ブックマン社から出てます幕内秀夫著「変な給食」です。
私も5年前まで小学校で給食を作っていた栄養士兼調理師ですから
すごく興味がある本でした。
内容はミスマッチな給食を忠実に再現させて写真付きで紹介して
います。例えば・・「カレーうどん、アメリカンドッグ、小倉白玉、牛乳」
「黒糖パン、桜えびのかき揚げ、味噌汁、牛乳」 「生クリームパン、
焼きそば、牛乳」などなどです。 ※「」内で1つのメニューです。
そこには○○県××市、給食の出された日付まで記されて
いました。見るとここ1~2年前の給食ばかりです。
私が本格的に学校給食の仕事に携わるようになったのが98年
頃でした。その頃から自分が小学生だった頃の給食に比べて
随分美味しいものを食べさせているなぁ・・と感じたものです。
この本に書かれている内容は本当に栄養士がきちんと栄養の
バランスを考えて立てたメニューとはとても思えませんでした
一応、栄養の基準があるのでそれをちゃんと満たさないといけ
ませんし、且つ子供が喜ぶ美味しい給食を求められる訳ですから
それこそ「変な給食」が生まれちゃうんだと思います。
それにしてもこれは酷すぎだよなと思う献立が次から次へと
出て来るんです、この本は。
今の日本人の食生活は随分欧米化が進んでます。昔に比べて
今の子供達は何らかのアレルギーを持ってる子が増えています。
食物アレルギーの原因は主に卵、牛乳、小麦などです。
つまり今の現代人はそれらを摂る回数が増えたり摂り過ぎが原因
なんだそうです。パンやスパゲティーのような小麦主原料の洋食系
の食事からご飯中心とした伝統的な日本食に変えると圧倒的に
アレルギーが改善されるそうなんです。
これだけ欧米化の食事が進んでいる訳ですからせめて給食だけ
でも日本食を多く取り入れてあげて欲しいと著者は訴えてます。
私が給食を作っていた頃からも確かにご飯食よりパンや麺類の
献立がだいぶ多くなっていたような気がします。
ただそういうメニューが当たり前になっていますから和食のメニュー
の時に限っては極端に「残食」が増えてしまいました。生徒に聞くと
魚は骨があって嫌だとか、野菜が美味しくないだとか・・
結局和食を給食に出しても生徒が食べてくれなくては意味が無く
なります。それをどうにかして残食が減るように美味しい和食メニュー
を考えるか?が今後の栄養士の力量に掛かってくると思います。
昔ながらの日本食メニューを再確認して給食に取り入れて子供
たちの成長に貢献して欲しいもです。