魅力と言うものも否定できない。

書く言う私も、春秋の競馬シーズン中は重賞をメインで毎週のようにPATで馬券を買っている。
しかし、基本的に万馬券狙いなので中々当たらない。
私を穴党にさせたのは、忘れもしない初めて万馬券を的中させたあのレースからである。
それまでの私は馬券はほとんど買わなかった。
競馬場で観戦する時に、応援馬券を買う程度。
当然、それほど真剣に予想することもなかった。

その年は前年に馬単、3連複が導入されたばかり。
馬連の時代を長く知る者にとっては、その破壊力は脅威だった。
ちょうど桜花賞の前日に、友達の誕生日に託けた飲み会を行うことになっていた。
誕生日プレゼントとして何か気の利いたものはないかと考え、ピンときた私は馬券をプレゼントすることにした。
桜花賞で3連複の大穴を狙い、小額でも当たれば大きい夢のあるプレゼントとして。
どうせなら本当に的中させて驚かせたかったので、それまでに無いくらい真剣に予想をすることにした。
月曜日から「Gallop」「競馬ブック」を読み漁り、グリーンチャンネルの「クラシックパーク」を食い入るように観て、とにかく一週間は桜花賞のことばかり考えていた。

そこで出た結論は、圧倒的な1番人気になるであろうアドマイヤグルーヴを切ること。
ここまで無敗ながら、長めの距離でのスローペースからの上がりの競馬ばかり。
初めてのマイル戦、初めての速いペースに対応できない可能性が高い。
これは危険な人気馬だと。

本命はスティルインラブに決めた。
前走のチューリップ賞で負けたが、あれは騎手の乗りヘグリ。
スピード競馬も経験済みだし、なにより競馬がとても上手い。
本来なら圧倒的な一番人気でもおかしくない馬が、2番人気ならばこれはおいしい。

他の上位人気馬は蹴飛ばすことにした。
トライアルを快勝した3番人気ヤマカツリリーは一本調子のスピード馬なので、ペースが速くなり底力を要求される桜花賞ではどうか。
フラワーCを豪快な追い込みで勝ってきた4番人気マイネヌーヴェルは、それに味を占めて同じように後方待機で不発に終わる可能性が高い。
チューリップ賞でスティルインラブを破った5番人気オースミハルカは、前走の勝利は恵まれてのもので、実力が上というわけではない。
トライアル2着のモンパルナスは6番人気のモンパルナスは1ハロン長い。
論理的な予想でズバズバ切り捨てた。

結局、馬券を買ったのはスティル以外では、近走好走しつつも人気が無い馬。
11番人気トーホーアスカ。
13番人気シーイズトウショウ。
14番人気ワナ。
10番人気くらいだったメイプルロード。
(この馬は取り消しになってしまったので正確な人気はわからない)
この5頭を3連複のボックスで100円ずつ。
当たれば万馬券の夢が溢れた、かつ当たる可能性も十分にありうるプレゼントをようやく買うことができた。
結果は周知のとおり。
アドマイヤグルーヴが3着に来てしまったため、この馬券は当たらなかった。

だが、自分用の馬券も買っていた。
それも、本命の馬からあえて馬単で購入していた。
レースではスティルインラブが早めに抜け出し、内でシーイズトウショウが粘る。
ゴール前では出遅れたアドマイヤグルーヴが猛然と追い込んでくる。
本来ならば、エアグルーヴの娘のこの馬を応援していたはず。
だが、このときばかりは「くるなー」と叫んでしまった。
結果は馬単11370円の配当。
この馬券を1000円も購入していた。
払い戻しは10万オーバー。
万馬券を的中させたのも初めてならば、こんなに大金の払い戻しを受けるもの初めて。
舞い上がりつつも、急いでWINSに駆け込み現金を手にした。
帰り道は誰が見てるわけでもないのに、周りの人間が敵に見えて、常に警戒しながら家に逃げ込んだのだった。

