古事記 上つ巻 現代語訳 二十六
古事記 上つ巻
大気津比売神・蚕と穀物の種
書き下し文
又食物を大気津比売神に乞ひたまふ。尓して大気津比売、鼻口及尻より、種種の味物を取り出して、種種作り具へて進る時に、速須佐之男命、其の態を立ち伺ひて、穢汚して奉進ると為ひ、其の大宜都比売神を殺したまふ。故、殺さえし神の身に生れる物は、頭に蚕生り、二つの目に稲種生り、二つの耳に粟生り、鼻に小豆生り、陰に麦生り、尻に大豆生る。故是に神産巣日御祖命、、これを取らしめて、種と成したまふ。
現代語訳
また食物を大気津比売神(おおげつひめのかみ)に乞いました。
しかして、大気津比売は、鼻口、及び尻より、種種の味物(うましもの)を取り出して、種種、作りたてまつる時に、
速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)は、その態を立ち伺って、穢汚(わいお)して、すすめたてまつるためと思い、その大宜都比売神を殺しました。
故に、殺された神の身より生じた物は、頭に蚕が生じ、二つの目には稲種が生じ、二つの耳には粟が生じ、鼻には小豆が生じ、陰には麦が生じ、尻には大豆が生じました。
故是(このゆえ)に、神産巣日御祖命(かみむすびのみおやのみこと)は、これを取らせて、種となされました。
・味物(うましもの)
りっぱなもの。すばらしいもの
・穢汚(わいお)
けがれることけがれたもの。 また、そのさま。 汚穢
現代語訳(ゆる~っと訳)
また追放された速須佐之男命は、食物を大気津比売神に求めました。
そこで、大気津比売は、鼻や口、および尻から、様々な美味しい食べ物を取り出し、色々なものに調理し、差し上げた時に、
速須佐之男命は、その様子を覗き見て、汚して進上すると思い、その大宜都比売神を殺しました。
すると、殺された大宜都比売神の身体より生じた物がありました。
頭には蚕が生じ、二つの目には稲種が生じ、二つの耳には粟が生じ、鼻には小豆が生じ、陰部には麦が生じ、尻には大豆が生じました。
そこで、神産巣日御祖命は、これを取らせて、種となされました。
続きます。
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