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OSAMUの写真記録

INAXライブミュージアム 大「名品」展

撮影日:2019年11月23日

INAXライブミュージアムの一角を構成する施設の一つ「窯のある広場・資料館」がリニューアルされ、3年半ぶりにオープンしたのを記念して公開していない収蔵品の中から逸品をセレクトし大「名品」展として来年3月31日まで行われています。
今回、その記念イベントの一つとして開催された、なんでも鑑定団でお馴染みの陶芸研究科、森由美さんを招き、講演会と展示を一緒に見るという催しに参加しました。
イベントの内容は、土・どろんこ館に展示されている特別展示を森さんの解説を聞きながら鑑賞し、次にタイル博物館内を同じく森さんの解説を聞きながら鑑賞、最後に森さんの講演を聞くというものでした。
森さん自身、タイルが好きということでこれまでにも何度か来られているとは言え、早めに来館されて予習しただけで見事な説明をしていただきました。
また、講演は焼き物の歴史と収蔵品の中から森さんがお宝と思うものを解説するという内容でした。
講演の中で印象的だったのは、多様性の大切さを説いておられたことです。
仕事柄全国を巡られるなかで土産物が画一化してきていることを嘆いておられました。
多様性、これからも日本が世界で戦っていくためにも大変重要なキーワードだと思います。

1)16oo年頃に狩野派の絵師が描いた中国の風景を描いたものですが、床にタイル(塼)が描かれています
この屏風はもう一幅あり、年があけたら入れ替えるそうですので、また来ようと思います。


2)その一部のアップです(タイトル画像も同様です)
斜めから見た光景のはずなのに、タイル模様は真上から見たように書かれているのがユニークです。


3)上部:エザキ旧本社ビル(昭和初期)の外壁に埋め込まれたメダル型テラコッタ(左が象、右が獅子)
 下部:陶磁器製の狛犬(色合いが金属のよう)


4)左上:岡本太郎が色を試すために作成したオブジェ
 右上:アントニ・ガウディが設計した個人邸の外壁に使用されたタイル(エル・カプリチョ、スペイン北部コミーリャスに実在)
 左下:バーナード・リーチが描いた中国古代神話の軍神「蚩尤(しゆう)」、本来は5つの武器を持っているはずが、右足にだけ持っていない
 右下:レリーフタイル(タイルとは工業製品であるが一つずつ手作りしたこが伺える


5)左上:日本の近代窯業育ての親であるドイツ人化学者、ワグネル博士の肖像レリーフ
 右上:金色彩色タイル
 左下:道の駅親不知海岸ピアパークの北陸自動車道橋梁に粟津潔氏による陶壁画と共に設置されている陶製の亀
 右下:染付便器(立体に破綻なく模様を書き入れるのは大変難しいと思います)


ここからは常設展示です。

6)タイルミュージアムは2階に世界中から集められた歴史的に価値のあるタイルが展示されており、1階にはタイルの歴史が感じ感じられる空間が作られています。
 左上:クレイペグによる壁面装飾、最初は粘土を円錐状に成形し、それを粘土を塗った壁に刺して円錐の底を見せたものが始まりと言われています
 右上:紀元前2400年頃のエジプト、ジュセル王の階段ピラミッドの玄室の壁を飾ったタイル、粘土は使われていません
 左下:イスラム教のモスクを模した天井、タイルはイスラム教と共にヨーロッパに広がりました
 右下:産業革命によりタイルの製造が機械化され量産が可能になった頃のイギリスの住居空間


7)ビクトリアンタイルやマジョリカタイルの展示
1枚1枚がきれいで、これらを使った空間を想像するのも楽しいです。


8)オランダデルフトタイルでタイルを製造する工房を描いたもの
中国や日本の染付磁器を模したものが始まりです。


9)褐色釉レリーフ夫人肖像画タイル
レリーフを付けたタイル素地に褐色釉を塗布して釉の厚さの差で色の濃淡を出しています。
それで微妙な濃淡を表現するのは大変な技術だと思います。


10光る泥団子の大玉
直径が1mほどあるでしょうか。


11)土どろんこ館では光る泥団子作りができます
週末は予約が埋まるほどの人気です。芯となる粘土の球を作り、周りに色土を塗して磨いていきます。
やりだすと大人も夢中になってしまいます。


12)森さんの講演は5時15分からで、開始前にはこんなに暗くなっていました


13)タイルミュージアム1階
ここから左に回りタイルの歴史を辿る小トリップが始まります。


森由美さんの講演がきっかけでタイルミュージアム他に展示されている収蔵品を見ましたが、改めてコレクションの価値を認識しました。
これは山本正之氏が収集した約6000点のコレクションがベースになっているのですが、本当に幅広く、山本氏の見識の深さに感銘しました。
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