万馬券の味を知ってしまった私は、それから大穴を狙いに毎週のように競馬場に通った。
その頃は神掛かっていたのか、あと3回万馬券を的中。
800倍の配当を当てたりもした。
それから、自分を天才と過信しPATに申し込み、いつでも馬券を買える体制を整えた。
だが、それ以後は買えども買えども当たらず。
次第に馬券への熱も冷めていった。

現在は外れても痛くない程度の金額で楽しんでいる。
もちろん狙うは万馬券。

夢、幻と消えた南関東3冠

2005-06-17 21:54:57 | 競馬全般
今日、家に帰りネットでスポーツ新聞のサイトにアクセスしたとき、最も目にしたくなかった単語を見てしまった。
今週はこの単語を既に2回見ている。

米国遠征を控えた樫の女王の帯同馬にして、「恋人の日」の名を持つ牝馬。
同じ厩舎の仲間どおしで遠征すれば、きっと上手く行くと思っていた矢先のアクシデント。
主役では無い彼女にも、勝つチャンスは十分にあると思っていた。
むしろ、日本では手が届かなかったタイトルを同厩舎のライバルを破って手にする。
なんてストーリーもドラマチックで良いなあと思っていたのに。
たら、れば、は競馬では禁句なのだが。
もし、あのとき連闘しなかったら。
そんなことをどうしても思ってしまう。

その翌日には、米国からのニュース。
昨年、圧倒的な強さでブリーダーズCクラシックを勝ち、米国年度代表馬に輝いた馬。
ついこの間の今年の緒戦も、圧倒的な強さでG1勝ちを収めた。
今年の米国の中心となる馬。
そんな馬が電撃引退することになったという。
秋のブリーダーズCの楽しみが大きく減ってしまった。

そして、今日のニュース。
つい先週、この馬の走りを観て心が震えるほど感動し、次のレースを心待ちにしていたのに。
その日はどんなに仕事が忙しくても、絶対に現地観戦すると決めていたのに。
中央でダート無敗のあの馬を破り、文句なしの3冠に輝く姿を見たかったのに。
全てが夢、幻と消えた。

全ての競馬ファンの夢を背負うあの馬は。
あの馬だけは、無事に夏を越えさせてください。

誰にお願いするわけでもないが。
そう願わずにはいられない。

シービスケット

2005-06-14 23:23:26 | 競馬全般
事実は小説より奇なり。
この作品を読んだときにそう思った。

ある競争馬の物語。
この馬のことを私は知らなかった。
この物語がハリウッドで映画化され、アカデミー賞にノミネートされるほどの出来栄えだと聞いたときに、私は嬉しかった。
それほど良い映画なら、きっと競馬の真の魅力を知らない人も観るだろう。
そして、その映画により競馬とはギャンブルだけではない人と馬との感動のドラマであるということが一般の人々に伝わるはず。
競馬は今以上に市民権を得て、欧米のようにキングオブスポーツと呼ばれる日が来るのではないかと。

私は当然のように公開初日に映画館に足を運び、期待に胸を膨らませて作品を鑑賞した。
映画がラストシーンを迎えたとき、私はガッカリしてしまった。
確かに、面白いことは面白い。
ストーリーは劇的だし、何よりもレースシーンの映像に迫力がある。
だが、過度の期待を掛け過ぎたのか、思わず涙してしまうほどの感動は無かった。
これでは、競馬を知らない人に、思わず競馬場に足を運ばせてしまう程の感動は与えられないだろう。
なぜ、アメリカ人はこの程度の映画をアカデミー賞候補に選ぶのか疑問に思った。

そんな時、元々アメリカで出版された小説がとても素晴らしかったので映画化されたということを思い出した。
映画をより楽しく観るために、あえてその原作を読んでいなかったのだが、あの映画ではとても納得がいかず、すぐに小説を読んでみることにした。
そして、納得した。この馬の物語なら、映画化したくなるだろうと。
とにかくこの馬と、そこに集まった人たちがドラマチックなのである。
時折、良く練りこまれたストーリーだなあと感心してしまう。
その度に、いやこれは実話なんだと思い直す。

