卒業生の皆さん。
本日は、ご卒業おめでとうございます。
ご臨席のご父兄の皆様には、心よりお祝いを申し上げます。
また、校長先生ならびに諸先生方のご功労に対し、改めて敬意を表したいと存じます。
さて、卒業生の皆さんにお祝いの言葉を贈るにあたり、私が今まで経験をした中で、唯一、世界観が変わったダイビングについてお話させていただきます。
ダイビングの仲間と集い、笑いながら話すうちに私の心に響いた3つの事を、皆さんにメッセージとして贈ります。
1つめは、
《いくつになってもチャレンジする気持ちを忘れないでほしい》と言うことです。
私は、3年前にダイビングを始めました。
「どうしてダイビングを始めたの?。」と、よく聞かれます。
色々な経験をした方がいいと言う友人に背中を押され、沖縄の海でライセンスを取りました。
皆さんが修学旅行で訪れた、あの美しい海です。
仲間の中には、70歳を超えたおばあちゃまもいらっしゃいます。
ウエットスーツ姿に、タンクを軽々と背負う身のこなしは、とてもお年寄りには見えません。生き生きとしてすごく素敵です。
2つめのメッセージは、
《いくつになっても知らない世界がまだ存在する》と言う事です。
ダイビングを始めて気がついたのが、陸とは全く違う海の中の世界です。
サンゴが死んだ海
ゴミが集まって絨毯のように沈んでいる海底
そこに横たわる大きな海ガメ・・・
そういう光景を目の当たりにしながら、環境の事を考えます。
また、海底から見上げると、自分の呼吸が太陽の光に照らされ、キラキラ輝いた泡になり水面にのぼって行きます。
この年になって初めてみた光景、初めて知った世界です。
最後のメッセージは、
《大事なのは、友達、仲間、家族だ》と言うことです。
ダイビングは、必ず2人以上のペアで潜ります。
それを『バディー』と言います。
どちらかがトラブルになれば、必ずサポートします。
例えば、タンクの酸素が無くなれば、自分のタンクの酸素を分けます。
自分の酸素が減るからと、見捨てることはできません。
互いに、存在や状況を確認しながら、感じながら、水深20mの世界を潜ります。
『バディー』は、友達でもあり、仲間でもあり、家族のような存在でもあります。
決して一人ぼっちではいけないのです。
助けたり、助けられたり、泣いたり、笑ったり、一緒に感動したり出来る『バディー』が、皆さんの側にもいますよね?。
今日、卒業する44人全員と、先生方、お父さん、お母さん、ご兄弟が皆さんの『バディー』だと思いませんか?。
色々な事を想い、色々な事を乗り越えてきましたね。
本当に、良く頑張ったね。
今日は、終わりの日ではありません。
最初の一歩を踏み出す日です。
顔をあげて、皆さんが行くと決めた道を、堂々と歩んで下さい。
どんな時も、笑顔で!。
最後になりましたが、卒業生ならびにご臨席の皆様のご健勝とご活躍をお祈りいたしまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。