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路地裏の古本屋 ~さきわい書院だより~

通販古書店さきわい書院(奈良市)の店主によるブログです。古本についての話題などをお届けします。

旺文社文庫の魅力

2012年04月07日 | 古本の話題
 学習参考書で知られる旺文社もかつては文庫本を刊行していました(1965年~1987年)。

 薄緑色をベースにした表紙には、エジプトの象形文字とギリシア神話の女神ペルセポネーがあしらわれています。ただ、後にはこれと異なった装丁のものも出ています。

 初めの頃は箱付きでした。旺文社文庫以外に箱付きの文庫本があるのかどうかは、調べていないので不明です。堅表紙の上製本も名作セットとして販売されていました。

 特色のひとつとして、作家・作品解説が詳しいという点が挙げられます。、代表作品解題、参考文献、年譜なども付いているものもあります。例えば『十五少年漂流記』には訳者である金子博による20頁の解説に加えて代表作品解題、年譜も付いています。明治時代の森田思軒訳の『十五少年』について述べた木村毅の寄稿も収録されています。

 旺文社文庫は最初の頃は高校生や大学生向きの名作が中心だったようです。その後、内田百、岡本綺堂、安藤鶴夫、山田風太郎などの作品も数多く収録されました。読書家にはうれしい文庫であったと言えます。

 当店でも旺文社文庫は販売、買取ともお取り扱いしておりますのでよろしく。



旺文社文庫の解説目録(1972年)と『舞姫・山椒大夫』(森鷗外)の箱と本体です。

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