小説では主人公である一頭のサラブレッドが良く描かれている。
頑固でマイペースで、そのくせ気を許した相手にはヤンチャな顔を見せる。
まるで人間のように表情豊かに描かれていて、この辺は映画で表現するのは無理だろう。
人物もとても魅力的で、特に主戦ジョッキーのライバルがとても良い。
いや、ある意味その主戦ジョッキーを食ってしまっている。
それくらい、とにかくカッコイイのである。

また、主人公と同じ厩舎の馬の関係や、後輩の馬とのやり取りも微笑ましい。
調教師とマスコミの騙し合いなど、とにかく見所は満載である。
何よりも、映画では端折った物語をちゃんと読めるので、物足りなかった部分を埋められて納得することができる。

だが、映画が全くダメなわけでは決して無い。
私の場合は、映画の方が先だったので、小説を読んでいる内に映像が思い出されて、相乗効果で感動が深まった。
特に山場であるマッチレースのところは、あの映画の実況と映像が頭に浮かび、鳥肌が立ちそうだった。

残念ながら、この作品は競馬を知らない人にはとっつきにくいだろう。
読めたとしても、やはり競馬の知識が深いほど、この作品から受ける感動も深くなるだろう。
やはり、真の競馬の魅力が一般の人々に浸透する日はまだまだ先になりそうだ。

だが、私はこの物語を読んで感動した。
私は競馬の真の魅力を知っていて良かった。

小説「ジョッキー」

2005-06-13 23:20:22 | 競馬全般
競馬の読み物はノンフィクションに限る。

競馬を覚えたての頃は、昔の名馬物語を読んで実際に走る姿を観たことの無い馬に想いを馳せた。
ある程度の知識が増えてきた頃は、厩舎スタッフの仕事振りや牧場の人々の思いに胸を打たれた。

実際の競馬がいかにドラマチックで、いかに感動的かということを知ってしまうと、フィクションの競馬は何か白々しく感じてしまって自ら距離を置いてきた。
だが、通勤時の電車での退屈しのぎで読む本を探しているときに、文庫本化されていたこの作品に出会ってしまった。
この本のことは、前から知っていた。
恐らく競馬雑誌あたりで取り上げられていて、なかなか評判も良く何かしらの賞も取っている作品ということを記憶している。
ただ、競馬のフィクションということで、興味はあったものの結局読んだことがなかった。
そして、再びこの作品に出会ったのだが、やっぱり買うのをためらってしまった。
なぜなら、競馬の小説では一番有名な作品を1年ほど前に読んだからである。

馬事文化賞に選ばれ、映画化されたほどの名作。
だが、私はその作品では感動することができなかった。
その作品は競馬そのものよりも、一頭の馬の元に集まった人の人間ドラマに主眼が置かれている。
競馬はあくまでも人間ドラマの背景といった感じ。
良い作品だとは思ったが、ノンフィクションの名馬物語のように感動のあまり涙してしまうというものではなかった。
競馬小説の代表のようなその作品でさえ、不満に感じる私には競馬のノンフィクションは合わないんだと思った。
しかし、ルビにも有名な作家が絶賛したとの触れ込みが書かれ、やっぱり気になって気になって仕方なかった。
たかが文庫本1冊のために何度も悩んで、結局暇つぶしだから良いかと開き直って買うことにした。

買ってしまうと、元々興味のあった本なので早速読み始め、一気に物語りに引き込まれてしまった。
主人公は週に1鞍乗れるか乗れないかの冴えないフリージョッキー。
ただ、その状況に至るまでにも競馬界にありそうなドロドロした事情があり、思わずこの主人公に肩入れしたくなってしまう。
調教師や厩務員などのキャラクターも良く描けていて、本当の厩舎スタッフのような心情を上手く表現している。
馬もズブくてのんびりした馬や、臆病で気の小さい馬など、個性豊かで飽きさせない。
だがなんといっても騎手が主人公なので、見せ場はやはりレースシーン。
馬を操作する細かな描写や、ジョッキーの心情などがリアルで、このあたりの表現はフィクションならではという感じ。
とにかく面白いので、夢中になって一気に読み終わってしまった。

読み終わった後に冷静になって考えると、どことなく漫画チックなストーリーだったと思う。
だが、この小説は正に競馬そのもの、騎手の生活そのものを描いているから面白いのだろう。
いくら素晴らしい文章でも、競馬を刺身のツマのように描いている作品では感動できない。

元々、競馬に興味を持ったのは漫画だった。
生まれてすぐに母馬を亡くした仔馬。
その仔馬は生まれつき脚が悪かった。
母馬と仲良しだった牧場の子が、その仔馬を立派な競争馬に育て上げ、自らも騎手となり一緒にレースで戦ってゆく物語。
競馬はギャンブルというイメージしか無かった私に、競馬にも感動のドラマがあるということを教えてくれたその作品。
今思えばかなりムチャクチャな内容ではある。
でも、今読んでもやっぱり感動するだろう。

結局、その頃からあまり成長していないのだろう。
だが、文学的に優れた作品をさもわかった風に良いと評することはやっぱりできない。
自分の心で面白いと思ったものが、面白いのだ。

思えば、人生もそんな調子で渡ってきた気がする。
間違っていることを、間違っているとはっきり言って衝突したりして。
やっぱり、まだまだお子ちゃまだなあ。

だから、お子ちゃまな走りしかできず、力はあるのに大一番で勝ちきれないような馬を応援してしまうのかも知れない。

春の?サマー?グランプリ

2005-06-11 14:33:04 | 競馬全般
昨日、関東地方が梅雨入りした。
雨の季節は競馬に不向きだと思う。
馬場が悪くなるし、湿度が高く蒸し暑い。
馬もそういうときは走りたくないだろうし、人間も現地観戦するのをためらってしまう。

そこで、必死になってたくさんレースを使う必要の無いある程度の実績のある馬はこの時期を夏休みにあてる。
春競馬の疲れを癒すと同時に、競馬に不向きの季節に無理をさせないためである。
レース体系もそれを考慮し、大レースは過ごしやすい季節に配置されている。
いや、昔はそのように配置されていた。
というのも、春競馬の長中距離路線の総決算まではまだ2週間もある。
そのころには、全国的に梅雨入りをしていることだろう。
そんな時期に大レースを実施するのはいかがなものだろう。

昔はちょうど今くらいの時期で春のグランプリとして実施されていた。
この時期だとダービーを戦い終えた一流の3歳馬はローテーションがきつくなるので参戦することはまずなかった。
だが、この一ヶ月後に開催されていた中京のG2レースには稀に一流の3歳馬が参戦しターフを沸かせた。
ちょうど、同じ時期に実施される英国の大レースはクラシックを戦った3歳馬と古馬が対決する最初の舞台である。
その意味合いから、そのG2レースを日本版キングジョージなどと呼ぶ人もいた。

春のグランプリは最も格式が高い八大競争では無いため、昔から出走馬があまりそろわなかった。
その改善策としてか、あるとき実施時期が1ヶ月後ろに変更された。
その位置ならば、ダービーに出た3歳馬も無理の無いローテーションで出走できる。
まさに、日本版キングジョージである。

私もこの変更は大歓迎だった。
当時、3歳馬と古馬が初めて対決するのは、大体冬のグランプリだった。
それが、半年も早く観られるという期待と、いつも思う春のグランプリの出走馬に対する不満が一気に解消されると思ったからだ。
だが、開催時期をずらしても結局一流3歳馬の出走は無かった。

3歳馬の大目標はやはりダービー。
そこに向けて仕上げられた3歳馬は、その一月後に古馬と戦えるだけのお釣りは残って無い。
また、3歳馬のダービー後の目標はだいたい秋の菊花賞となる。
夏休みが短くなれば、春競馬の疲れを癒す期間が短くなってしまう。
そんな理由から、一流の3歳馬はダービー後は夏休みに入り、春のグランプリへは出走しない。

そして、古馬の面子も今までと変わらなかった。
逆に夏休みが短くなるのを嫌って回避する馬が増えたのではないだろうか。
秋の古馬長中距離路線は格の高いレースが立て続けにある。
それに備えて、夏場は無理をせずに早く夏休みに入り、春の疲れを癒したいのあろう。

そんな状況を危惧したのか、いつの間にか2週ほど実施時期が繰り上げられ現状の位置となる。
それが功を奏したのか、2年前には一流の3歳馬が出走してきた。
なんと春のクラシック2冠馬。
それを迎え撃つ古馬も、そうそうたるメンバー。
前年の年度代表馬。
前年の菊花賞馬にして、当年の春の天皇賞馬。
復活劇で安田記念を制したスーパーオールラウンダー
前年のこのレースの覇者。
冬のグランプリ2着馬にして前哨戦勝ち馬。
当時、史上最高メンバーと大いに話題となっていた。

その史上最高の響きに惹かれて、私は遥々関西まで現地観戦に赴いた。
初めてそのレースの空気を直に触れた私が思ったことはとにかく蒸し暑いということだった。
初夏の日差しと梅雨の湿度でとても屋外での競馬観戦には向いているとはいえなかった。
もちろん、馬が走るのに適しているとも思えない。
また、レースの前日にも雨が降り続いていたように、完全に雨の季節でそんな天気が続くときに大レースを行うのはどうだろうと疑問に思った。

話題となった当年のクラシック2冠馬は、見せ場も作れずに敗れてしまった。
その馬の秋競馬は、春の疲れが残っているかのように走りに微妙に影を落とし、結局3冠を逃してしまった。
ローテーションと勝ち負けに因果関係があるかどうかはわからないのだが。

3歳馬が出られなくても。
安田記念、オークス、ダービー。
一週空けて宝塚記念。
そんな昔の実施時期の方が良かったのではないかと。
そんなことをふと思ったりした。

乗り代わり

2005-06-02 00:09:09 | 競馬全般
乗り代わり。
競馬の世界では付き物である。

あるときは、お手馬が重なったとき。
またあるときは、鞍上強化のためリーディング上位の騎手へ。

そして、下手な騎乗をしてレースで負けたときに、その馬から下ろされ、乗り代わりとなる。
その場合は、その馬にもう二度と跨れないことが多い。
だが今週末、一度下ろされた馬で、もう一度G1に挑戦する騎手がいる。

考えてみると、この騎手はその馬が最も強かった頃に騎乗している。
初重賞制覇のときもこのコンビだったし、欧州遠征も一緒だった。
だが、あの秋の盾での騎乗以来、この馬に跨ることを許されていない。

そのレースはどうしても逃げたい馬がいた。
この馬は、天性のスピードと行きたがる気性があるため、下手に乗るとその逃げ馬と競り合いになってしまう。
しかし、これまで何度も同じような局面で、上手く控える競馬をしてきた。
そのレースでも、今まで通りの騎乗をして逃げ馬を先に行かせる競馬をすればよかった。
だが、秋の大一番でスタートから逃げ馬と競り合い始め、馬の闘争心に火をつけてしまい、オーバーペースで暴走し大敗を喫する。

誰がどう見ても、褒められた騎乗とはいえない。
いや、騎手のせいで負けてしまったと言っても、過言ではない。
事実、次のレースで外国人ジョッキーに乗り代わりとなっている。
下手な騎乗をしたために、下ろされたのだ。

ところが今回、偶然が重なり約1年半ぶりのコンビ復活となった。
ここ数戦コンビを組んでいた、主戦ジョッキーが騎乗停止となり、その馬の鞍上が空いてしまったこと。
騎乗予定だった馬が故障のため、そのレースに出ることができず、その騎手の体が空いてしまったこと。

前走では、約2年ぶりにその馬が勝利をあげた。
その馬を負かすために、最後まで迫っていたのが、その騎手だったのだから不思議な巡り合わせある。

正直、私は今回のこの乗り代わりは複雑な気分だった。
自分の好きな馬を、大舞台で無様な走りをさせた騎手だから。
だが、この騎手が雑誌に、再びこの馬に乗ることに対する想いを寄せているのを読んで気が変わった。

この馬の調教師は、その騎手の師匠にあたる。
師匠の管理馬で初めて重賞を勝ったのもこの馬だった。
その師匠の看板馬に泥を塗るような真似をしたことを酷く悔やんでいた。

そして、前走では自分の負かすべきライバルとして、その馬に挑んでいった。
その挑んだ相手は、かつての強さを取り戻した、元相棒の姿だった。
だから、レース後はらしさが戻ったその馬の姿が、凄く嬉しかったという。

些細な偶然。
それを人は運命と呼ぶ。

今週末は運命的な勝利が観たくなった。

チャンピオンステーブル

2005-05-15 22:19:00 | 競馬全般
本日の京王杯スプリングカップで、昨年の最優秀3歳牝馬が惨敗した。
休み明け、突然の雨など様々な理由はあるが、そもそもレース前の調教にもあると思う。

現在、日本一の地位を不動としている厩舎。
この厩舎の調教方法について、他と違うところは馬なり調教だろう。
馬を鍛えるというより、調整するという感じ。
馬を壊したくない、現役を少しでも長くしたいという考えによるものらしい。

個人的に、この厩舎の馬は成績にムラがある印象を受ける。
強い競馬をしたかと思うと、次は全く違う馬のような惨敗。
素質でレースをこなす感じの馬が多い印象を持っている。
チャンピオンクラスの馬でも、平気で見せ場も無く惨敗する。

馬の怪我を防ぐために、必要以上の負担をかけないという考えは素晴らしいと思う。
私も何度好きな馬の怪我に泣いたかわからないので、故障が一番怖い。
だが、自分の好きな馬が理由もわからず、惨敗するのも見たくは無い。

この厩舎の調教方針と馬の成績の相互関係はわからない。
しかし、サラブレッドというのは馬といえどもアスリート。
怪我を恐れて鍛えないのであれば、肉体的にも精神的にも、強くはならないのではないだろうか。
故障させないギリギリの鍛え方を、見極めるのも調教師の仕事なのではないだろうか。

また、この厩舎は連闘や中1週など間隔を詰めてレースに使うことがよくある。
そういうレースの使い方は、馬に負担とならないのだろうか。
そのような使い方で短期間に多く使い、その後長目に放牧に出すというやり方。
それは、厩舎の馬の入れ替えを効率的にするためであって、馬のためではないのではないか。

とにかく、このチャンピオンステーブルについては色々言いたい事があるが今日はこのあたりにしておこう。

春のグランプリに出走予定のチャンピオンホースは、恥ずかしいレースをしないような仕上げをしてくれるように祈るのみである。

今週末のG1

2005-05-10 23:03:00 | 競馬全般
今週末、楽しみなG1レースがある。
といっても、日本のレースではなく香港のチャンピオンズマイル。
ここに日本代表として、コスモバルクが出走するからである。

そして、ライバルにも凄い馬がいる。

まず、香港の英雄サイレントウィットネス。
17戦17勝で、あのシガーの連勝記録を破った怪物。
まあ、米国のダートを走っていたシガーの連勝記録と比べるのは、微妙な感じがするけど。
レースは豊かなスピードで先行して押し切る、ちょうど絶頂時のサクラバクシンオーのような走りをする。
とにかく強いのだが、基本的にスプリンターなのでマイルは初めてなので、そこにつけ入る隙があるか。
でも、前走で初の1400mを圧勝したので、ここもあっさりということも十分あるだろう。
とにかく、一番の強敵である。

さらに、英国から脚曲がりの天才少女アトラクション。
仔馬の頃、両前脚が曲がっていて、どんなセリ市場にも上場を拒まれるほど、世間から見放されていた。
そんな馬がデビューするや連戦連勝で、ついに英国牝馬クラシックの1000ギニーを制した。
その後も、マイルのG1を戦い続け、結局G1を4勝し欧州年度代表馬候補とも言われるほどの活躍を見せた。
両前脚を外側に向かって振り回すような独自の走法で、スピードを活かした逃げ切りを得意とする。
その生い立ちから、バルクがここに出なければ、応援したい個人的に好みの馬である。

この強敵を相手に、バルクがどんな競馬を見せるのか非常に楽しみである。

だが、中距離がベストで、マイルでは距離が短いのではないか。
前走の失敗から、前に行かせるのだろうけど、ライバルたちも同じような脚質なので、展開的にどうか。
という懸念があり惨敗してもおかしくない。

そして、やはり鞍上には五十嵐冬樹を配して欲しかった。
セントライト記念で前に行かせた騎乗は間違ってないと思うし、菊花賞も長手綱でうまく折り合いをつける走りはこれなら勝てると思わせたほどだった。
道営競馬ファンの想いを背負い、プレッシャーと戦いながら、クラシック戦線を共に走りぬいたパートナー。
バルクへの想いをずっと聞いてきたので、どうしても他の騎手が乗るのは納得がいかない。

しかし、ここはとにかくバルクの挑戦を応援することにしよう。

東京競馬場へ

2005-04-30 19:34:00 | 競馬全般
競馬観戦には絶好の天候と、新スタンドに誘われ東京競馬場へ。

まずは、ぜひ見てみたかったホースプレビュー。
ちょうど検量室前がガラス張りになっているので、レースを終えた馬から鞍をはずすところや、パドックから本馬場へ向かうところが見られて、なかなかおもしろい。
調教師どおしで談笑する姿や、ジョッキー談話を元女性騎手がテレビで報告しているところなんかも見られるので、つい長居してしまった。

新スタンドは全体的に競馬場らしからぬ雰囲気で、マッサージがあったりコンビニもある。
ようやく、今の時代にあっている感じになった。

私が初めて行った競馬場は中山だった。
そのころの中山は改装された後だったので、非常に綺麗で感動したものだった。
その後、初めて東京競馬場へ行ったときは中山との違いに驚いた。
中山よりも全然長い直線に驚き、古臭く薄汚れたスタンドに驚いた。

まさに、競馬を知らないころにイメージしていた競馬場の雰囲気だった。
でも、今のスタンドならば、初めて競馬場に来た人は、良い方に競馬のイメージが変わるはず。

新スタンドを堪能した後は、競馬博物館へ。
考えてみると、東京競馬場へは何十回と訪れているのに、ここには一回くらいしか行ったことが無かった。
今はフランス競馬展をやっていて、フランス遠征をした馬の勝負服なんかが展示されていた。
それ以外にも、いろんな馬具や、競馬の歴史など馬券以外の競馬の知識を得られる様々なものがあり、実はいい場所なんだと初めて認識した。

そして、フランス競馬の最大のレース、凱旋門賞にまつわる映像が360度スクリーンで観られるシアターがありこれがかなり良かった。
ブローニュの森での幻想的な調教風景や、森の中にあるロンシャン競馬場の美しい風景が映し出される。
実際の凱旋門賞の映像は、物凄い強力なメンバーがそろった年のもので、そのメンバーを問題にせずに馬群を切り裂きぶっちぎりのレコード勝ちをした馬のレースだった。
もう8年も前、海外競馬の映像はあまり観られない時代に、NHK-BSの「世界の競馬」で観ていて衝撃を受けたそのレース。
その勝ち馬は、私の中での世界最強馬の一頭として刻まれている。

それにしても、凱旋門賞のロンシャン競馬場は貴族の社交場といった雰囲気でとても華やかだった。
それに比べてしまうと、東京競馬場はマダマダだなと思ってしまった。

でも、今も昔も競馬場の雰囲気は大好きだ。
競馬観戦はやっぱり競馬場に限る。